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ゴウキ・ファミリー
スライム退治 その2
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「依頼人は子爵家様だそうだ。一応最低限の礼儀だけはしっかりな」
ゴウキはメンバーに一応そう断ってから、恐る恐る屋敷の扉を叩く。しばし間を置いて扉が開かれると、顔を出したのは燕尾服に身を包んだ、白髪の老人であった。
「スライム退治の依頼書を見て来たのですが」
「おぉ」
ゴウキが依頼書を突きつけ、そう言うと老人は感嘆の声を上げて喜んだ。
「お待ちしておりました。私は当ランバニア家の家令スラ吉と申します。ではどうぞ中へ・・・」
家令スラ吉に促され、ゴウキ達は屋敷に足を踏み入れた。
(これは・・・)
ゴウキはサッと見ただけですぐに違和感に気付いた。
これまで勇者パーティーにいたときから依頼の関係で何度か貴族の屋敷に入ったことがあったが、そのどれと比較しても今入ったこの屋敷は殺風景だった。壁に一枚の絵もどころか、花すらもない。悪い言い方をすれば「金が無さそう」だ。見栄を張ることもできないのだから。
「・・・なんかさ、アタシ達の拠点の方が綺麗じゃねー?」
「おい!」
つい思ったことが口に出てしまったスミレに対してゴウキが注意する。スラ吉はほっほっほと笑いながら
「これは手厳しい。今は当屋敷も使用人が少なく、清掃も行き届いているとは言い難い状況です。返す言葉もございません」
と申し訳なさそうに言う。
確かに屋敷の規模の割に、使用人の数がかなり少ないかなとゴウキは思った。
外の庭の手入れが出来ていないのも頷けた。
流石にスライムが住み着いている、ということは無さそうだが、これでもゴウキには十分に衝撃的だった。
「こちらでお待ちください」
スラ吉に通された応接室で、ゴウキ達はソファに腰掛けて当主を待つことになった。
立派なソファだが年代物で、久しく買い替えてはいないようだった。
20分ほど待っていると、やがてバタバタと足音が聞こえ、やや乱暴に扉が開かれる。
「すみません!お待たせしてしまいましたぁ」
息を切らしながら大声でそう言って入室してきたのは、ゴウキより少し年上と思われる女性であった。
青くウェーブのかかった長い髪で、瞳の青い美人である。
「すみません、汚れ仕事をしていたので、今急いで着替えて身支度をしてきたところなんです~」
間延びした話し方をするその女は、ドレスに慌てて着替えてから来たのか、ところどころヨレており、長い髪も若干乱れ気味であった。よほど慌てて来た様子が見て取れて、「先触れ不要」と依頼書に書かれていたものの、なんだか悪いタイミングで来てしまったなとゴウキは気まずい気持ちになった。
「初めましてぇ。私、当ランバニア子爵家当主、スラリーと申します」
凡そ貴族らしくないその女性が自己紹介すると、ゴウキ達は一様に「えっ、この人が?」という顔をした。
ゴウキはメンバーに一応そう断ってから、恐る恐る屋敷の扉を叩く。しばし間を置いて扉が開かれると、顔を出したのは燕尾服に身を包んだ、白髪の老人であった。
「スライム退治の依頼書を見て来たのですが」
「おぉ」
ゴウキが依頼書を突きつけ、そう言うと老人は感嘆の声を上げて喜んだ。
「お待ちしておりました。私は当ランバニア家の家令スラ吉と申します。ではどうぞ中へ・・・」
家令スラ吉に促され、ゴウキ達は屋敷に足を踏み入れた。
(これは・・・)
ゴウキはサッと見ただけですぐに違和感に気付いた。
これまで勇者パーティーにいたときから依頼の関係で何度か貴族の屋敷に入ったことがあったが、そのどれと比較しても今入ったこの屋敷は殺風景だった。壁に一枚の絵もどころか、花すらもない。悪い言い方をすれば「金が無さそう」だ。見栄を張ることもできないのだから。
「・・・なんかさ、アタシ達の拠点の方が綺麗じゃねー?」
「おい!」
つい思ったことが口に出てしまったスミレに対してゴウキが注意する。スラ吉はほっほっほと笑いながら
「これは手厳しい。今は当屋敷も使用人が少なく、清掃も行き届いているとは言い難い状況です。返す言葉もございません」
と申し訳なさそうに言う。
確かに屋敷の規模の割に、使用人の数がかなり少ないかなとゴウキは思った。
外の庭の手入れが出来ていないのも頷けた。
流石にスライムが住み着いている、ということは無さそうだが、これでもゴウキには十分に衝撃的だった。
「こちらでお待ちください」
スラ吉に通された応接室で、ゴウキ達はソファに腰掛けて当主を待つことになった。
立派なソファだが年代物で、久しく買い替えてはいないようだった。
20分ほど待っていると、やがてバタバタと足音が聞こえ、やや乱暴に扉が開かれる。
「すみません!お待たせしてしまいましたぁ」
息を切らしながら大声でそう言って入室してきたのは、ゴウキより少し年上と思われる女性であった。
青くウェーブのかかった長い髪で、瞳の青い美人である。
「すみません、汚れ仕事をしていたので、今急いで着替えて身支度をしてきたところなんです~」
間延びした話し方をするその女は、ドレスに慌てて着替えてから来たのか、ところどころヨレており、長い髪も若干乱れ気味であった。よほど慌てて来た様子が見て取れて、「先触れ不要」と依頼書に書かれていたものの、なんだか悪いタイミングで来てしまったなとゴウキは気まずい気持ちになった。
「初めましてぇ。私、当ランバニア子爵家当主、スラリーと申します」
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