437 / 508
賢者リノア
ゴウキへの誤解
しおりを挟む
王都へ向かう途中トマスは、ゴウキ・ファミリーについて情報を集めた。
曰く、ゴウキは乱暴者。
元勇者パーティーメンバーだが、一人だけ浮いていた。
王都ではゴロツキと付き合いがあると噂がある。
王都で最も大きく、公正な冒険者ギルドである『セントラルギルド』の業務を妨害している。
ゴウキの悪評がいくらでも出てきて、それを知ったトマスは「そんな奴にリノアは騙されているのか」と嫌悪に顔を歪めた。
ゴウキは勇者パーティーにいたときからそこそこ知名度があったが、新聞屋の偏向報道などもあって悪いイメージが広まりつつあった。
ゴウキが活躍する王都ではそのイメージも払拭され始めているが、情報の回りが遅い田舎ではまだ古い情報のまま人々の間ではイメージが更新されないでいる。
トマスはたまたまその古い情報だけを拾い集めてしまい、ゴウキ・ファミリーに対して間違ったイメージを抱いてしまっていた。
「リノアはゴウキに騙されているんだ。そうじゃなきゃ、そんなゴウキとかいう極悪非道なやつについているはずがない」
トマスは悔しさに震え、そして一つの結論に至る。
「ゴウキがそんなとんでもない奴なら、僕にだって手段を選んでいる必要はない」
トマスは確かにゴウキについて誤解していたが、リノアに固執する彼はこの誤情報がなかったところで正常な判断をしていたかどうかは怪しい。
「これを使えば・・・フフッ」
トマスは自分が持っている道具袋の中身を見つめながら、怪しく微笑んだ。
彼が見つめているのは複数の魔道具である。
武勇で名を馳せるゴウキは強敵だ。そんなゴウキからリノアを取り戻すなど至難の業だろう。
だが、トマスには秘策があった。
女関係こそだらしなかったが、学校での勉強は真面目にやっていたのと、元より才能があったこともあって、トマスは独自に魔道具を開発できるまでに成長していたのだ。
そしてその魔道具を使うことにより、トマスはリノアを自分の元に取り戻そうと考えていたのである。
「待ってくれよリノア。すぐに迎えに行くから」
危ない思考に陥り、危険人物と化したトマスは、もうすぐ王都へ到着しようしていた。
今、一人の身勝手な男のために、リノアがやっと掴んだ平穏が乱されそうとしている。
曰く、ゴウキは乱暴者。
元勇者パーティーメンバーだが、一人だけ浮いていた。
王都ではゴロツキと付き合いがあると噂がある。
王都で最も大きく、公正な冒険者ギルドである『セントラルギルド』の業務を妨害している。
ゴウキの悪評がいくらでも出てきて、それを知ったトマスは「そんな奴にリノアは騙されているのか」と嫌悪に顔を歪めた。
ゴウキは勇者パーティーにいたときからそこそこ知名度があったが、新聞屋の偏向報道などもあって悪いイメージが広まりつつあった。
ゴウキが活躍する王都ではそのイメージも払拭され始めているが、情報の回りが遅い田舎ではまだ古い情報のまま人々の間ではイメージが更新されないでいる。
トマスはたまたまその古い情報だけを拾い集めてしまい、ゴウキ・ファミリーに対して間違ったイメージを抱いてしまっていた。
「リノアはゴウキに騙されているんだ。そうじゃなきゃ、そんなゴウキとかいう極悪非道なやつについているはずがない」
トマスは悔しさに震え、そして一つの結論に至る。
「ゴウキがそんなとんでもない奴なら、僕にだって手段を選んでいる必要はない」
トマスは確かにゴウキについて誤解していたが、リノアに固執する彼はこの誤情報がなかったところで正常な判断をしていたかどうかは怪しい。
「これを使えば・・・フフッ」
トマスは自分が持っている道具袋の中身を見つめながら、怪しく微笑んだ。
彼が見つめているのは複数の魔道具である。
武勇で名を馳せるゴウキは強敵だ。そんなゴウキからリノアを取り戻すなど至難の業だろう。
だが、トマスには秘策があった。
女関係こそだらしなかったが、学校での勉強は真面目にやっていたのと、元より才能があったこともあって、トマスは独自に魔道具を開発できるまでに成長していたのだ。
そしてその魔道具を使うことにより、トマスはリノアを自分の元に取り戻そうと考えていたのである。
「待ってくれよリノア。すぐに迎えに行くから」
危ない思考に陥り、危険人物と化したトマスは、もうすぐ王都へ到着しようしていた。
今、一人の身勝手な男のために、リノアがやっと掴んだ平穏が乱されそうとしている。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる