アニヲタとドルヲタ

うかかなむらる

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アニドル17『Nanaka Kaname』

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   「ここです!」
嬉しそうに言う杉菜に反して、蓼丸の頭からはクェスチョンマークか飛び交っていた。
「え、ここ、ですか?」
予想してたのと違いすぎた。あまりに普通のおもちゃ屋なので、蓼丸は腰が抜けかけた。
「ふ、普通じゃないですか。」
「そうですか?なんか……大人の女の人が一人で入ると……ねぇ、子供がいるみたいじゃないですか。」
「あぁ、そういう誤解を避けるために、ですか。それって、僕だと余計良くないじゃないですか?それに、杉菜さんなら弟さんのものだって皆さん分かりますよ!」
「あぁ、そっか。」
「杉菜さんは天然なのか?」と思ってしまう蓼丸であった。
「そ、それはともかく!入りましょう!」
「これ……僕要ります?」
「要りぃ……ます!」
「今迷いましたよね!?」
「迷ってません!」
ズカズカと入っていく杉菜。お酒が入っている入っていないに関わらず、キャラの強い女性だ。蓼丸も、急いで追った。
「弟さんは、何が欲しいって言ってたんですか?」
「えっとーたしか、某妖怪アニメの某ウォッチらしいです。」
「某要ります?」
「要りぃ……ます!」
「迷いましたね。」
「ともかく!それを買うのです!」
「は、はい。」
杉菜は本来こういう人間なのだろうか。昨夜の良い女な雰囲気はどこへやら。
「ありましたよ。」
蓼丸が、その某妖怪アニメの某ウォッチを発見したらしい。
「おぉ!ありがとうございます!」
昨日の微笑みを魅せた。「やっぱり昨日の杉菜さんも本物か。良かった良かった。あ、もしかして、日が昇っている間は天然キャラで、日が沈むと素敵なお姉さんキャラになる属性なのかな。」と、蓼丸は感じた。ヲタクっぽい。という感想でこちらは正しいのだろうか。
「お会計してきますね!」
「僕、店出てますよ。」
「はーい!」
蓼丸は店を出た。あたりを見渡したが、幸い週刊誌の記者のような怪しい影は見当たらなかった。麗亜が蓼丸のことを好きであるということが翔にバレたのが昨日ならば、今週あたりこのシーンが放送されるだろう。このタイミングで杉菜と撮られるのは、色々とまずい。
「お待たせしましたー!」
杉菜が出てきた。
「買えてよかったですね。」
「えぇ。ご協力、ありがとうございました。」
「いえいえ。あ、次、どうします?」
「うーん。お茶でもしましょう!」
「あ、でも僕もう仕事かもしれない……。」
「そうなんですか?」
蓼丸はスケジュールを確認した。
「あ、すみません、仕事です。また、いつか。ほんとすみません。」
「いいんですよ!今日は付き合ってもらっちゃってありがとうございました!お仕事頑張ってくださいねー!」
「ありがとうございます!では!」
蓼丸は去って行った。杉菜も帰ろうとしたところに、後ろから「ワッ!」をされた。
「だ、誰!?」
「やっほ!私だよ!」
「あぁ!奈菜歌ちゃーん!」
「ワッ!」をしたのは、要奈菜歌だ。
「あれ?予定は?」
「彼氏が予定入っちゃったんだって。」
「え、か、彼氏……?」
「あ、ごめっ。」
「デートだったんだ!こっちは、全然いいんだけど、奈菜歌ちゃん彼氏いたんだねー!いいなーリア充じゃん!」
「言ってなかったっけ?もうかれこれ6年かな?」
「結構長い!あれ、でも奈菜歌ちゃんって腐女子じゃなかったっけ?奈菜歌ちゃん男じゃないじゃん。」
「ふ、腐女子だって彼氏はいるの!彼氏と趣味は別!!そんなことより、遥娘ちゃん今から何するの??」
「特に何も。」
「じゃあ、お茶でもしようよ!」
「うん!いいよ!この後の仕事も一緒だしね。」
「そっか!」
2人は、デパート内の喫茶店へ移動した。
   到着。
「何名様ですか?」
「2人です。」
「こちらの席へどうぞ。ご注文がお決まりでしたら、こちらのベルでお申し付けください。」
外が見える、小さな2人席に座った。
「どうする?」
「私コーヒー。」
「私は……アイスティーにしようかな。すみませー……あ、ベル鳴らすのか。」
要は思わず吹き出した。
「遥娘ちゃん相変わらずだね。」
「え、何が?」
店員が来た。
「ご注文お決まりですか?」
「えっと、ホットコーヒー1つと、アイスティーを1つ、お願いします。」
「かしこまりました。ホットコーヒーが1枚、アイスティーが1枚、以上でよろしかったでしょうか?」
「はい。」
「失礼します。」
店員が去った。
「あ、それで、何が相変わらず?」
「その天然なのに頼りになるところ。」
「あら、ありがとう。」
「ん、前半は褒めてないよ。」
「そなの?」
「天然って……褒め言葉?」
「うーん。人それぞれでしょ!」
「今日なんかキレキレだね。」
「蓼丸さんに会ったからかなー?」
「蓼丸さんってhoperの?」
「そうそう!いい人だったよー!」
「へぇ。それは良かった。」
「なんか親みたい!」
「そ、そうかな?」
「お待たせしました。」
ホットコーヒーとアイスティーが来た。
「ごゆっくりどうぞ。」
杉菜はコーヒーを1口啜ると、
「ねぇねぇ、彼氏ってどんな人?」
と容赦の無い質問を吹っ掛けた。
「え、え?」
要は危うくアイスティーを噴射するところだった。要は照れながら、
「んー。優しい人?」
と答えた。
「そんなあやふやな。」
杉菜が意味深な目線を送るったが、要は無視した。
「誰なのかは、絶対言わないよ!」
「えぇー!なんでよー!そこが1番気になるところでしょ!」
「だからよ。」
「有名人なの?」
「え?そんな訳ないでしょ!」
「そうかぁ。有名人じゃないのか。」
「なんで!期待してたの?」
「うん、すごく!」
「期待はずれで悪かったわね。」
「ん!奈菜歌ちゃん今嘘ついたでしょ!」
要の目がキョトキョトと動いたのを、杉菜は見逃さなかった。
「え、な、なんで?」
「あ、焦った。嘘ついたんだ!」
「えー!騙したのー?悪女だわね、あんた。」
「ははっ!やっぱり悪女かぁー!……で、有名人なんだ。」
「うーん……まぁ、一応は?」
要がデレデレした。
「ほえー!いいなー。」
「蓼丸さん狙っちゃえば?」
「え?そのつもりだけど?」
「そ、そうだよねー。あは。」
2人は、しばしティータイムを満喫しつつ、、恋バナに花を咲かせた。
   20分後。
「よし!そろそろ行くか!」
「結局誰かは教えてくれないんだ。」
「教えないわよ!」
「えぇー。」
2人は、会計を済ませ、アニメ『私の彼氏だよ?かっこいいに決まってんじゃん!』のアフレコ現場へと向かった。


[上手くいったっぽい!]
[うん。さすがだよ。こっちもいい感じの反応だったよ。]
[このままうまく誘導しよう。]
[おう。]




アニドル18『語り手 賢ちゃんの回』へ続く!が、ここで個人的なお知らせ↓↓↓

蓼「アニドルの作者、うかかなむらるが、新作をアルファポリスにて、公開します!」
真「アニドルとはまた違うテイストになってるらしいよ!」
桜「題名は、『俺の知らない俺は俺の手助けが必要だ!』です。名前長いねー!」
杉「4月23日、16時に第1話が公開です!」
要「うかかちゃんも頑張ってるから、読んであげてね!」
うかか「皆さん……ありがとうございます……!アニドルより面白いかもしれないので、是非そちらの方もよろしくお願いします!」
蓼「おい!でも、この時期は新アニメも続々始まりましたよ?スタート時期被っちゃって大丈夫ですかね??」
う「『俺の知らない俺は俺の手助けが必要だ!』はアニメじゃありません!もしもアニメならば、坂本さんやたなかさんや文豪さん方に視聴率を奪われます!私もいくつか録画して観てますし!」
蓼「ははは、確かに。」
う「確かにじゃありません!hoperも頑張ってください!あなた方は某ニートさん方と人数が同じだから、せめてイメージカラーがかぶらないようにしたんですからね!」
蓼「それは俺らのせいじゃありませんー。兄弟じゃないしー。」
真「おふたりさんおふたりさん。そのあたりをライバル意識するなんて、自意識過剰過ぎやしません?」
う「じ、自意識っ!」
蓼「何喜んでんすか。」
杉「ちょ、著作権大丈夫?」
桜「話が全く分かんねぇ。」
う「あぁっ!すみません!読者の皆様も、マニアックな話をしてしまって、誠に申し訳ありません。えっと、改めまして、『俺の知らない俺は俺の手助けが必要だ!』興味が湧かれた方、読んでいただけたら嬉しいです。下に作品情報載せておきます、一応。」
杉「ちょちょ。」
う「あ、『アニヲタとドルヲタ』の方も、ご閲覧いただき、誠にありがとうございます。これからこちらの方も一波乱ありますので、これからもよろしくお願いします。」
要「告知っていうか無駄話、長すぎですよ。では、また来週!!」


俺の知らない俺は俺の手助けが必要だ!作品情報
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