『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

不吉な予言

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「ジャックよ。クレアを処罰しなかったそうではないか」


バルジ王城の執務室にて、国王は冒険庁長官ジャックを呼びつけていた。
理由はジャックがクレアを冒険者として処罰しなかったから、だ。


「俺に任せるって王様が言ったんだぜ?だから俺の裁量で決めたんだろーがよぉ」


ジャックは部屋にあるソファにふんぞり返って、悪びれもせずそう言った。

この日ジャックが呼ばれたのは非公式なものであるために、今は国王と冒険庁長官という立場ではなく、個人的な会合ということになっていた。


「俺の処分に不服を言うくらいなら、最初から王様が決めれば良かったじゃねーか。勇者サマは王様の子飼いだぜ?」


国王とジャックは比較的フラットな間柄である。だからジャックは言いたいことをズバズバ言った。


「意地悪を言うでない。クレアを私自ら処分などすれば、アレを勇者として認定した私の立場がないではないか。ジャックが罰を与えることで、私もアレを処分する名目が出来たというのに・・・」


国王は苦い顔をして言う。
それを聞いたジャックは「はっ」と呆れたように笑い声をあげた。


「そもそも処分なんてしなきゃいいだけだっての。冒険者なんだから喧嘩の一つや二つはあたりめぇなんだよ。それをいちいち処分なんてしていたら、この国から冒険者なんて一人の残らなくなるぜ」


「ジャックが現役だった時代を基準にせんでくれ・・・ジャックがそのような態度だから、我が国の冒険者による犯罪発生率は他国のそれと比べて群を抜いて高いのだぞ?」


「だが、冒険者のレベルだって他国と比べて群を抜いて高いんだぜ?断言しても良いが、ここで俺が冒険者を品行方正にするべく締め付けを強化したら、この国の冒険者のレベルはアッと言う間に下がるね。冒険者ってのは気ままなもんなのさ。首輪をつけられるとわかったら、さっさとこの国からトンズラしちまうと思うね」


暖簾に腕押しのジャックに、国王は根負けして溜め息をつく。


「大体、どれだけ無能が目立ってきたからって、今はクレア達を処分なんてするべきじゃねーな。俺の考えてる通りなら、これから一人でも多くの冒険者が必要になる・・・そんなときが来るような気がしてならねぇ」


ジャックの言葉に、国王はギョッとした。


「魔人・・・か?」


国王が恐る恐る訊ねると、ジャックは溜め息をつきながら答えた。


「その可能性があるってだけ。けど、可能性はあるっちゃある・・・ はぁ~、一体だけでも頭が痛てぇのに、複数体出るって予言があるなんて、本当やりきれねぇぜ・・・」


口調は軽いが、ジャックの表情には疲労感が滲んでいた。
魔人の複数出現ーー その予言がとある有名な預言者より最近出されたことにより、ジャックは王都のみならずバルジ王国全土に人知れず非常警戒態勢を敷こうとしていたからである。


「とりあえず処分なんてさせねぇで、勇者サマ達のことはしっかり有効活用してくれや」
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