ゴミスキルと追放された俺の【模倣】が【完全模倣】に覚醒したので、最高の仲間たちと偽りの英雄パーティーに復讐することにした

黒崎隼人

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番外編:零落の魔術師

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 場末の酒場。むせ返るようなアルコールの匂いと、男たちの下品な笑い声が満ちている。
 その片隅で、玲奈は無心にテーブルを拭いていた。
 全てを失った彼女は、今、この酒場でウエイトレスとして働き、糊口をしのいでいた。

 パーティーを追放され、魔術師としてのプライドも、海斗への想いも全てを失った。残されたのは、自分たちが犯した罪の記憶と、どうしようもない後悔だけ。

 ふと、酒場の壁に設置された最新の魔導映像機(マジックビジョン)に、見覚えのある顔が映し出された。
『特集:王国を救った英雄、パーティー「アヴァロン」の素顔に迫る!』
 画面には、国王から勲章を授与される、クロ、楓、龍司の三人の姿があった。

 その中心で、少し照れくさそうに笑うクロ――湊の姿。
 そして、彼の隣で心からの信頼を寄せた笑顔を向ける楓。
 彼の後ろで、誇らしげに胸を張る龍司。

 彼らは、本物の仲間だった。
 互いを信じ、支え合う、本当のパーティーの姿がそこにはあった。

(私たちが……失ったもの……)

 玲奈の瞳から、一筋の涙が静かにこぼれ落ちた。
 もし、あの時、私たちが湊を裏切らなかったら。
 もし、あの時、海斗の間違いを誰かが止めていたら。
 私たちは、あんな風に笑い合える仲間になれたのだろうか。

「……もし、あの時……」

 後悔の言葉は、酒場の喧騒に紛れて誰に届くこともなく消えていった。
 彼女に残されたのは、もう二度と戻らない過去への、空虚な「もし」という言葉だけだった。
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