『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ろくでもない用事

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「いきなりで悪いけど、拠点に来て」


クレアと微妙な感じになってしまった翌日、昼前にゴウキの部屋にそう伝えにやってきたのはミリアだった。
最初に部屋にノックがされた時はクレアだったら気まずいなと思っていたが、違うようでゴウキは少し胸を撫で下とす。
とはいえ本来こうした用件は普段はクレアが伝えに来ていた。だから「あぁ、やはりクレアも気まずいのか」というのが嫌でもわかってしまい、そこは微妙な気持ちになる。


「今度は一体何の話だ」


歩きすがら、ゴウキはミリアに訊ねた。


「内容については、リフトさんが直接話すことになっているわ」


ミリアは歩みもそのままに、ゴウキの顔を見ることもなく淡々と言う。
彼女のそんな態度を見て、ゴウキは小さく溜め息をついた。ミリアのこんな態度は、昔からゴウキに怒っているときか、呆れているときに取るものであったのだ。嫌なところばかりが昔のままかよとゴウキは少しばかり気が滅入る。


「いきなり来るなよな。俺が出かけていたらどうするつもりだったんだよ。俺は出かけたら夕方まで帰ってこないから待ちぼうけだぜ?」


ゴウキが少し空気を変えようかと軽口を叩くが、ミリアはそれに対しては特に返事をしなかった。

あー、これは怒ってるやつかとゴウキは推察する。それも相当に怒ってるやつだと。
リフトが話をすると言っている辺り、ろくな内容でないことはわかる。一瞬昨日クレアに対してきつく言い過ぎてしまったことに対してのことかとゴウキは思ったが、それはすぐに可能性から除外した。クレアはそんなことをいちいち仲間に言うような人間ではない。むしろ不必要なほど溜め込んでしまうタイプだということをゴウキは知っている。


しばし二人して無言で歩いていると、ようやく拠点が見えてくる。
そこでミリアはようやく口を開いた。


「・・・これから私が言うことは独り言よ」


「・・・はぁ?何だって??」


突然言い出したミリアの言葉の意味を理解できず、ゴウキは思わず聞き返す。だが、ミリアはそれに返事はせずにを続けた。


「これから誰に何を言われても、我慢して飲み込みなさい。そうすれば悪いようにはならないようにするから」


「・・・」



これからパーティーの拠点でリフトが何か話をするが、それについて反論せずに飲み込めということ。そうゴウキはミリアの言葉を解釈した。
これはこれで今のミリアなりにゴウキを気遣っての発言なのだろう・・・ゴウキはそう受け取り、少しだけ口元を緩めた。


「って、・・・やっぱりろくな用事じゃねぇな」


そんなゴウキの呟きにはミリアは反応しなかった。
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