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反逆
ラグナロク
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ハルトが鞘から剣を抜くのを見て、神殿騎士達は戦慄した。
(まずい怒らせ過ぎたか!?)
言う間でもないが、法王城内にて私闘などご法度である。通常の精神ならばいくら挑発されたとて、抜き身の剣を相手に向けるなどということはあり得ない。厳罰に処されるからだ。
だが聖騎士であり、救国の実績もあると来て、その上に法王自らこの場の警備の指揮権を与えているハルトならば、今ここで無礼討ちされても放免されるのでは?神殿騎士達の頭にそんなことが頭を過ぎった。
聖騎士の中でも取り立てて大人しいハルトが暴挙に出るとは考えていなかった神殿騎士達は、それが自分達に振り下ろされるかと思うと、抜き身になったその刀身から目が離せなかった。
「ナマクラかどうか、見てみるかい?」
無表情でそう告げるハルトの目には、何の感情も籠っていない。
自分達で試し斬りしてやろうか?神殿騎士達にはハルトの言葉がそのように聞こえた。
「あ・・・あれ?」
だが、神殿騎士の一人がハルトの持つ剣を見てあることに気付く。
「なっ・・・これは・・・」
「あっ・・・まさか・・・そんな」
他の神殿騎士達も、そこでようやく気付いた。
ハルトの持つ剣・・・それが到底ナマクラなどと呼べる物ではないことに。
神剣ラグナロク。
今ハルトが手に持っているのは、法王城の宝物庫に厳重に保管されている伝説の剣であった。
聖剣に勝るとも劣らないとされるほどの力を秘めた剣とされ、その強さ故に対魔王軍戦でも最後まで封印が解かれることが無かったほどである。神殿騎士達とて書物でしかその姿を見たことはなかった。
実在するかも怪しかった神剣を、まさか実物を目にすることがあるとは神殿騎士達も思っていなかった。
「これでもナマクラだと?」
ハルトの穏やかな声質の問いかけに、神殿騎士達は首を横に振る。
神殿騎士達は決して優秀な戦士ではなかったが、それでもラグナロクの刀身から発せられる神力を感じ取ることは出来た。故に偽物だ、と言いがかりをつけることもなく、素直に目の前にしているそれが本物であることを認めたのである。
「一体どうしてそれを・・・」
「それを君たちが知る必要はない」
神殿騎士の問いをハルトは切り捨てる。
このラグナロクは、ハルトが大司教より預かったものだった。
大司教がその権限を持って手を回し、聖剣を失ったハルトのために用意したのだった。しかしいくら大司教の権限の範囲内であり非常事態での出来事とはいえ、これを独断でやって問題ないわけがない。だから決して他言無用という約束の元、ハルトはラグナロクを借りることにしたのである。
(まずい怒らせ過ぎたか!?)
言う間でもないが、法王城内にて私闘などご法度である。通常の精神ならばいくら挑発されたとて、抜き身の剣を相手に向けるなどということはあり得ない。厳罰に処されるからだ。
だが聖騎士であり、救国の実績もあると来て、その上に法王自らこの場の警備の指揮権を与えているハルトならば、今ここで無礼討ちされても放免されるのでは?神殿騎士達の頭にそんなことが頭を過ぎった。
聖騎士の中でも取り立てて大人しいハルトが暴挙に出るとは考えていなかった神殿騎士達は、それが自分達に振り下ろされるかと思うと、抜き身になったその刀身から目が離せなかった。
「ナマクラかどうか、見てみるかい?」
無表情でそう告げるハルトの目には、何の感情も籠っていない。
自分達で試し斬りしてやろうか?神殿騎士達にはハルトの言葉がそのように聞こえた。
「あ・・・あれ?」
だが、神殿騎士の一人がハルトの持つ剣を見てあることに気付く。
「なっ・・・これは・・・」
「あっ・・・まさか・・・そんな」
他の神殿騎士達も、そこでようやく気付いた。
ハルトの持つ剣・・・それが到底ナマクラなどと呼べる物ではないことに。
神剣ラグナロク。
今ハルトが手に持っているのは、法王城の宝物庫に厳重に保管されている伝説の剣であった。
聖剣に勝るとも劣らないとされるほどの力を秘めた剣とされ、その強さ故に対魔王軍戦でも最後まで封印が解かれることが無かったほどである。神殿騎士達とて書物でしかその姿を見たことはなかった。
実在するかも怪しかった神剣を、まさか実物を目にすることがあるとは神殿騎士達も思っていなかった。
「これでもナマクラだと?」
ハルトの穏やかな声質の問いかけに、神殿騎士達は首を横に振る。
神殿騎士達は決して優秀な戦士ではなかったが、それでもラグナロクの刀身から発せられる神力を感じ取ることは出来た。故に偽物だ、と言いがかりをつけることもなく、素直に目の前にしているそれが本物であることを認めたのである。
「一体どうしてそれを・・・」
「それを君たちが知る必要はない」
神殿騎士の問いをハルトは切り捨てる。
このラグナロクは、ハルトが大司教より預かったものだった。
大司教がその権限を持って手を回し、聖剣を失ったハルトのために用意したのだった。しかしいくら大司教の権限の範囲内であり非常事態での出来事とはいえ、これを独断でやって問題ないわけがない。だから決して他言無用という約束の元、ハルトはラグナロクを借りることにしたのである。
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