【解析眼】をゴミだと追放された俺、辺境で神獣と美少女たちに囲まれ最強の領地を築く~今更戻ってこいと言われても、もう遅い~

黒崎隼人

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第18話「本質を見抜く力」

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「ほざけぇ!」

 ゴルザが雄叫びを上げ、突進してくる。その一歩一歩が大地を揺らし、凄まじい圧力が俺に襲いかかる。

 だが、俺は冷静に【解析眼】で相手を捉えていた。

【対象:魔王軍四天王・虐殺のゴルザ】
【能力:超再生、剛力、魔力障壁、不死の呪いを込めた一撃】
【弱点:力の源は、胸部に埋め込まれた『奈落の魔石』。魔石を破壊されれば、超再生能力は停止する。魔石は常に強力な魔力障壁で守られているが、大技を繰り出す直前の0.2秒間のみ、障壁が僅かに薄くなる。】

 情報が一瞬で脳内に流れ込む。なるほど、そういうカラクリか。

「死ねぇ!呪怨撃!!」

 ゴルザの斧が、黒いオーラをまとって振り下ろされる。触れただけで魂ごと腐敗させるという、不死の呪いを込めた一撃だ。騎士団も、ガイアスも、この攻撃の前に為すすべもなかった。

 だが、俺には視えている。

 大技を放つため、胸の魔石を守る障壁が、一瞬だけ薄らぐのが。

「――遅い」

 俺はゴルザの懐に、風のように潜り込んだ。巨大な斧が俺の頭上を空しく通り過ぎていく。

 そして、俺は障壁が薄らいだ、その寸分の隙を逃さなかった。

 剣を振るうまでもない。

 俺は、星屑鋼で作られた剣の柄の先で、ゴルザの胸の中心を、軽く突いた。

 コツン、と小さな音が響く。

 ただ、それだけ。

 次の瞬間、ゴルザの胸に埋め込まれていた『奈落の魔石』に、蜘蛛の巣のような亀裂が走り――粉々に砕け散った。

「な……に……?」

 ゴルザは、自分の胸に起きたことが信じられない、という顔で俺を見た。

「あ……ああ……俺の、力が……」

 彼の体から黒いオーラが霧散し、超再生能力が失われていく。ただの、少し体の大きい牛頭の魔人に戻っただけだ。

「まだだ!空間ごと断ち切ってくれるわ!《ディメンション・ブレイク》!」

 ゴルザは最後の切り札である空間断裂魔法を放とうとする。指定した空間を、問答無用で切断する、回避不能の必殺魔法だ。

 しかし、俺は静かに指摘した。

「その魔法、座標の指定に0.3秒のラグがある。お前が狙っているのは、今俺がいるこの場所じゃない。0.3秒前に俺がいた、そっちの空間だ」

 俺は一歩、横にずれる。

 すると、俺が先ほどまで立っていた空間が、ズパリと音もなく断裂した。

「ば、馬鹿な……なぜ、魔法の術式が……!?」

「全部、視えてるからだ」

 俺はゴルザの目の前まで歩み寄り、剣の腹で彼の頬を軽く叩いた。

「終わりだ」

 その一言で、ゴルザの戦意は完全に砕け散った。彼はその場にへなへなと座り込み、降参の意を示した。

 最小限の動き。最小限の攻撃。

 しかし、それは最も効果的で、最も致命的な一撃だった。

 四天王を、まるで子供扱いするように無力化してしまった俺の姿に、王都の全ての人々が――そして、ガイアスとセラフィナが、ただ唖然として立ち尽くしていた。

 これが、ゴミスキルと罵られた【解析眼】の、本当の力だった。
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