『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

セントラルギルドの変化 その10

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ゴウキが目立つ格好で目立つようなことをし始めてから数日・・・

セントラルギルドのギルドマスターの部屋では、部屋に主であるフミオンが書類を睨んで溜め息をついていた。
灰皿には山盛りになった煙草の吸殻。山になった書類。フミオンはここ数日、寝食も忘れて仕事に打ち込んでいた。
あまりに仕事に集中し過ぎて、ギルド職員を怒鳴ることすら忘れている。皮肉にもこの数日はフミオンがこの調子なのでギルドは少しだけ平和だった。


「・・・やはり駄目か・・・」


フミオンは唐突に目を通していた書類を投げ出して嘆いた。
ここ最近不景気極まりないセントラルギルドは、スライムジェルの輸出によって起死回生を図っていたものの、現実は従来通りの規模の取引にすら漕ぎつけなかった。それどころか次からは良くて縮小、悪ければ取引そのものの停止という危機がやってくる。

当初は交渉にあたっていた職員に怒り狂っていたフミオンも、時間を置いて冷静になると流石に本格的に危機感を感じ始めた。何しろセントラルギルドには今金が十分にない。何故ならフミオンがゴウキ憎しで拠点購入の妨害のために不必要な不動産購入をしてきたからだ。
ゴウキが拠点を手に入れてしまってからは、急いで手元に抱えた大量の不動産を売りに出したが、今だ全てが売れていないだけでなく、元の価格より大幅に値下げして売ったものがほとんどだ。
ギルドの金を使ったフミオンとしては、冒険者からの搾取分を増やしてでも無理して上げた利益で穴埋めしたところだったが・・・現実は穴埋めどころか、これまで通りの運営を行っていくことすら困難な状況になりつつあった。
フミオンは普段部下任せの仕事すらも自分で目を通すようになり、どうにか改善できるところはないか、穴が開くまで資料を睨み倒した。
しかし目ぼしい成果を何一つ上げることはできなかった。


「一体どうなってんだ・・・?」


憔悴した表情でフミオンが呟く。
冒険者からの搾取分を増やすよう指示したはずだが、全体的に利益が減っている。
ギルドを訪れた冒険者の数も減っているので、搾取分を増やしたところで総合的には前よりマイナスになっているのだ。
以前元職員の汚職を巡ってギルドでは大混乱が起き、そのときはゴタゴタで職員の気が立っていて接客が行き届いてなく、悪い噂が流れたのはフミオンも把握していた。
だが、王都にまともなギルドといえばセントラルギルドだけ。他のギルドは皆セントラルギルドの系列だ。冒険者ならば生活のためにいずれかのギルドに顔を出さないといけないはずだが、全てのギルドで収益と来客数が下がっていた。

ギルドに来ないとすれば、王都の冒険者はどこへ行ったのだ?
ギルドの混乱は収まり、いつでも冒険者を受け入れられる状態が出来ている。なのに来ない。おかしいではないか。

フミオンはある可能性について頭に浮かんでいたが、自身のプライドがその発想を打ち消していた。そんなことがあるわけがない。絶対に・・・


しかし、そんなフミオンの心情を余所に、彼の元に部下が定時連絡にやってきた。
そして彼が認めたくなかったことを、聞きたくなかったことを告げるのである。


「ギルドマスター。どうやら今回の件、フォースギルドの影響があるようです」
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