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反逆
人体実験
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「あれ・・・?俺達何をしていたんだっけ?」
サンクレアの心臓の警備を外れた神殿騎士達は、僅か数分前の記憶を失っていた。何となくサンクレアの心臓の警備から外れたことは覚えているのだが、その辺の記憶が随分と曖昧になっていた。一人だけでなく、そこにいた全員がそうだ。
「なんだっけ・・・?覚えてないや・・・」
「まぁ・・・いいか」
釈然としない感じこそしたものの、何故だか「思い出さないほうがいい」という感覚がして、その後そのことについて誰も口にすることはなかった。
「なるほど、大したものだ」
サンクレアの心臓前で一人になったハルトは、一人呟いていた。
ハルトはラグナロクの貸与にあたり、大司教からもう一つの魔法具を借りていた。パッと見は宝石の埋め込まれたペンダントにしか見えないが、強力な魔力を秘めた『忘却の石』というものである。
大司教はラグナロクのことを無暗に人に知られないためにも、保険をかけた。ハルトに貸した『忘却の石』は、人の記憶を強制的に消してしまうことのできるものだ。これを使い、ラグナロクのことを知った人間の記憶を消すようにと、ハルトに強く言い含めたのだ。
「本当ににここまで効果があるなんて」
ハルトは忘却の石の性能を試すために、敢て神殿騎士達にラグナロクを姿を見せた。
本来なら無暗に人に姿を晒してはいけないものだが、記憶を消してさえしまえば良いと考えてのことだ。
「強力な魔法具だが、副作用も出かけないほどのものだ。気を付けるように」
大司教はそう注意をしていたが、強制的に人の記憶を消去させるだけのものなのだから、確かに人体への影響が少なくないはずはない。だが、それでもテストしてみないことにはいざというときに使えないかもしれない。
だからハルトは自分に絡んできた神殿騎士達を実験台に選んだ。
「彼らなら、もし副作用とやらが出て精神が壊れてしまっても・・・良いか」
と考えたからだ。
マーサの死のことについて弄られたハルトは、表面にこそ出さなかったが激しい怒りを燃やしていた。
以前のハルトを知る者なら、彼がこんなことを考え行動をするなどと思いもしなかっただろうーー だが、マーサの死をきっかけとして、ハルトは少しだけ吹っ切れていたのである。
サンクレアの心臓の警備を外れた神殿騎士達は、僅か数分前の記憶を失っていた。何となくサンクレアの心臓の警備から外れたことは覚えているのだが、その辺の記憶が随分と曖昧になっていた。一人だけでなく、そこにいた全員がそうだ。
「なんだっけ・・・?覚えてないや・・・」
「まぁ・・・いいか」
釈然としない感じこそしたものの、何故だか「思い出さないほうがいい」という感覚がして、その後そのことについて誰も口にすることはなかった。
「なるほど、大したものだ」
サンクレアの心臓前で一人になったハルトは、一人呟いていた。
ハルトはラグナロクの貸与にあたり、大司教からもう一つの魔法具を借りていた。パッと見は宝石の埋め込まれたペンダントにしか見えないが、強力な魔力を秘めた『忘却の石』というものである。
大司教はラグナロクのことを無暗に人に知られないためにも、保険をかけた。ハルトに貸した『忘却の石』は、人の記憶を強制的に消してしまうことのできるものだ。これを使い、ラグナロクのことを知った人間の記憶を消すようにと、ハルトに強く言い含めたのだ。
「本当ににここまで効果があるなんて」
ハルトは忘却の石の性能を試すために、敢て神殿騎士達にラグナロクを姿を見せた。
本来なら無暗に人に姿を晒してはいけないものだが、記憶を消してさえしまえば良いと考えてのことだ。
「強力な魔法具だが、副作用も出かけないほどのものだ。気を付けるように」
大司教はそう注意をしていたが、強制的に人の記憶を消去させるだけのものなのだから、確かに人体への影響が少なくないはずはない。だが、それでもテストしてみないことにはいざというときに使えないかもしれない。
だからハルトは自分に絡んできた神殿騎士達を実験台に選んだ。
「彼らなら、もし副作用とやらが出て精神が壊れてしまっても・・・良いか」
と考えたからだ。
マーサの死のことについて弄られたハルトは、表面にこそ出さなかったが激しい怒りを燃やしていた。
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