『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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追放後

中々うまくいかない    *リフト目線

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王城から憔悴した顔で戻ってきたクレアを見て、痛ましい感情を抱きながらも、僕はついにゴウキを完全にパーティーから追い出せたのかと歓喜した。もちろん、表立ってその感情を見せるようなことはしないが。

全てうまくいった。僕はそう思った。

処分することを決めた当日、わざとクレアを多忙にするためにバーレン侯爵にご協力いただいて彼女を呼びつけさせた。

既に退職が決まっていたセントラルギルド職員に手を回し、勘違いを装って一時脱退ではなく脱退処分の手続きをさせた。

処分についてのゴウキへの説明に手紙という手段を取らせるように誘導した。これは少し苦しいかと思ったが、それでもゴリ押しせずともクレアはこれに頷いた。ゴウキに対しての後ろめたい感情が彼女を逃げ腰にしたのかもしれない。

そしてその手紙は配送事故によってゴウキの手には数日後に届くことになった。まぁ、これは僕たちが手を回したバーレン侯爵の依頼で王都を離れ、ギルドでも王城でもゴウキの処分が確定するまでの時間稼ぎであれば良かった。

王城に手続きが送られれば、バーレン侯爵を含めた僕の関係者が働き出し、国王の妨害を抑え込んででも追放処分を承認させる予定だったが、これは国王が外遊中だったという嬉しい誤算によりすんなり終わった。

僕の人脈を駆使した結果、ゴウキをついにこの『清』なる勇者パーティーから追い出すことができた。
前から僕が我慢をしてあの『濁』なる男を受け入れていたというのに、あの男は好きにやりすぎた。挙句の果てに僕に恥をかかせるなど到底許されることではなかった。ざまぁみろだ。


ただ一つ誤算だったのが、バーレン侯爵から依頼のクリスタルダンジョンでのことだ。
ゴウキなどいなくても十分にやっていける、むしろ僕が前衛として立つことで前よりもスムーズに戦闘が終わる・・・そんな事実をクレアに見せつけたかったのに、結果が予定と全く逆になってしまったことだ。惨敗も惨敗と言って良い結果だった。
依頼そのものはあくまで王都から僕達を離すためにバーレン侯爵に頼んで出させたものだから、失敗しても実は問題はないのだ。恥といえば恥であるが、この事は侯爵と僕達の間の内々の話になっているのでダメージは無い。

だが、首尾よくゴウキを追放し、復帰すら極めて困難であるというこの状況で、信じられないことになおも諦めないという決断をクレアは下した。
癪ではあるが代わりの壁役を入れようと考えていたのに、まさかクレアが幼馴染だからとゴウキにそこまで執着するとは思わなかった。これを無理にこじれば、僕の「カリスマ」が効き辛くなるところまで僕への信頼度が下がるかもしれない・・・だから僕はそれを黙って受け入れるように装ってその場は終わりにした。

仕方がない・・・また少し手間取るが、ゴウキはあくまでこのパーティーに必要がなかったということを、人格面からクレアに教え込んでいくしかないだろう。
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