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第2話『氷の貴公子、爆誕(不本意)』
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ルミナス魔法学園の入学試験は、実技と筆記の二本立てだった。
筆記は、まあ、ギルフォードに一夜漬けでこの世界の歴史やら魔法理論やらを詰め込んでもらったおかげで何とかなった。問題は実技だ。
「これより、魔法実技試験を開始する!受験者は、目の前の的に対し、自身の得意な魔法を放て!」
試験官の厳つい声が、だだっ広い訓練場に響き渡る。
周りの受験生たちは、いかにもエリートといった雰囲気の貴族の子息ばかり。彼らが次々と炎の矢や氷の槍を的に命中させていく中、俺は内心、冷や汗をだらだら流していた。
(得意な魔法って言われてもな……)
俺がこの世界に来てからまだ数日。ギルフォードに教わったのは、魔力を体に巡らせて放出するという基礎中の基礎だけ。呪文の詠唱なんて一つも知らない。
「次!カイト!」
名前を呼ばれ、俺は覚悟を決めて訓練場の中央へと進み出た。周囲の視線が突き刺さる。特に、一際目立つ金髪のイケメンと、気の強そうな赤髪の美少女の視線がやけにチクチクした。
俺は深く息を吸い、目を閉じた。思い浮かべるのは剣道の構え。すり足。そして、踏み込みと同時に竹刀を振り下ろす、あの感覚。
(魔法も剣道も、根っこは同じはずだ)
体の中心に意識を集中させ、魔力を練り上げる。ギルフォードは言っていた。俺の魔力量は異常なほど多い、と。その膨大なエネルギーを、右腕の一点に込める。
目を開き、的を見据える。俺は剣道の踏み込みと全く同じ動作で地面を蹴り、目標との間合いを一気に詰めた。
「なっ!?」
試験官や他の受験生たちが驚くのが分かった。魔法の試験で、いきなり的に向かって走り出すなど前代未聞だったのだろう。
だが、俺の動きは止まらない。的の目前で、魔力を集中させた右腕を振り抜く。イメージは、竹刀で面を打つ軌道。
「――っ!」
声にならない気合と共に、俺の手から放たれたのは、呪文も魔法陣もない純粋な魔力の塊だった。
それは目に見えない衝撃波となって、的を、いや、的があった空間そのものをえぐり取った。
轟音。
土煙が晴れた後、そこに立っていたのは呆然とする俺と、跡形もなく消し飛んだ的。そして、しんと静まり返った訓練場。
「……し、試験官。今の、判定は……」
俺がおずおずと尋ねると、試験官は口をパクパクさせた後、やや引きつった顔で叫んだ。
「ご、合格だ!前代未聞だが、合格とする!」
やった。どうにかなった。
俺は安堵のため息をつき、その場にへたり込みそうになる。体中の魔力を一気に使ったせいで、足がガクガクした。
そんな俺の元に、二人の人物が近づいてきた。さっきから視線を感じていた、金髪のイケメンと赤髪の美少女だ。
「見事な魔力コントロールだ。だが、随分と無茶をする。俺はガイアス・フォン・ヴァイス。よろしく頼む」
金髪のイケメン――ガイアスは、爽やかな笑みで手を差し出してきた。なんだこいつ、絵に描いたような王子様だな。後でギルフォードに聞いたら本物の王子様だった。マジかよ。
俺は差し出された手を、男として力強く握り返した。
「カイトだ。よろしく」
「平民の出のくせに、随分と目立つじゃない。いいこと?学園のトップに立つのは、この私、マリア・フォン・クラインよ。勘違いしないでちょうだい」
一方、赤髪の美少女――マリアは、腕を組んでフンと鼻を鳴らした。いかにもプライドの高いお嬢様という感じだ。こういうタイプは、ちょっと苦手かもしれない。
まあ、何はともあれ、俺の魔法学園生活はこうして幕を開けた。
そして、本当の地獄はここからだった。
男子寮。それは男の俺にとって天国であるはずの場所。しかし、今の俺にとっては地雷原も同然の危険地帯だ。
「なあカイト、お前すげえな!あの王子様と渡り合ったんだろ?」
「今度、俺にも魔法教えてくれよ!」
幸い、ルームメイトになった連中は気さくなやつらで、試験での俺の活躍(?)を見てすっかり尊敬の眼差しを向けてくれている。それはありがたいが、距離が近い。やたらと近いのだ。
「風呂、一緒に行こうぜ!」
「いや、俺は……大勢で風呂に入るのが苦手なんだ。後で一人で済ませる」
「着替える時くらい、こっち向けよ!友達だろ?」
「……俺は、人前で肌を晒すのが苦手なんだ」
必死にごまかす毎日。風呂、着替え、トイレ。一つ一つの行動が綱渡りのようだ。特に寝る時が一番危ない。寝ている間にさらしが緩んだり、寝間着がはだけたりしないかと気が気でなく、眠りも浅い。おかげで目の下にはうっすらとクマができてしまった。
そのせいだろうか。
授業が始まって数日、俺はすっかり周囲から孤高の存在として見られるようになっていた。誰とも馴れ合わず、常にクールで、どこか影がある。
実技の授業では、剣道の動きを応用した独自の戦闘スタイルで他の生徒を圧倒する。魔法を剣のように扱い、相手の懐に一瞬で潜り込んで無力化する俺の戦い方は、この世界の常識から外れていたらしい。
いつしか、俺はこう呼ばれるようになっていた。
「氷の貴公子」、と。
(いや、貴公子って……俺、女なんだけど……)
心の中でツッコミを入れるが、もちろん口には出せない。女子生徒たちが遠巻きに俺を見て、「キャー、カイト様、今日も素敵!」「あのミステリアスな瞳に見つめられたい!」などと騒いでいるのを聞くたび、俺の胃はキリキリと痛んだ。
特に、ガイアスはやたらと俺に絡んでくるようになった。
「カイト!今日の放課後、訓練に付き合え!」
生徒会の仕事で忙しいはずなのに、時間を見つけては俺の前に現れ、手合わせを求めてくる。彼の剣技は本物で、魔法と組み合わせた戦闘は非常に強力だ。俺も剣道家としての血が騒ぎ、つい本気で相手をしてしまう。
訓練場で剣を交えるたび、俺たちの間には奇妙な絆のようなものが芽生え始めていた。彼は俺を好敵手として認めてくれている。それが、素直に嬉しかった。
だが、そんな俺を面白くないと感じている人間もいた。マリアだ。
彼女はことあるごとに俺に突っかかってくる。
「平民のくせに、ガイアス様と馴れ馴れしくしないで!」
「別に、馴れ馴れしくしてるつもりはない」
「その澄ました顔が気に入らないのよ!」
正直、面倒くさい。だが、彼女の実力も確かだった。炎の魔法を自在に操る彼女の戦闘スタイルは、苛烈で美しい。俺は、彼女のこともまた、一人のライバルとして認め始めていた。
こうして俺は、目立ちたくないのに目立ってしまい、作りたくないのに人間関係ができていくという、非常に面倒な状況に陥っていた。
(俺はただ、平和に男に戻る方法を探したいだけなんだが……)
授業が終わった後の図書室。
俺は一人、古代魔法に関する文献を読み漁りながら、今日も深いため息をつくのだった。この先、俺の学園生活は一体どうなってしまうのだろうか。
筆記は、まあ、ギルフォードに一夜漬けでこの世界の歴史やら魔法理論やらを詰め込んでもらったおかげで何とかなった。問題は実技だ。
「これより、魔法実技試験を開始する!受験者は、目の前の的に対し、自身の得意な魔法を放て!」
試験官の厳つい声が、だだっ広い訓練場に響き渡る。
周りの受験生たちは、いかにもエリートといった雰囲気の貴族の子息ばかり。彼らが次々と炎の矢や氷の槍を的に命中させていく中、俺は内心、冷や汗をだらだら流していた。
(得意な魔法って言われてもな……)
俺がこの世界に来てからまだ数日。ギルフォードに教わったのは、魔力を体に巡らせて放出するという基礎中の基礎だけ。呪文の詠唱なんて一つも知らない。
「次!カイト!」
名前を呼ばれ、俺は覚悟を決めて訓練場の中央へと進み出た。周囲の視線が突き刺さる。特に、一際目立つ金髪のイケメンと、気の強そうな赤髪の美少女の視線がやけにチクチクした。
俺は深く息を吸い、目を閉じた。思い浮かべるのは剣道の構え。すり足。そして、踏み込みと同時に竹刀を振り下ろす、あの感覚。
(魔法も剣道も、根っこは同じはずだ)
体の中心に意識を集中させ、魔力を練り上げる。ギルフォードは言っていた。俺の魔力量は異常なほど多い、と。その膨大なエネルギーを、右腕の一点に込める。
目を開き、的を見据える。俺は剣道の踏み込みと全く同じ動作で地面を蹴り、目標との間合いを一気に詰めた。
「なっ!?」
試験官や他の受験生たちが驚くのが分かった。魔法の試験で、いきなり的に向かって走り出すなど前代未聞だったのだろう。
だが、俺の動きは止まらない。的の目前で、魔力を集中させた右腕を振り抜く。イメージは、竹刀で面を打つ軌道。
「――っ!」
声にならない気合と共に、俺の手から放たれたのは、呪文も魔法陣もない純粋な魔力の塊だった。
それは目に見えない衝撃波となって、的を、いや、的があった空間そのものをえぐり取った。
轟音。
土煙が晴れた後、そこに立っていたのは呆然とする俺と、跡形もなく消し飛んだ的。そして、しんと静まり返った訓練場。
「……し、試験官。今の、判定は……」
俺がおずおずと尋ねると、試験官は口をパクパクさせた後、やや引きつった顔で叫んだ。
「ご、合格だ!前代未聞だが、合格とする!」
やった。どうにかなった。
俺は安堵のため息をつき、その場にへたり込みそうになる。体中の魔力を一気に使ったせいで、足がガクガクした。
そんな俺の元に、二人の人物が近づいてきた。さっきから視線を感じていた、金髪のイケメンと赤髪の美少女だ。
「見事な魔力コントロールだ。だが、随分と無茶をする。俺はガイアス・フォン・ヴァイス。よろしく頼む」
金髪のイケメン――ガイアスは、爽やかな笑みで手を差し出してきた。なんだこいつ、絵に描いたような王子様だな。後でギルフォードに聞いたら本物の王子様だった。マジかよ。
俺は差し出された手を、男として力強く握り返した。
「カイトだ。よろしく」
「平民の出のくせに、随分と目立つじゃない。いいこと?学園のトップに立つのは、この私、マリア・フォン・クラインよ。勘違いしないでちょうだい」
一方、赤髪の美少女――マリアは、腕を組んでフンと鼻を鳴らした。いかにもプライドの高いお嬢様という感じだ。こういうタイプは、ちょっと苦手かもしれない。
まあ、何はともあれ、俺の魔法学園生活はこうして幕を開けた。
そして、本当の地獄はここからだった。
男子寮。それは男の俺にとって天国であるはずの場所。しかし、今の俺にとっては地雷原も同然の危険地帯だ。
「なあカイト、お前すげえな!あの王子様と渡り合ったんだろ?」
「今度、俺にも魔法教えてくれよ!」
幸い、ルームメイトになった連中は気さくなやつらで、試験での俺の活躍(?)を見てすっかり尊敬の眼差しを向けてくれている。それはありがたいが、距離が近い。やたらと近いのだ。
「風呂、一緒に行こうぜ!」
「いや、俺は……大勢で風呂に入るのが苦手なんだ。後で一人で済ませる」
「着替える時くらい、こっち向けよ!友達だろ?」
「……俺は、人前で肌を晒すのが苦手なんだ」
必死にごまかす毎日。風呂、着替え、トイレ。一つ一つの行動が綱渡りのようだ。特に寝る時が一番危ない。寝ている間にさらしが緩んだり、寝間着がはだけたりしないかと気が気でなく、眠りも浅い。おかげで目の下にはうっすらとクマができてしまった。
そのせいだろうか。
授業が始まって数日、俺はすっかり周囲から孤高の存在として見られるようになっていた。誰とも馴れ合わず、常にクールで、どこか影がある。
実技の授業では、剣道の動きを応用した独自の戦闘スタイルで他の生徒を圧倒する。魔法を剣のように扱い、相手の懐に一瞬で潜り込んで無力化する俺の戦い方は、この世界の常識から外れていたらしい。
いつしか、俺はこう呼ばれるようになっていた。
「氷の貴公子」、と。
(いや、貴公子って……俺、女なんだけど……)
心の中でツッコミを入れるが、もちろん口には出せない。女子生徒たちが遠巻きに俺を見て、「キャー、カイト様、今日も素敵!」「あのミステリアスな瞳に見つめられたい!」などと騒いでいるのを聞くたび、俺の胃はキリキリと痛んだ。
特に、ガイアスはやたらと俺に絡んでくるようになった。
「カイト!今日の放課後、訓練に付き合え!」
生徒会の仕事で忙しいはずなのに、時間を見つけては俺の前に現れ、手合わせを求めてくる。彼の剣技は本物で、魔法と組み合わせた戦闘は非常に強力だ。俺も剣道家としての血が騒ぎ、つい本気で相手をしてしまう。
訓練場で剣を交えるたび、俺たちの間には奇妙な絆のようなものが芽生え始めていた。彼は俺を好敵手として認めてくれている。それが、素直に嬉しかった。
だが、そんな俺を面白くないと感じている人間もいた。マリアだ。
彼女はことあるごとに俺に突っかかってくる。
「平民のくせに、ガイアス様と馴れ馴れしくしないで!」
「別に、馴れ馴れしくしてるつもりはない」
「その澄ました顔が気に入らないのよ!」
正直、面倒くさい。だが、彼女の実力も確かだった。炎の魔法を自在に操る彼女の戦闘スタイルは、苛烈で美しい。俺は、彼女のこともまた、一人のライバルとして認め始めていた。
こうして俺は、目立ちたくないのに目立ってしまい、作りたくないのに人間関係ができていくという、非常に面倒な状況に陥っていた。
(俺はただ、平和に男に戻る方法を探したいだけなんだが……)
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