KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

ジェド

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第四章 求道

第四章 求道 19

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「それで盗賊団の制圧を手伝ってやったわけか。いや、それなら何も謝る必要はねぇよ。実は、俺たちも仕事で盗賊団の動向を調査しててな。『道のど真ん中で盗賊が乱闘起こしてる』って話を街の奴等から聞いてここまで来たんだが、お前らが早めに鎮圧してくれたおかげで街の被害も少ねぇみてぇだし、結果的にはよかったんじゃねぇか? なあ、守央?」

「あ、ああ。そうだな」

守央は守優と美嘉、守善の3人の方を振り向いた。

「3人とも、無事で何よりだ。親心としてはあまり厄介ごとに首を突っ込んでほしくないが、よくやったな」

守央が口元に小さく笑みを浮かべると、守優は嬉々とした表情を見せる。

「ありがとうございます、父上!」

一方、美嘉と守善は申し訳なさそうに頭を下げた。

「ご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」

「今後は僕たちも気を付けます」

守善と美嘉が反省の意を示すと、光永は腕組みをしながら頷く。

「うむ。少々想定外の事態だったが、おかげで盗賊団についてより詳細な情報を得られたな」

光永と守央、世璋の3人は、用心棒たちに取り押さえられている盗賊たちに目を向けた。

「さて、我々の調査はひとまず終了としよう」

「まさか本当にこんな人通りの多い場所に盗賊が出没するとは、驚きましたね」

「けどよ、これで盗賊の連中は全員お巡りに引き渡されんだろ? だったら、今後しばらくは輸送隊も襲撃されずに済むんじゃねぇか?」

世璋がそう言うと、そこへ康正の父が息子と共にやって来る。

「その判断は早計だ。ここにいた盗賊の一部は、街外れの方角へ逃走している。小規模な残党とはいえ、輸送隊にとって脅威であることに変わりはないだろう」

康正の父が懐紙で刀に付着した血を拭うと、守央と世璋は康正の父を見てハッとした表情を浮かべた。

「お前は……!」

康裕こうゆうか!?」

世璋は茶化すような笑みを浮かべ、康正の父・康裕に駆け寄る。

「なんだよ、久し振りじゃねぇか! パッと見誰だかわかんなかったぜ! メガネなんておしゃれなもん掛けやがって、この野郎!」

「これは遠視用だ。気安くさわるな」

康裕はぶっきらぼうな態度を見せながら、眼鏡を弄ろうとする世璋の手を軽く払い除けた。

守央は口元に小さく笑みを浮かべ、康裕と話し始める。

「本当に久し振りだな。それにしても、お前がここにいるとは思わなかったが……」

「仕事の都合で近くに来ていただけだ。外の騒ぎがあまりにも耳障りで様子を見に来たが、まさか俺までこんな厄介事に巻き込まれるとはな」
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