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ゴウキ・ファミリー
盗賊の最終手段
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「最後にお願いだ。俺達を見逃してくれ」
ハンマは最後にもう一度だけそう問う。
「駄目だ。見逃せないって」
ゴウキの返答は変わらずだった。
「そうかよ。なら、仕方ねぇなこれだけはやりたくなかったが」
ハンマがそう言うと、周囲にいた他の盗賊達は彼の意図を察したのか、ハンマを見て小さく頷いた。
「おい、ゴウキ。こいつ何かやるつもりだぜ」
スミレがそう注意を促すと同時だった。
盗賊達は一斉に行動を開始する。
「あん?」
呆気に取られるゴウキの前で、盗賊達は一斉に隠し持っていた物を地面に投げつける。
途端に、投げつけられたものから大量の煙が噴き出した。
「煙玉だ!」
スミレが叫んだ。
忍者も姿を眩ませて逃走を図る際、使うことがある道具の一つであった。地面に叩きつけると小さいながらも多量の煙を吐き、一瞬にして相手の視界を奪う代物だった。それを盗賊達は同じ物を持っていて、皆が一斉にそれを使ったのだ。アジト内は一瞬にして煙で充満した。
(良し!)
煙で視界が満たされると、ハンマは踵を返して走り出す。
何年も住み慣れたアジトなので、煙で視界がゼロでもどこに何があるかは把握出来ている。器用に足音を立てずに、素早くハンマは目的の場所へと走った。
「さっき話してたヤツが逃げてる!」
それを察したスミレが叫ぶ。
「場所は索敵魔法で把握してます!大丈夫」
「大丈夫だ、まだ見失ってない」
リノアは慌てた様子もなくそう言い、デニスは極力消しているはずのハンマの足音を聞き取っているらしく、この状況でも落ち着いて追いかけてきているようだった。
(ちっ、化け物どもめ!)
未知のエリアで視界を奪われれば、誰でも多少は警戒する。
しかしゴウキ達にはそれがない。それどころか自分の位置を認識し、追いかけてきている様子ではないか。
ネジの外れたやつと遭遇しちまったなとハンマは焦りを感じながらも、それでもどうにか目的の場所までたどり着くことが出来た。
(これだけはやりたくなかったが、危険な賭けだが、それでももうこれに賭けるしかない!)
ハンマが行きついたのは洞窟に突然姿を現した大きな檻。その前に一瞬立ち止まり、それでも決心をして彼は持っている鍵で檻の鍵を開けた。
ガチャリと解錠した直後に、ハンマはすぐに飛びのいた。
瞬間、檻の扉が乱暴に開かれた。
檻の中身が出てきたのだ。
(さて、どうなるか・・・)
ハンマは檻から出てきたモノを見て、祈るような気持ちになった。
檻から出てきたそれは、ハンマには目もくれず後から追いすがったデニスと対峙した。
「・・・これは・・・」
煙が充満しているエリアから抜け出たデニスは、それを見て声を洩らす。
デニスが目にしたそれは、巨大な蛇であった。
ハンマは最後にもう一度だけそう問う。
「駄目だ。見逃せないって」
ゴウキの返答は変わらずだった。
「そうかよ。なら、仕方ねぇなこれだけはやりたくなかったが」
ハンマがそう言うと、周囲にいた他の盗賊達は彼の意図を察したのか、ハンマを見て小さく頷いた。
「おい、ゴウキ。こいつ何かやるつもりだぜ」
スミレがそう注意を促すと同時だった。
盗賊達は一斉に行動を開始する。
「あん?」
呆気に取られるゴウキの前で、盗賊達は一斉に隠し持っていた物を地面に投げつける。
途端に、投げつけられたものから大量の煙が噴き出した。
「煙玉だ!」
スミレが叫んだ。
忍者も姿を眩ませて逃走を図る際、使うことがある道具の一つであった。地面に叩きつけると小さいながらも多量の煙を吐き、一瞬にして相手の視界を奪う代物だった。それを盗賊達は同じ物を持っていて、皆が一斉にそれを使ったのだ。アジト内は一瞬にして煙で充満した。
(良し!)
煙で視界が満たされると、ハンマは踵を返して走り出す。
何年も住み慣れたアジトなので、煙で視界がゼロでもどこに何があるかは把握出来ている。器用に足音を立てずに、素早くハンマは目的の場所へと走った。
「さっき話してたヤツが逃げてる!」
それを察したスミレが叫ぶ。
「場所は索敵魔法で把握してます!大丈夫」
「大丈夫だ、まだ見失ってない」
リノアは慌てた様子もなくそう言い、デニスは極力消しているはずのハンマの足音を聞き取っているらしく、この状況でも落ち着いて追いかけてきているようだった。
(ちっ、化け物どもめ!)
未知のエリアで視界を奪われれば、誰でも多少は警戒する。
しかしゴウキ達にはそれがない。それどころか自分の位置を認識し、追いかけてきている様子ではないか。
ネジの外れたやつと遭遇しちまったなとハンマは焦りを感じながらも、それでもどうにか目的の場所までたどり着くことが出来た。
(これだけはやりたくなかったが、危険な賭けだが、それでももうこれに賭けるしかない!)
ハンマが行きついたのは洞窟に突然姿を現した大きな檻。その前に一瞬立ち止まり、それでも決心をして彼は持っている鍵で檻の鍵を開けた。
ガチャリと解錠した直後に、ハンマはすぐに飛びのいた。
瞬間、檻の扉が乱暴に開かれた。
檻の中身が出てきたのだ。
(さて、どうなるか・・・)
ハンマは檻から出てきたモノを見て、祈るような気持ちになった。
檻から出てきたそれは、ハンマには目もくれず後から追いすがったデニスと対峙した。
「・・・これは・・・」
煙が充満しているエリアから抜け出たデニスは、それを見て声を洩らす。
デニスが目にしたそれは、巨大な蛇であった。
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