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第2話「部長の疑問」
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先輩は、突然大きな声を出した。
「あ!」
「な、なんですか?」
「来週末の日程を確認してくるの忘れてた!」
「あぁ!俺もです!」
来週末、俺たち二人が所属する吹奏楽部の部員全員で遊びに出かける予定なんだ。
「全員で遊びに行けるほど部員が少ないっていう悲しさがひしひしとくるね。」
「俺は楽しみですよ!」
「そうなの?男だらけで遊園地なんか行って、楽しいかなぁ。」
「絶対楽しいですって!確認はしてませんけど、俺はどうせ暇ですし!」
「いやまぁ、俺も暇だろうけど……。」
「樹さんも参加しますよね!」
「うーん、考えとく。」
考えとく、という事はきっと参加してくれる。先輩はそういう人。
「まぁでも、桜木くんが行くなら俺も行こうかな。」
「えっ。」
「一人で帰ってくるのは、寂しいじゃん?」
「た、たしかにそうですね!」
びっくりしたぁ……。たまにこういうこと平気で言うからなぁ。変に意識する俺が悪いか。
「樹!」
「おはよー紅床。」
「おはよう!じゃあ、桜木くん、また放課後!」
先輩は、お友達と共にそそくさと歩いて行ってしまった。
次の日の放課後。部活終了間際に、部長が部員に集合をかけた。
「来週末のことだけど、予定合わないやついるか?」
部室がシーンとする。やがて、俺と同じ高2の部員、山下くんがおずおずと手を挙げた。
「僕、行けないです……。」
その瞬間、色々なところから手が挙がる。
「えっと……つまり、行けるのは俺と桜木と樹だけか。」
部長が残念そうにそう言った。
「どうする?俺は桜木と樹に任せるよ。」
うーん……俺は楽しみにしてたからなぁ。
「俺はどっちでも。」
樹さんはそう答えた。
「じゃ、じゃあ!3人だけでも行きません?こういう機会って、多いほうが良いのかなー?なんて。」
「そうか。じゃあ行くか!行けない皆は、またいつか日程合わせようぜ!よし、部活終わり!お疲れ様。」
「「お疲れ様でしたーー!」」
部長の締めと共に、みんな、ぞろぞろと部室を後にする。っていっても、全部員8人程度なんだけども。
「よし、俺たちも帰るか。」
「はい!」
「なぁ。」
帰りかけた俺と樹さんを部長が呼び止めた。
「ん?」
「どうしました?」
「……ずっと気になってたんだけどさ。あ、歩きながら話そうか。お前ら、いつも一緒に帰るよな。」
「まぁ、そうだね。」
「はい。」
「でも、クラスの様子を見る限り、樹の友達が桜木だけ、というわけではない。」
「そりゃね。」
「でもって、桜木もその語彙力とコミュ力でボッチなはずがない。」
「は、はあ。」
「じゃあ、なぜだ?なんでいつも一緒に帰るんだ!?一緒に住んでるのか!?」
To be continued…
「あ!」
「な、なんですか?」
「来週末の日程を確認してくるの忘れてた!」
「あぁ!俺もです!」
来週末、俺たち二人が所属する吹奏楽部の部員全員で遊びに出かける予定なんだ。
「全員で遊びに行けるほど部員が少ないっていう悲しさがひしひしとくるね。」
「俺は楽しみですよ!」
「そうなの?男だらけで遊園地なんか行って、楽しいかなぁ。」
「絶対楽しいですって!確認はしてませんけど、俺はどうせ暇ですし!」
「いやまぁ、俺も暇だろうけど……。」
「樹さんも参加しますよね!」
「うーん、考えとく。」
考えとく、という事はきっと参加してくれる。先輩はそういう人。
「まぁでも、桜木くんが行くなら俺も行こうかな。」
「えっ。」
「一人で帰ってくるのは、寂しいじゃん?」
「た、たしかにそうですね!」
びっくりしたぁ……。たまにこういうこと平気で言うからなぁ。変に意識する俺が悪いか。
「樹!」
「おはよー紅床。」
「おはよう!じゃあ、桜木くん、また放課後!」
先輩は、お友達と共にそそくさと歩いて行ってしまった。
次の日の放課後。部活終了間際に、部長が部員に集合をかけた。
「来週末のことだけど、予定合わないやついるか?」
部室がシーンとする。やがて、俺と同じ高2の部員、山下くんがおずおずと手を挙げた。
「僕、行けないです……。」
その瞬間、色々なところから手が挙がる。
「えっと……つまり、行けるのは俺と桜木と樹だけか。」
部長が残念そうにそう言った。
「どうする?俺は桜木と樹に任せるよ。」
うーん……俺は楽しみにしてたからなぁ。
「俺はどっちでも。」
樹さんはそう答えた。
「じゃ、じゃあ!3人だけでも行きません?こういう機会って、多いほうが良いのかなー?なんて。」
「そうか。じゃあ行くか!行けない皆は、またいつか日程合わせようぜ!よし、部活終わり!お疲れ様。」
「「お疲れ様でしたーー!」」
部長の締めと共に、みんな、ぞろぞろと部室を後にする。っていっても、全部員8人程度なんだけども。
「よし、俺たちも帰るか。」
「はい!」
「なぁ。」
帰りかけた俺と樹さんを部長が呼び止めた。
「ん?」
「どうしました?」
「……ずっと気になってたんだけどさ。あ、歩きながら話そうか。お前ら、いつも一緒に帰るよな。」
「まぁ、そうだね。」
「はい。」
「でも、クラスの様子を見る限り、樹の友達が桜木だけ、というわけではない。」
「そりゃね。」
「でもって、桜木もその語彙力とコミュ力でボッチなはずがない。」
「は、はあ。」
「じゃあ、なぜだ?なんでいつも一緒に帰るんだ!?一緒に住んでるのか!?」
To be continued…
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