聖騎士は 愛のためなら 闇に墜つ

はにわ

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反逆

降臨祭 その3

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降臨祭のメインイベントである、降臨の儀が行われる時間になった。
法王による挨拶の言葉が音声を伝達する魔法装置によって神都全域に届けられ、住民や教徒たちは皆聞き入っている。それもそこそこに済まされると、いよいよメインイベントである降臨の儀が行われることになり、皆が息を飲む。
いまサンクレアにいる全員が法王城を見つめていた。



「おおおおおおおおお・・・」


国中でどよめきが起こった。
法王城に浮かび上がる、サンクレア城下町のどこからでも見られることのできるほどの巨大なシルエット・・・それは徐々にくっきりと形を見せ、一人の女性の姿が見て取れるようになったのだ。

女神ラビスの降臨である。


「なんとお美しい・・・」


「ラビス様・・・」


「ありがたやありがたや」


ラビスの容姿に心を奪われ、ただただ見つめている者、
呆然と信じられないものを見るかのように立ち尽くしている者、
涙を流しながら拝んでいる者、
皆、様々に反応を見せた。

だが、それも僅かな時間のこと。
ラビスが口を動かした次の瞬間には皆、一斉に空に浮かび上がるラビスの姿を見つめ、口を閉じた。


『愛しき我の子達よ・・・』


伝達装置に乗って聞こえて来る女神ラビスの声に、皆が聞き入っていたそのとき


『やあやあ皆さん、本日はお集まりいただき誠にありがとうございまーす』


ラビスのお告げが始まったばかりだというのに、それを遮って男の声が伝達装置から発せられた。


「な、なんだ・・・?」


神都中で騒めきが起こる。


『ラビス様のお告げを楽しみにしていただいて申し訳ありませんが、本日は予定を変更して、今後このサンクレアがどうなるかについてお話したいと思いまーす』


楽し気に語る男の声が神都中に轟いた。
騒めきが増し、混乱が一気に広まる。
声の主は、そんな人々のことなど気にせずマイペースで続けた。


『あぁ、申し遅れました。私、サンクレアの元聖騎士にして、現在ユーライに騎士として取り立てて頂いてる、カイと申します』


そう名乗った瞬間、神都中が一斉にシンと静まり返った。
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