『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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賢者リノア

愛する者のために魔法使いを目指すまで

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リノアはトマスからのプロポーズを受け、彼の幼馴染から婚約者という関係になった。
しかし村ではトマスは村長の息子。リノアは普通の家の娘・・・それも出来損ない認定なので、狭いの村の中での婚姻とはいえ、釣りあいが取れていないと言われる懸念があった。


「僕が魔法学者として身を立てられるようになってから、父さんにはリノアとのことを話そうと思う。僕自身に利自立できるだけの力がない内は父さんはリノアと結婚したいと言っても聞いてはくれないだろうし、むしろムキになって違う人との結婚を強引に推し進めて来るかもしれないから。タイミングが大事だと思うから、そこだけは申し訳ないと思うけど・・・」


狭い村ではトマスの父である村長の言葉は絶対だ。それは息子であるトマスにだって同じこと。
いくら当人達の気持ちが繋がりあっているとしても、結婚となると簡単に話は進まない。村長の息子と結婚となると、相手にもそれなりのスキルや身分に容姿が要求されるが、リノアはその点・・・かなり苦しい立場にあった。

白魔法をまぐれで成功させたことがあるものの、初級の白魔法すら満足に使えない出来損ないであるただの村娘・・・というのが村でのリノアの評価である。
容姿の方は姉が姉なので今後期待が持てないわけではないが、それでも容姿が良いだけでは結婚相手として認められるのは無理がある。

だからトマスは学校を卒業してから村興しでマジックアイテムの製造会社を立ち上げ、その優秀な助手としてリノアを傍に置くことで彼女のことを結婚相手として認めてもらおうという腹積もりであった。マジックアイテムの製造、開発では魔法の実技が駄目でも知識さえあれば十分に活躍できるからだ。


「じゃあ行ってくるよリノア」


トマスとリノアはお互いの関係を秘めながら、一時離れることになった。
手紙のやり取りは幼馴染という間柄として怪しまれない程度に留めることにもなっており、リノアとしても寂しくないと言えば嘘であった。

だが、リノアはただ待つつもりはなかった。
こんな出来損ないである自分でも貰ってくれると言ってくれたトマスに報いようと、リノアはリノアで更に自分の価値を高め、村長に自分のことを認めて貰え安くなるようにと考えていたのだ。

そしてリノアが決めたのが、王都の学園への入学である。
駄目で元々。学園の環境ならばリノアでも白魔法使いになれるかもしれないと思っての事だった。
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