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第十七話:救国の聖女
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エリアーナが開発し、カイルの万全の体制で量産された特効薬は、ヴァレリウス公爵領の騎士団によって厳重に警護され、王都へと届けられた。
薬の効果は、劇的だった。
投与された患者たちは、数日のうちにみるみる回復していった。死の淵をさまよっていた人々が息を吹き返し、絶望の淵にいた家族に笑顔が戻る。王都を覆っていた死の香りは消え、人々の間に活気が戻り始めた。
そして、その奇跡の薬をもたらしたのが、かつて追放された悪役令嬢、エリアーナ・フォン・クラウゼルであるという事実は、瞬く間に王国中に知れ渡った。
「国を救ったのは、エリアーナ様だった!」
「我々は、真の聖女様を追放してしまったのだ……」
「偽りの聖女などに騙された、王太子殿下こそが国賊だ!」
民衆の評価は、完全に逆転した。
エリアーナの名声は、「国を救った真の聖女」として、かつてないほどに高まった。彼女が辺境で成し遂げた数々の奇跡――霜焼けの薬、寒冷地での作物栽培、そして今回の特効薬開発――が、吟遊詩人によって語り継がれ、彼女は生きながらにして伝説の存在となっていった。
それと同時に、リリアの無能さと嘘は、白日の下に晒された。
彼女の魔法がただの付け焼き刃であったこと、エリアーナを陥れるために嘘をついていたこと。それらの事実は、もはや誰もが知るところとなった。王宮での居場所を失ったリリアは、貴族たちから冷たい視線を浴び、民衆からは石を投げつけられる始末だった。
彼女が夢見た、王子様との華やかな恋物語は、最悪の形で終焉を迎えた。
王都は救われた。しかし、人々の王家に対する信頼は地に落ちた。
アラン王太子への風当たりは、日に日に強くなるばかりだった。
そして、国を救った英雄であるエリアーナと、彼女を支えたカイル公爵を、王都へ正式に召喚し、謝罪と感謝の意を伝えなければならない時がやってきた。
それは、アランにとって、人生で最も屈辱的な瞬間となるはずだった。
薬の効果は、劇的だった。
投与された患者たちは、数日のうちにみるみる回復していった。死の淵をさまよっていた人々が息を吹き返し、絶望の淵にいた家族に笑顔が戻る。王都を覆っていた死の香りは消え、人々の間に活気が戻り始めた。
そして、その奇跡の薬をもたらしたのが、かつて追放された悪役令嬢、エリアーナ・フォン・クラウゼルであるという事実は、瞬く間に王国中に知れ渡った。
「国を救ったのは、エリアーナ様だった!」
「我々は、真の聖女様を追放してしまったのだ……」
「偽りの聖女などに騙された、王太子殿下こそが国賊だ!」
民衆の評価は、完全に逆転した。
エリアーナの名声は、「国を救った真の聖女」として、かつてないほどに高まった。彼女が辺境で成し遂げた数々の奇跡――霜焼けの薬、寒冷地での作物栽培、そして今回の特効薬開発――が、吟遊詩人によって語り継がれ、彼女は生きながらにして伝説の存在となっていった。
それと同時に、リリアの無能さと嘘は、白日の下に晒された。
彼女の魔法がただの付け焼き刃であったこと、エリアーナを陥れるために嘘をついていたこと。それらの事実は、もはや誰もが知るところとなった。王宮での居場所を失ったリリアは、貴族たちから冷たい視線を浴び、民衆からは石を投げつけられる始末だった。
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そして、国を救った英雄であるエリアーナと、彼女を支えたカイル公爵を、王都へ正式に召喚し、謝罪と感謝の意を伝えなければならない時がやってきた。
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