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追放後
オレやっちゃいました
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「待ってたぜェ!!この瞬間をよォ!!」
ゴウキ達が酒場を出た瞬間のことだった。外で彼らを待ち受けていた男が、ゴウキの顔を見るなりそう叫んだ。
「あ?」
咥え煙草したまま怪訝な顔をするゴウキ。
見ると、そこには柄の悪い冒険者風の男が二人と、彼らの後ろに10人を超えるこれまた同じ冒険者風の連中が並んでいた。
「俺達の顔を見忘れたとは言わせねぇぞ?」
前に立つ男の一人が自分の顔を親指で指してそう言う。しかしゴウキにはさっぱり誰の事だかわからない。なんだぁ?この馬鹿みてぇな三下は・・・としか思っていなかった。
「ゴウキあれだよ・・・ちょっと前にこの酒場で酔って喧嘩してた男二人を止めたじゃん。あの二人だよ」
頭に「?」を三つくらい浮かべていたゴウキにスミレが教える。
「あぁ、そういやそんなこともあったな。そんな男の顔まで良く覚えてたなスミレ」
「ま、忍者だから」
スミレの瞬間記憶能力の賜物である。
「てめぇ、あんだけのことしといて忘れるとはふざけんなよ!」
絡む男が激昂する。
しかしわざわざ躓いた足元の小石の形を覚えているような者はそうそういない。酔客の喧嘩の仲裁などゴウキにしてみれば争いのうちにも入らないような小事であった。
「てめぇが勇者パーティーのゴウキだと知ってて報復に出るのはリスクがあると思ったけどよぉ、噂によっちゃてめーはもうクビになったって言うじゃねぇか。だからこうしてお礼参りに来てやったぜ!」
「ほぉ」
ゴウキは煙草の煙を吐き出すと、吸いかけの煙草を地面に落とし踏み消す。
なるほど仲間を連れてお礼参りね。それならわかりやすい。
4区で生きていたときにはたびたびあったイベントごとに、少しばかり懐かしい気持ちになるゴウキ。これまでは勇者パーティーの一員という立場が、彼からこういう荒事をいくらか遠ざけていた一面があった。
ゴウキは立ち並ぶ冒険者風の男達を見渡す。どれもB級程度の冒険者。A級に届きそうなのもいるが、いずれにせよ今のゴウキとは比べるまでもなく平凡たる存在の冒険者に見えた。
「そんな仲間で大丈夫か?」
ポケットに突っ込んでいた手を出し、拳を握りこむゴウキ。瞬間湧いてくるそのオーラに、向かい合う男達は全員ビクッと肩を震わせた。
「び、ビビるな!勇者パーティーってのは、王家がバックボーンについているだけで実力的には大したことねーって言われてんだよ!つまりパーティーを抜けたコイツはただのハッタリ野郎でしかねぇのさ!!」
前に立つ男の一人がそう言って仲間を奮い立たせる。
あぁなるほど、勇者パーティーをそんな風に考えるやつらもいるのか。まぁ、最近は宣伝活動ばっかでまともに強敵とも戦って無かったしなとゴウキは思い、納得したように頷く。
「詫びても遅せぇぜ!お前らやっちまいな!!」
先頭の男が叫び、仲間達が一斉にゴウキに向かって動きだす。その瞬間だった。
メキョッ
何かが潰れる音がしたかと思うと、戦闘にいた男二人の体が地面に打ち付けられ、激しくバウンドしていた。
「「「!?」」」
それがゴウキの鉄拳の一撃によって起こったことだと気付いたのは、後ろにいた仲間達のうちの一人が同じように殴り叩きつけられてからだった。一瞬にして3人がゴウキの拳によって沈んだのだ。
「なっ・・・」
男達がやられた仲間の様子を把握しようとする前に、次々へとゴウキはその腕を振るい同じように叩き伏せていく。誰もが一撃でのされ、結局一方的にゴウキが蹂躙する形となり一瞬で騒動は決着した。
実にゴウキが動きだしてから10秒に満たない時間であった。
死~~~ん
騒いでいた野次馬達が言葉を無くし、辺りは一瞬にして静寂に包まれる。
「す、すげぇ・・・」
打ちのめされた男達の見て見物人が感嘆する。やられた男達はこの辺りでも有名な荒くれ冒険者だったが、ランク的にはB級といえど並より遥か上の部類に入る冒険者達であり、憲兵も彼らの蛮行を見て見ぬふりをすることが多いほどであった。そんな彼らはそれぞれたった一撃で顔を変形させ、歯を砕け散らせて意識を完全に手放していた。
失禁している者までいる。
「拳鬼っていうだけはあるぜ・・・なんで勇者パーティーはあんなのを手放しちまったんだ・・・」
もはや圧倒的な畏怖の対象とすら言えるゴウキの実力に、見物人達は勇者パーティーの判断は間違っていたのでは?と疑いをかける。しかしそれと同時に、ゴウキのその力が野放しにされている状況に対し恐怖も感じていた。
そんなゴウキを見つめる一つの目が、この後のゴウキの運命を狂わすのである。
ゴウキ達が酒場を出た瞬間のことだった。外で彼らを待ち受けていた男が、ゴウキの顔を見るなりそう叫んだ。
「あ?」
咥え煙草したまま怪訝な顔をするゴウキ。
見ると、そこには柄の悪い冒険者風の男が二人と、彼らの後ろに10人を超えるこれまた同じ冒険者風の連中が並んでいた。
「俺達の顔を見忘れたとは言わせねぇぞ?」
前に立つ男の一人が自分の顔を親指で指してそう言う。しかしゴウキにはさっぱり誰の事だかわからない。なんだぁ?この馬鹿みてぇな三下は・・・としか思っていなかった。
「ゴウキあれだよ・・・ちょっと前にこの酒場で酔って喧嘩してた男二人を止めたじゃん。あの二人だよ」
頭に「?」を三つくらい浮かべていたゴウキにスミレが教える。
「あぁ、そういやそんなこともあったな。そんな男の顔まで良く覚えてたなスミレ」
「ま、忍者だから」
スミレの瞬間記憶能力の賜物である。
「てめぇ、あんだけのことしといて忘れるとはふざけんなよ!」
絡む男が激昂する。
しかしわざわざ躓いた足元の小石の形を覚えているような者はそうそういない。酔客の喧嘩の仲裁などゴウキにしてみれば争いのうちにも入らないような小事であった。
「てめぇが勇者パーティーのゴウキだと知ってて報復に出るのはリスクがあると思ったけどよぉ、噂によっちゃてめーはもうクビになったって言うじゃねぇか。だからこうしてお礼参りに来てやったぜ!」
「ほぉ」
ゴウキは煙草の煙を吐き出すと、吸いかけの煙草を地面に落とし踏み消す。
なるほど仲間を連れてお礼参りね。それならわかりやすい。
4区で生きていたときにはたびたびあったイベントごとに、少しばかり懐かしい気持ちになるゴウキ。これまでは勇者パーティーの一員という立場が、彼からこういう荒事をいくらか遠ざけていた一面があった。
ゴウキは立ち並ぶ冒険者風の男達を見渡す。どれもB級程度の冒険者。A級に届きそうなのもいるが、いずれにせよ今のゴウキとは比べるまでもなく平凡たる存在の冒険者に見えた。
「そんな仲間で大丈夫か?」
ポケットに突っ込んでいた手を出し、拳を握りこむゴウキ。瞬間湧いてくるそのオーラに、向かい合う男達は全員ビクッと肩を震わせた。
「び、ビビるな!勇者パーティーってのは、王家がバックボーンについているだけで実力的には大したことねーって言われてんだよ!つまりパーティーを抜けたコイツはただのハッタリ野郎でしかねぇのさ!!」
前に立つ男の一人がそう言って仲間を奮い立たせる。
あぁなるほど、勇者パーティーをそんな風に考えるやつらもいるのか。まぁ、最近は宣伝活動ばっかでまともに強敵とも戦って無かったしなとゴウキは思い、納得したように頷く。
「詫びても遅せぇぜ!お前らやっちまいな!!」
先頭の男が叫び、仲間達が一斉にゴウキに向かって動きだす。その瞬間だった。
メキョッ
何かが潰れる音がしたかと思うと、戦闘にいた男二人の体が地面に打ち付けられ、激しくバウンドしていた。
「「「!?」」」
それがゴウキの鉄拳の一撃によって起こったことだと気付いたのは、後ろにいた仲間達のうちの一人が同じように殴り叩きつけられてからだった。一瞬にして3人がゴウキの拳によって沈んだのだ。
「なっ・・・」
男達がやられた仲間の様子を把握しようとする前に、次々へとゴウキはその腕を振るい同じように叩き伏せていく。誰もが一撃でのされ、結局一方的にゴウキが蹂躙する形となり一瞬で騒動は決着した。
実にゴウキが動きだしてから10秒に満たない時間であった。
死~~~ん
騒いでいた野次馬達が言葉を無くし、辺りは一瞬にして静寂に包まれる。
「す、すげぇ・・・」
打ちのめされた男達の見て見物人が感嘆する。やられた男達はこの辺りでも有名な荒くれ冒険者だったが、ランク的にはB級といえど並より遥か上の部類に入る冒険者達であり、憲兵も彼らの蛮行を見て見ぬふりをすることが多いほどであった。そんな彼らはそれぞれたった一撃で顔を変形させ、歯を砕け散らせて意識を完全に手放していた。
失禁している者までいる。
「拳鬼っていうだけはあるぜ・・・なんで勇者パーティーはあんなのを手放しちまったんだ・・・」
もはや圧倒的な畏怖の対象とすら言えるゴウキの実力に、見物人達は勇者パーティーの判断は間違っていたのでは?と疑いをかける。しかしそれと同時に、ゴウキのその力が野放しにされている状況に対し恐怖も感じていた。
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