十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶

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第2章 後編

第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ④

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 第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ④



 廊下で永久さんとキスを楽しんだあと、教室で体操着に着替えを済ませた。
 凛音の荷物と流の荷物があったので、二人は既にグラウンドに向かってると言うのがわかった。



 そして、彼女と一緒にグラウンドに向かうと、体操着姿の凛音が腕組みをして仁王立ちしていた。

「遅いわよ、二人とも!!廊下でイチャイチャしてたとかそう言うのでしょ!!全く!!実行委員としての自覚が足りないわよ!!」

 凛音の奥の方では、流が観客席のビニールテープの確認をしていた。

「時間はギリギリだったけど、遅刻はしてないから許してくれよ」
「ですが、体育会系の凛音さんにとっては十五分前行動が当然なのかも知れませんね」

 永久さんがそう言うと、凛音は手を広げながらヤレヤレと首を振る。

「元体育会系の霧都ならわかるでしょ?一番下っ端の一年生は誰よりも早く来るのが『常識』よ。十五分前行動の十五分前行動。三十分前行動が基本よ!!」
「た、体育会系って凄いんですね……」
「まぁ、年功序列とか礼儀とかそう言うのには特に厳しいよね」

 ……いまだに体罰とか平然とあるからな。

 そんな事を考えていると、グラウンドにマイクの声が響き渡った。

『あーあーテステス……ハーレム王の後継者の桜井霧都くん。両手に花のところ申し訳ございませんが、放送席まで来てください』

「…………み、三郷先輩」

 俺が放送席に視線を向けると、三郷先輩がニコニコと笑いながらこちらに手を振っていた。

「はぁ……呼ばれたから行ってくるよ」
「ふふふ。頑張ってくださいね、霧都くん」
「年上の先輩に鼻の下を伸ばすんじゃないわよ!!あの人は彼氏持ちなんだからね!!」

 そんなことは知ってるよ……
 てか、鼻の下なんか伸ばしてないから。
 ほら……永久さんの目のハイライトがまた消えてるよ……

 俺は二人から逃げるように、放送席の方へと足を運ぶ。

「おはようございます。三郷先輩」
「おはよう、桜井くん」

 朝の挨拶をすると、三郷先輩は笑顔で返してくれた。

「それで、俺を呼んでましたがどんなご要件ですか?」

 俺の質問に先輩が言葉を返す。

「桐崎くんから聞いてるとは思うけど、体育祭の実況を私とのペアでやってもらうことになってるんだよね」
「そうですね。今朝知りましたよ」

「あはは。当日に伝えるのが彼らしいよね。まぁそういう訳だからさ、軽く親睦を深めておこうと思ったんだよね」
「なるほど。ちなみに親睦を深めると言うと、どんな事を考えているんですか?」

 俺が首を傾げながらそう言うと、三郷先輩はニヤリと笑う。


 …………なんでこの高校の先輩たちはみんなこんな笑い方をするんだろうか


「古今東西。親睦を深める話題は『恋バナ』に決まってるじゃないか!!」
「……さて。自分は実行委員の仕事があるので失礼します」

 俺はそう言って、三郷先輩に背中を向ける。

 すると、

『これからマイクのテストを兼ねて、生徒会庶務の桜井霧都さんからご自慢の彼女の惚気話が聴けるそうです!!よろしくお願いします!!』

 なんて声がマイクで発せられた。

「な、なんてことをしてるんですか!!」

 思わず振り向いてそう言うと、三郷先輩は俺にマイクを渡してきた。

「さぁ桜井くん。『恋バナ』をしようじゃないか!!」
「……はぁ。恨みますよ、三郷先輩」

 俺がマイクを受け取ると、グラウンドにいる生徒たちから一気に視線を感じる。

 永久さんは目をキラキラさせながらこちらを見ている。
 凛音は不機嫌そうにこちらを見ていた。
 隣の三郷先輩は嬉しそうにこちらを見ている。



『三郷さんはな、他人の修羅場が大好きなんだ』
『た、他人の修羅場ですか……』

 桐崎先輩がいつだか言ってた言葉だった。

『俺と朱里と詩織さんの関係性とかを見てるのがすごく好きだ。と言っていたよ。桜井も気を付けろよ。彼女に目をつけられるとやっかいだぞ?』
『あはは……もう手遅れかもしれせん……』


 はぁ……とりあえず、俺の正直な気持ちを話すことにするかな。

 俺はマイクのスイッチを入れて話し始める。

『皆さん、おはようございます。生徒会庶務の桜井霧都です。マイクのテストを兼ねて自分の惚気話を披露したいと思います』

 グラウンドから笑い声が聞こえてきた。
 ノリのいい人が多くて助かった。

『自分の彼女の北島永久さんは生徒会の会計をしています。性格は非常に優しく、また入学試験では首席を取るなど聡明な女性です。そしていつでも俺の事を立ててくれる方です。自分にはもったいないくらいのとても素敵な女性です。そんな彼女に釣り合う自分になれるよう、日々努力が必要だと思っています』

 そして、俺は一息ついた後に言葉を続ける。

『そんな永久さんの一番魅力的なところを語ろうかと思ったのですが、辞めておこうと思います』

 俺がそう言うと、グラウンドの生徒たちはみんな首を傾げる。

『何故なら、彼女の一番魅力的な部分は俺だけが知っていたいと思うからですね!!皆さんには教えてあげませんからね!!』

 俺がそう言うと、グラウンドの生徒たち笑ってくれていた。

 永久さんは嬉しそうにしていたけど、凛音はつまらなそうにしていた。

 ……ある程度。ここでフォローを入れておかないと不味そうだな。

『さて、皆さんも知ってるかと思いますが、自分には幼馴染として南野凛音が居ます』

 俺がそう言うと、凛音が驚いたようにこちらを見てきた。

『彼女とは十年来の幼馴染です。マイクのテストも兼ねて、凛音の『恥ずかしい昔話』をしてやろうかと思います!!』

 グラウンドには歓声が響いていた。
 永久さんは、わかってると言った感じで笑ってくれていた。

「ちょっと!!なんてことを言ってるのよ、霧都!!馬鹿なことは辞めなさい!!」

 凛音がデカい声でそう言って、放送席の方へと走ってきた。

 俺はマイクを持ったまま走り出す。

『あれは小学校六年生の夏の時でした!!夜中に凛音は俺と一緒にテレビの幽霊特番を見ていて!!その番組内容で怖くなった凛音は!!』
「それを言ったらぶっ○ろしてやるわよ!!霧都!!」


 こうして、俺はマイクで凛音の恥ずかしい昔話を語りながら走り回っていた。

 最終的には凛音に捕まって、ボコボコに蹴っ飛ばされたけどな……
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