KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

ジェド

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第四章 求道

第四章 求道 21

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「成金って奴か。確かに、身なりは典型的な金持ちの大和人って感じだな」

世璋が眉をひそめていると、鮫島は康裕の隣に立った。

先ほどまで若い男と話していた中年の男性警察官は、鮫島と話をし始める。

「鮫島様、この男はあなたの部下とのことですが……」

「いかにも、彼はわたしが雇った用心棒だ。普段は馬方や船方の護衛を任せているが、今日はわたしの身辺警護のために連れてきたところでね。まさか、こんな騒ぎに出くわすとは思ってもみなかったよ。わたしが見ていた限り、彼は盗賊の襲撃から泡盛の輸送隊を守っているようだったが、わたしの証言は参考にならないかね?」

「いえ、決してそういうわけでは……! た、大変失礼いたしました! 鮫島様の警護の方とは露知らず、このようなご無礼を……!」

中年の警察官がもう1人の警察官と共に慌てて敬礼すると、鮫島は愉快そうに高笑いした。

「ハッハッハッ! まあ、よいとも。君たちは人を疑うことが仕事だからね。こちらこそ、いきなり口を挟んで済まなかった。しかし、これも何かの縁かもしれない。この機会に、わたしの部下のことも紹介しておこう。彼がわたしの用心棒、摩文仁まぶに君だ」

鮫島が康裕の肩に手を置くと、康裕は2人の警察官に自己紹介する。

「摩文仁康裕、湧田村の那覇士族、位は筑登之親雲上だ」

康裕が無表情でそう言うと、鮫島はもう1人の警察官に目を向け、口元に小さく笑みを浮かべた。

「どうだろう? わたしの部下の素性についてご理解いただけたのであれば、此度の件について彼を不問にしていただけないかね?」

「え、ええ! もちろんでございます! こちらの確認不足でご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございませんでした!」

警察官が慌てて敬礼すると、鮫島は納得した様子で頷き、2人の警察官と話を続ける。

「うむ、わかっていただけたのなら何よりだ。日頃から街の平和を守る君たちには、我々市民も感謝している。これからもよろしく頼むぞ?」

『はっ! ありがとうございます!』

「では、これにて失礼」

鮫島が康裕と共に背中を向けて歩き出すと、2人の警察官は敬礼して鮫島と康裕を見送った。

すると、鮫島は光永の姿に気づいて立ち止まり、小さく笑みを浮かべる。

「おや、光永君じゃないか。ご機嫌よう。こうして会うのは久し振りかな?」

鮫島が右手を差し出すと、光永は鮫島と握手を交わした。

「鮫島殿、お久し振りです。こんな夜遅くまでお仕事とは、相変わらずご多忙ですな」
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