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第1章 後編
第五話 ~彼女と過ごす一日目・彼女に凛音との事を話しました~
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第五話
お風呂場に入った瞬間にわかる、彼女の匂いにクラクラしながら、俺はシャワーを浴びて汗を落とした。
一日の大半を寝て過ごしていたので、そこまでは汗をかいてはいなかったが、この一時間くらいの間にものすごく汗をかいたと思う。
主に、冷や汗を……
風呂場から出て、バスタオルで水気を取り、下着を履いて、パジャマに身を通す。
居間へと向かうと、北島さんがテレビでニュースを見ながら椅子に座っている。
結婚したらこんな感じなのかなぁ……
なんて思いながら俺は彼女に声を掛ける。
「お待たせ。今出たよ」
「はい。桜井くん用に常温の麦茶を用意してます。どうぞ」
「あはは。ありがとう」
俺は彼女から麦茶を受け取ると、一口飲む。
「こうしてると、夫婦みたいですね」
ぐふっ
あ、危うく麦茶を吹き出すところだった。
「お、俺も同じことを思ったよ。でも、もう少しタイミングを選んで欲しかったかな……」
「す、すみません。思った時には口に出てました」
そんなやり取りをして、俺と北島さんはテーブルに向かい合って椅子に座る。
話をするので、テレビは消した。
居間は静寂に包まれている。
「とりあえず。北島さんにはお礼を言わせて……」
「待ってください」
「……え?」
いきなり話を止められて、俺は少しだけ驚く。
「な、何かな、北島さん?」
「それです」
なんで苗字で呼ぶんですか?さっきのように『永久』と名前で呼んでください。
「私もあなたの事をこれからは『霧都くん』と呼ぶようにしますから。南野さんだけ名前で呼ぶのはズルいですよね?」
「あ……はい。わかりました。永久さん」
俺が彼女を名前で呼ぶと、嬉しそうに笑ってくれた。
「話を止めてすみません、霧都くん。それでは話の続きをお願いします」
「そ、その。永久さんにはお礼を言わせて欲しい。君のお陰で凛音と仲直り出来たから。ただ、君を不安にさせるような行動を取ったことは謝罪をさせて欲しい。ごめん。今後は本当に気をつけるよ」
俺はそう言うと、頭を下げる。
別に彼女と付き合ってるわけじゃないんだから、誰と添い寝しようが関係無いだろ。なんて気持ちは無い。
今後を考えるならこういう軽率な行動は慎むべきだ。
「はい。謝罪を受け取りました。許しますよ、霧都くん」
「ありがとう。じゃあ、続けるね」
「まずは、凛音の言ってた『血の繋がった家族』と言うのは『血縁関係』を指していた言葉では無かった」
「比喩表現だった。という訳ですね」
「そう言うこと。あと、他言無用でお願いしたいことでね……凛音は小さい頃に実の母親から虐待を受けていた」
「…………はい」
「血縁関係に裏切られたアイツが『血』の変わりにしたのが、大切な思い出や、過した時間、受け取った愛情、そういう物なんだ。そしてそれらで繋がった俺たちを『血の繋がった家族』と呼んでいたんだ」
「そうだったんですね」
「凛音が俺を『弟』として、自分を『姉』にしたかったのは『夫婦』だと離婚してしまうと思ったからみたいだね。兄妹や姉弟の絆は永遠不滅だから。と言っていたよ」
「…………こ、こう言ってはなんですが、なかなか独特な考え方ですね……」
「あはは、俺もそう思う。だからね、俺は言ったんだ」
「なんてですか?」
俺は、麦茶を一口飲んでから言う。
「他人に戻ろう。ってね」
「……え?」
「俺たちは長く一緒に居過ぎたせいで、関係性がよくわからなくなってたんだよね。幼馴染とか家族とか姉とか妹とかそう言うのは全部白紙にして、もう一度他人から、俺と凛音の新しい形の関係性をこれから作っていこう。そう話したよ」
「……なるほど。つまり、まだ南野さんには霧都くんの『本当の家族』になる可能性が残ってるわけですね」
「俺の気持ちは朝にも話したように、君と恋人になって、本当の家族になりたいと思ってる」
「……はい」
「こんな家の居間じゃなくて、もっと良い場所で、俺は君に気持ちを伝えたいと思ってる。それこそ、一生の思い出になる場所で。それまで、待っててくれないかな?」
俺がそう言うと、永久さんは少しだけ小さくため息をついた。
「はぁ……良いですよ。待ちますよ、私。本当に……霧都くんは焦らすのがお好きなんですね?」
「それは……ごめん。俺の自己満足に付き合わせるような形になって」
「私は、あなたを信じて良いのですか?」
「もちろん。俺が君を裏切ることは無いよ」
俺がそう言うと、永久さんの瞳にようやく光が戻ってきた。
「霧都くんが私にくれる、最高のシチュエーションの告白を楽しみにしてますね?」
「あはは……期待しててよ」
俺がそう言うと、彼女は少しだけ眠そうに欠伸をした。
「安心したら眠くなってきました。あ、霧都くんを許しましたが、キチンと二日間は私と寝てもらいますからね?」
「あ、あの……俺が床で寝るってのは……」
俺がそんなことを言うと、永久さんの目がスッと細くなる。
「南野さんとの添い寝では、霧都くんは床で寝てたのですか?」
「い、いえ……違います……」
「なら、わかりますよね?」
「……はい」
観念した俺は、永久さんを自室へと案内した。
「どうぞ……」
「はい。ありがとうございます。男性の部屋に入るのは初めてなので緊張しますね」
俺も凛音以外の女性を部屋に入れるのは初めてだよ。
毎日掃除はしてるので、汚部屋と言う訳では無い。
部屋の壁には有名な野球選手のポスターが貼ってある。
二刀流で海を渡ったあの人だ。
「わあ、この人私も知ってますよ!!有名な人ですよね」
「うん。賛否両論あったけど、自分を貫いて結果を出した。その姿勢がすごくかっこいいと思ったんだ」
永久さんはぐるりと興味深そうに部屋を見ると、机の上に置いてあるグローブに気が付いた。
「触ってみてもいいですか!?」
「あはは。あまりいい匂いはしないよ?」
野球は辞めたけど道具の手入れは続けている。
素振りと同様に、習慣ってのは抜けないもんなんだな。
今日は、彼女が来てるから素振りはしないけど。
形が崩れないようにボールを入れてあるグローブを手にして、永久さんは手に填めていた。
左投げ用のグローブなので、右手に填めている。
そして、グローブの匂いを嗅いで、眉をしかめた。
「酸っぱい匂いがします!!」
「あはは……仕方ないよね。どんなに手入れをしても完全には消せないからね」
俺は彼女からグローブを受け取ると、机の中から油とタオルを出してグローブの手入れをする。
「こうするとね、長持ちするんだ。もう習慣になっててさ、これをしてると落ち着くんだ」
「道具を大切にする姿勢って素敵だと思います」
「あはは、ありがとう。少年野球の時から口酸っぱく言われてるんだ『良いプレーは良い道具から。道具は大切にしなさい』ってね」
「良い指導者さんだったんですね」
「うん。良い人だったよ。たまにその少年野球には顔を出したりもしてるんだよね」
俺はグローブの手入れを終えると、手を洗いに部屋の外へと向かう。
「ちょっと手を洗ってくるね」
「はい。待ってますね」
俺はそう言って部屋の外に出て、手洗い場で手を洗う。
グローブの手入れをして、少しは気持ちが落ち着いた。
これなら何が起きても大丈夫だと思う。
そんなことを思いながら、部屋へと戻った。
だが、俺の認識は甘かった……っ!!
部屋の扉を開けると、永久さんの姿を一瞬見失った。
あれ、トイレでも行ったのかな?
そう思っていたが、ベッドが何やらこんもりと盛り上がっていた。
そして、掛け布団からひょっこりと顔を出して、彼女が笑っていた。
「霧都くんの匂いに包まれて、幸せです」
「……そ、そうか」
か、可愛いな!!おい!!
何!?あんな可愛い女の子と俺は今から寝るの!?
無理でしょ!!どうやって我慢しろって言うんだよ!!
「霧都くんには申し訳ありませんが、良く寝れそうです」
「あはは……それは良かったよ」
俺は苦笑いを浮かべながら、ベッドの方へと歩いていく。
すると、彼女は掛け布団を持ち上げて、
「どうぞ、お待ちしておりました」
「は、はい……」
俺は食虫植物に捕食される虫のように、布団の中へと入っていく。
甘い匂いに身体が包まれる。
理性がものすごい勢いで削られていくのがわかる。
「ぎゅー」
「……う、嘘ですよね!!」
永久さんは俺の身体を後ろから抱きしめてくる。
凛音には無い、圧倒的な柔らかさを背中に感じる。
「幸せですぅ……」
「そ、それは何よりです……」
なんだか眠そうな永久さん。言葉が少しだけおぼつかない感じだった。
「……北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています」
「……え!!??」
突然された愛の告白に、俺は驚く。
だが、後ろからはすぐに……
「……すぅ……すぅ……」
と寝息が立っていた。
「……ま、マジかよ」
時刻を見る。
二十三時だった。
凛音と寝たので眠気はまだ無い。
理性を失わないように、眠ってしまう。そんな手も使えない。
俺はこの状態のまま朝まで我慢しなきゃならないのか……
絶対に負けられない戦いが幕を開けた。
お風呂場に入った瞬間にわかる、彼女の匂いにクラクラしながら、俺はシャワーを浴びて汗を落とした。
一日の大半を寝て過ごしていたので、そこまでは汗をかいてはいなかったが、この一時間くらいの間にものすごく汗をかいたと思う。
主に、冷や汗を……
風呂場から出て、バスタオルで水気を取り、下着を履いて、パジャマに身を通す。
居間へと向かうと、北島さんがテレビでニュースを見ながら椅子に座っている。
結婚したらこんな感じなのかなぁ……
なんて思いながら俺は彼女に声を掛ける。
「お待たせ。今出たよ」
「はい。桜井くん用に常温の麦茶を用意してます。どうぞ」
「あはは。ありがとう」
俺は彼女から麦茶を受け取ると、一口飲む。
「こうしてると、夫婦みたいですね」
ぐふっ
あ、危うく麦茶を吹き出すところだった。
「お、俺も同じことを思ったよ。でも、もう少しタイミングを選んで欲しかったかな……」
「す、すみません。思った時には口に出てました」
そんなやり取りをして、俺と北島さんはテーブルに向かい合って椅子に座る。
話をするので、テレビは消した。
居間は静寂に包まれている。
「とりあえず。北島さんにはお礼を言わせて……」
「待ってください」
「……え?」
いきなり話を止められて、俺は少しだけ驚く。
「な、何かな、北島さん?」
「それです」
なんで苗字で呼ぶんですか?さっきのように『永久』と名前で呼んでください。
「私もあなたの事をこれからは『霧都くん』と呼ぶようにしますから。南野さんだけ名前で呼ぶのはズルいですよね?」
「あ……はい。わかりました。永久さん」
俺が彼女を名前で呼ぶと、嬉しそうに笑ってくれた。
「話を止めてすみません、霧都くん。それでは話の続きをお願いします」
「そ、その。永久さんにはお礼を言わせて欲しい。君のお陰で凛音と仲直り出来たから。ただ、君を不安にさせるような行動を取ったことは謝罪をさせて欲しい。ごめん。今後は本当に気をつけるよ」
俺はそう言うと、頭を下げる。
別に彼女と付き合ってるわけじゃないんだから、誰と添い寝しようが関係無いだろ。なんて気持ちは無い。
今後を考えるならこういう軽率な行動は慎むべきだ。
「はい。謝罪を受け取りました。許しますよ、霧都くん」
「ありがとう。じゃあ、続けるね」
「まずは、凛音の言ってた『血の繋がった家族』と言うのは『血縁関係』を指していた言葉では無かった」
「比喩表現だった。という訳ですね」
「そう言うこと。あと、他言無用でお願いしたいことでね……凛音は小さい頃に実の母親から虐待を受けていた」
「…………はい」
「血縁関係に裏切られたアイツが『血』の変わりにしたのが、大切な思い出や、過した時間、受け取った愛情、そういう物なんだ。そしてそれらで繋がった俺たちを『血の繋がった家族』と呼んでいたんだ」
「そうだったんですね」
「凛音が俺を『弟』として、自分を『姉』にしたかったのは『夫婦』だと離婚してしまうと思ったからみたいだね。兄妹や姉弟の絆は永遠不滅だから。と言っていたよ」
「…………こ、こう言ってはなんですが、なかなか独特な考え方ですね……」
「あはは、俺もそう思う。だからね、俺は言ったんだ」
「なんてですか?」
俺は、麦茶を一口飲んでから言う。
「他人に戻ろう。ってね」
「……え?」
「俺たちは長く一緒に居過ぎたせいで、関係性がよくわからなくなってたんだよね。幼馴染とか家族とか姉とか妹とかそう言うのは全部白紙にして、もう一度他人から、俺と凛音の新しい形の関係性をこれから作っていこう。そう話したよ」
「……なるほど。つまり、まだ南野さんには霧都くんの『本当の家族』になる可能性が残ってるわけですね」
「俺の気持ちは朝にも話したように、君と恋人になって、本当の家族になりたいと思ってる」
「……はい」
「こんな家の居間じゃなくて、もっと良い場所で、俺は君に気持ちを伝えたいと思ってる。それこそ、一生の思い出になる場所で。それまで、待っててくれないかな?」
俺がそう言うと、永久さんは少しだけ小さくため息をついた。
「はぁ……良いですよ。待ちますよ、私。本当に……霧都くんは焦らすのがお好きなんですね?」
「それは……ごめん。俺の自己満足に付き合わせるような形になって」
「私は、あなたを信じて良いのですか?」
「もちろん。俺が君を裏切ることは無いよ」
俺がそう言うと、永久さんの瞳にようやく光が戻ってきた。
「霧都くんが私にくれる、最高のシチュエーションの告白を楽しみにしてますね?」
「あはは……期待しててよ」
俺がそう言うと、彼女は少しだけ眠そうに欠伸をした。
「安心したら眠くなってきました。あ、霧都くんを許しましたが、キチンと二日間は私と寝てもらいますからね?」
「あ、あの……俺が床で寝るってのは……」
俺がそんなことを言うと、永久さんの目がスッと細くなる。
「南野さんとの添い寝では、霧都くんは床で寝てたのですか?」
「い、いえ……違います……」
「なら、わかりますよね?」
「……はい」
観念した俺は、永久さんを自室へと案内した。
「どうぞ……」
「はい。ありがとうございます。男性の部屋に入るのは初めてなので緊張しますね」
俺も凛音以外の女性を部屋に入れるのは初めてだよ。
毎日掃除はしてるので、汚部屋と言う訳では無い。
部屋の壁には有名な野球選手のポスターが貼ってある。
二刀流で海を渡ったあの人だ。
「わあ、この人私も知ってますよ!!有名な人ですよね」
「うん。賛否両論あったけど、自分を貫いて結果を出した。その姿勢がすごくかっこいいと思ったんだ」
永久さんはぐるりと興味深そうに部屋を見ると、机の上に置いてあるグローブに気が付いた。
「触ってみてもいいですか!?」
「あはは。あまりいい匂いはしないよ?」
野球は辞めたけど道具の手入れは続けている。
素振りと同様に、習慣ってのは抜けないもんなんだな。
今日は、彼女が来てるから素振りはしないけど。
形が崩れないようにボールを入れてあるグローブを手にして、永久さんは手に填めていた。
左投げ用のグローブなので、右手に填めている。
そして、グローブの匂いを嗅いで、眉をしかめた。
「酸っぱい匂いがします!!」
「あはは……仕方ないよね。どんなに手入れをしても完全には消せないからね」
俺は彼女からグローブを受け取ると、机の中から油とタオルを出してグローブの手入れをする。
「こうするとね、長持ちするんだ。もう習慣になっててさ、これをしてると落ち着くんだ」
「道具を大切にする姿勢って素敵だと思います」
「あはは、ありがとう。少年野球の時から口酸っぱく言われてるんだ『良いプレーは良い道具から。道具は大切にしなさい』ってね」
「良い指導者さんだったんですね」
「うん。良い人だったよ。たまにその少年野球には顔を出したりもしてるんだよね」
俺はグローブの手入れを終えると、手を洗いに部屋の外へと向かう。
「ちょっと手を洗ってくるね」
「はい。待ってますね」
俺はそう言って部屋の外に出て、手洗い場で手を洗う。
グローブの手入れをして、少しは気持ちが落ち着いた。
これなら何が起きても大丈夫だと思う。
そんなことを思いながら、部屋へと戻った。
だが、俺の認識は甘かった……っ!!
部屋の扉を開けると、永久さんの姿を一瞬見失った。
あれ、トイレでも行ったのかな?
そう思っていたが、ベッドが何やらこんもりと盛り上がっていた。
そして、掛け布団からひょっこりと顔を出して、彼女が笑っていた。
「霧都くんの匂いに包まれて、幸せです」
「……そ、そうか」
か、可愛いな!!おい!!
何!?あんな可愛い女の子と俺は今から寝るの!?
無理でしょ!!どうやって我慢しろって言うんだよ!!
「霧都くんには申し訳ありませんが、良く寝れそうです」
「あはは……それは良かったよ」
俺は苦笑いを浮かべながら、ベッドの方へと歩いていく。
すると、彼女は掛け布団を持ち上げて、
「どうぞ、お待ちしておりました」
「は、はい……」
俺は食虫植物に捕食される虫のように、布団の中へと入っていく。
甘い匂いに身体が包まれる。
理性がものすごい勢いで削られていくのがわかる。
「ぎゅー」
「……う、嘘ですよね!!」
永久さんは俺の身体を後ろから抱きしめてくる。
凛音には無い、圧倒的な柔らかさを背中に感じる。
「幸せですぅ……」
「そ、それは何よりです……」
なんだか眠そうな永久さん。言葉が少しだけおぼつかない感じだった。
「……北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています」
「……え!!??」
突然された愛の告白に、俺は驚く。
だが、後ろからはすぐに……
「……すぅ……すぅ……」
と寝息が立っていた。
「……ま、マジかよ」
時刻を見る。
二十三時だった。
凛音と寝たので眠気はまだ無い。
理性を失わないように、眠ってしまう。そんな手も使えない。
俺はこの状態のまま朝まで我慢しなきゃならないのか……
絶対に負けられない戦いが幕を開けた。
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