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第2章
第十二話 ~お風呂場では美凪の髪の毛を洗うことになった件~
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第十二話
「……し、失礼します」
「お、おぅ……」
美凪に洗ってもらっていた背中は自分で洗い、頭以外の身体を洗い終えた時に、美凪が浴室に入ってきた。
「そ、その……私は湯船に入って待ってますね」
「……わかった。俺はあとは頭を洗うだけだから」
俺の横を通り過ぎる美凪に一瞬だけ視線を向けると、当然のように身体を覆うように大きめのバスタオルを巻いていた。
「ば、バスタオルを巻いたまま湯船に入るのは許してください……」
「そんなことを気にする人間じゃないから平気だよ。てか……下はやっぱり裸なのか?その……実は下に水着を着てました……とか」
俺が一縷の望みを掛けて聞いてみると、美凪はジトっとした目を向けてきた。
「着てません。その……隣人さんは漫画の読みすぎでは?この時期に水着なんてすぐに用意できませんよ」
「そ、そうか……すまん」
俺はその目から逃げるように、シャワーを出して頭を濡らしていく。
「少し泡が跳ねるかもしれないけど、その時はすまん」
「平気ですよ。そのくらいでしたら我慢出来ますから」
そんな会話をしながら、俺は手にシャンプーを取って頭を洗っていく。
「…………えい」
「うぉおおおい!!??」
目を閉じて頭をシャカシャカしてる時に、美凪が俺の脇腹をつついてきた。
「えへへ。イタズラをしてしまいました」
「こっちは無防備なんだから、それは酷いと思うんですけど!!」
思わず敬語で抗議する俺。あまり大きく身体を動かすと、腰に巻いたタオルが取れてしまう可能性が高まる。
現在進行形で下半身は大変なことになってるので、流石にお見せすることは出来ない。
「ふふーん?いつもは冷静沈着な隣人さんの慌てふためく所は貴重です。もっとイタズラをしたくなってしまいますね」
「お、お願いします。美凪お嬢様。その……もう少しだけ猶予をくれませんか?」
もう少しで頭を洗い終える。そしたらシャワーで流してお風呂場を出よう。
そう考えていた。
「仕方ないですね。それでは私の頭を洗ってくれるのでしたら我慢してあげます」
「はぁあああ!!!???」
「ふふーん。この私の髪の毛を洗えるなんて光栄だと思ってくださいね!!」
「さ、さっさと風呂場から出て行きたいんだけど……」
俺がそう抗議すると、
「ツンツンされたいんですか?」
「いえ、洗わせてもらいます!!」
拒否権は無かった。
「ふふーん。今から楽しみです!!期待してますからね、隣人さん」
「……はい。丁寧に洗わせていただきます」
シャワーで頭の泡を流し終え、俺は浴室の橋に移動する。
「ほら、椅子に座れよ」
「はい。了解です」
美凪はそう言うと、ザパンと湯船から立ち上がる。
お湯で濡れたバスタオルは彼女の身体にピタリと張り付いていた。
「……っ!!??」
ガン見したい欲望を押さえつけ、俺はその扇情的な光景から目を逸らす。
露出度は水着よりも少ない。それでも理性はガリガリ削られている。我慢だ……我慢をするんだ海野凛太郎っ!!
「それではよろしくお願いします」
「あ、あぁ……」
お風呂場用の椅子に座って、美凪が俺にそう告げた。
俺はシャワーがお湯に変わったのを確認してから、美凪の髪の毛を丁寧に濡らしていく。
そして、『美凪用のシャンプー』で彼女の髪の毛を洗っていく。
「……どうだ?」
「……はい。とても気持ちいいです。隣人さんはお上手ですね」
………………コイツは、わざと言ってるのか?
「お客様ー痒いところはありませんかー」
俺は床屋の人間になりきることで、理性を保とうとする。
「あはは。大丈夫ですよー」
「じゃあシャワーで流すからな」
俺はそう言ってシャンプーの泡を洗い流していく。
泡が残ると髪の毛が痛む原因にもなるので、しっかりと流していく。
そして『美凪用のトリートメント』を髪の毛につけていく。
「髪の毛が長いと大変だな」
俺はトリートメントを塗り込みながらそう言う。
「そうですね。ですが、こうした努力を普通の女の子ならみんなしてますよ?」
「そうなのか。女の子は大変なんだな」
「あはは。そうですよ。『気になる男の子』に、綺麗だねって言ってもらいたいですからね」
「………………そうか」
気になる男の子……か。
ほんと。思わせぶりなセリフが増えてきたよな。
こうした行動も美凪の『アプローチ』なんだと理解してる。
はぁ……両思いだってのはわかってる。
だけど、まだそれを伝える時じゃない。
勝負をかけるのはひと月後。
恐らく、親父は仕事を一段落つけてから、『再婚相手』と一緒にこの家に来るだろう。
俺はその時に向けて準備を進めておかないとな。
きっと美凪は、ショックを受けるはずだからな。
「ありがとうございます。隣人さん。とてもお上手でしたよ」
「あはは。どういたしまして。じゃあ俺は風呂から出るよ」
「はい。では私も身体を洗いますね。お風呂から出たらご飯にしましょう」
「そうだな。じゃあな、美凪」
俺はそう言って風呂場を後にした。
この女を悲しませたくない。
その為なら今まで貯めてた金を全て使ったって構わない。
『兄妹』では無く『夫婦』としての家族になるために、今から出来ることを進めていこう。
俺はそう決意した。
「……し、失礼します」
「お、おぅ……」
美凪に洗ってもらっていた背中は自分で洗い、頭以外の身体を洗い終えた時に、美凪が浴室に入ってきた。
「そ、その……私は湯船に入って待ってますね」
「……わかった。俺はあとは頭を洗うだけだから」
俺の横を通り過ぎる美凪に一瞬だけ視線を向けると、当然のように身体を覆うように大きめのバスタオルを巻いていた。
「ば、バスタオルを巻いたまま湯船に入るのは許してください……」
「そんなことを気にする人間じゃないから平気だよ。てか……下はやっぱり裸なのか?その……実は下に水着を着てました……とか」
俺が一縷の望みを掛けて聞いてみると、美凪はジトっとした目を向けてきた。
「着てません。その……隣人さんは漫画の読みすぎでは?この時期に水着なんてすぐに用意できませんよ」
「そ、そうか……すまん」
俺はその目から逃げるように、シャワーを出して頭を濡らしていく。
「少し泡が跳ねるかもしれないけど、その時はすまん」
「平気ですよ。そのくらいでしたら我慢出来ますから」
そんな会話をしながら、俺は手にシャンプーを取って頭を洗っていく。
「…………えい」
「うぉおおおい!!??」
目を閉じて頭をシャカシャカしてる時に、美凪が俺の脇腹をつついてきた。
「えへへ。イタズラをしてしまいました」
「こっちは無防備なんだから、それは酷いと思うんですけど!!」
思わず敬語で抗議する俺。あまり大きく身体を動かすと、腰に巻いたタオルが取れてしまう可能性が高まる。
現在進行形で下半身は大変なことになってるので、流石にお見せすることは出来ない。
「ふふーん?いつもは冷静沈着な隣人さんの慌てふためく所は貴重です。もっとイタズラをしたくなってしまいますね」
「お、お願いします。美凪お嬢様。その……もう少しだけ猶予をくれませんか?」
もう少しで頭を洗い終える。そしたらシャワーで流してお風呂場を出よう。
そう考えていた。
「仕方ないですね。それでは私の頭を洗ってくれるのでしたら我慢してあげます」
「はぁあああ!!!???」
「ふふーん。この私の髪の毛を洗えるなんて光栄だと思ってくださいね!!」
「さ、さっさと風呂場から出て行きたいんだけど……」
俺がそう抗議すると、
「ツンツンされたいんですか?」
「いえ、洗わせてもらいます!!」
拒否権は無かった。
「ふふーん。今から楽しみです!!期待してますからね、隣人さん」
「……はい。丁寧に洗わせていただきます」
シャワーで頭の泡を流し終え、俺は浴室の橋に移動する。
「ほら、椅子に座れよ」
「はい。了解です」
美凪はそう言うと、ザパンと湯船から立ち上がる。
お湯で濡れたバスタオルは彼女の身体にピタリと張り付いていた。
「……っ!!??」
ガン見したい欲望を押さえつけ、俺はその扇情的な光景から目を逸らす。
露出度は水着よりも少ない。それでも理性はガリガリ削られている。我慢だ……我慢をするんだ海野凛太郎っ!!
「それではよろしくお願いします」
「あ、あぁ……」
お風呂場用の椅子に座って、美凪が俺にそう告げた。
俺はシャワーがお湯に変わったのを確認してから、美凪の髪の毛を丁寧に濡らしていく。
そして、『美凪用のシャンプー』で彼女の髪の毛を洗っていく。
「……どうだ?」
「……はい。とても気持ちいいです。隣人さんはお上手ですね」
………………コイツは、わざと言ってるのか?
「お客様ー痒いところはありませんかー」
俺は床屋の人間になりきることで、理性を保とうとする。
「あはは。大丈夫ですよー」
「じゃあシャワーで流すからな」
俺はそう言ってシャンプーの泡を洗い流していく。
泡が残ると髪の毛が痛む原因にもなるので、しっかりと流していく。
そして『美凪用のトリートメント』を髪の毛につけていく。
「髪の毛が長いと大変だな」
俺はトリートメントを塗り込みながらそう言う。
「そうですね。ですが、こうした努力を普通の女の子ならみんなしてますよ?」
「そうなのか。女の子は大変なんだな」
「あはは。そうですよ。『気になる男の子』に、綺麗だねって言ってもらいたいですからね」
「………………そうか」
気になる男の子……か。
ほんと。思わせぶりなセリフが増えてきたよな。
こうした行動も美凪の『アプローチ』なんだと理解してる。
はぁ……両思いだってのはわかってる。
だけど、まだそれを伝える時じゃない。
勝負をかけるのはひと月後。
恐らく、親父は仕事を一段落つけてから、『再婚相手』と一緒にこの家に来るだろう。
俺はその時に向けて準備を進めておかないとな。
きっと美凪は、ショックを受けるはずだからな。
「ありがとうございます。隣人さん。とてもお上手でしたよ」
「あはは。どういたしまして。じゃあ俺は風呂から出るよ」
「はい。では私も身体を洗いますね。お風呂から出たらご飯にしましょう」
「そうだな。じゃあな、美凪」
俺はそう言って風呂場を後にした。
この女を悲しませたくない。
その為なら今まで貯めてた金を全て使ったって構わない。
『兄妹』では無く『夫婦』としての家族になるために、今から出来ることを進めていこう。
俺はそう決意した。
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