学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

文字の大きさ
22 / 292
第1章

第三話 ⑥ ~新学期・新クラスの席順は学園の二大美少女に挟まれました~

しおりを挟む
 第三話  ⑥





 教室の前まで来たところで、朱里さんの手を離した。
 流石に手をつないで教室に入るのは恥ずかしい。

 二年一組

 と書かれた教室に入る。教壇の上になんかの箱があった。どうやら席順を決めるクジのようだ。適当に一枚を引き抜き、周りを見渡すといくらか見知った顔が居た。

 良かった。去年のクラスメイトが結構居る。

「おはよう桐崎」
「ちーす桐崎、今年も学級委員よろしくな」
「桐崎くんおはよー」
「おはよう、みんな。また今年もよろしく。まぁ卒業までクラス変わんないけどな。てか学級委員かぁ.....」

 まぁ、誰もやるやつが居ないならやってもいいかな。
 あれがあったおかげで朱里さんと付き合えたわけだし。

 黒板に書かれたクジの番号の席に座る。
 窓際の一番後ろの席だった。
 通路を挟んだ隣の席には朱里さんが居た。
 もう片方の窓際の隣の席はまだ人が来ていないようで、空いていた。

「やったね悠斗くん。隣の席だ」

 少し身体を乗り出すように、朱里さんがひっそりと声をかけてきた。

「席が近くて俺も嬉しいよ。授業でわからない事があったらなんでも聞いてよ。朱里さんの隣に居るやつは当てになんないだろうからね」
「あはは、確かに武藤くんじゃ.....」

 苦笑いをうかべる彼女の隣には、健が椅子に狭苦しそうな感じで座っていた。

 ちなみに、朱里さんの前には佐藤さんが座っている。

 何だこの席配置。神か?

 そんなことを考えてると、それまでザワついていた教室が水を打ったように静かになる。

「聖女様だ.....」

 誰かがそんなことを呟いた。そんな小さな呟きすら俺の耳に届くくらい、教室は静けさに包まれていた。

 彼女は教壇の上にある箱を見ながら首を傾げる。

 どうやら意味がわかっていないようだ。

 誰も彼女に話しかけられない。そんな様子を見かねた俺がつい、声をかけてしまう。

「黒瀬さん」
「はい」

 席から立ち上がり、教壇まで歩いて行く。

「それは席順を決めるクジなんだ。その中から一枚引いてほしい。引いた番号を黒板で確認してその番号の席に座る感じだね」

 俺がそう説明すると、彼女は、なるほど。そういうことでしたか。と言って、くじを一枚引く。

 引いた番号を黒板で確認したところで俺に振り向く。

「ありがとうございます。桐崎くん。また助けてもらいましたね」
「いやいや、そんな。こんなの助けたうちに入んないって」

 お辞儀をする彼女に俺は慌てて首を振る。

「じゃ、じゃあ俺は自分の席に戻るから!!」

 慌てて自分の席に戻る俺。
 そんな俺に、朱里さんが微笑んでいた。

「やっぱり優しいね、悠斗くん」
「誰も声をかけてなかったからね」
「ちょっと緊張しちゃうんだよねみんな。私だって緊張して立ち上がれなかったもん」

 と、彼女が少しだけ申し訳なさそうに言う。

「まぁでもそう言う気持ちが大切だと思うから」
「えへへ、ありがとう悠斗くん」

 そんな会話をしていると、

「隣失礼します」
「え?」

 頭上から凛とした声が響く。

 黒瀬さんだった。

「黒板で確認したところ。桐崎くんの隣でした。今後ともよろしくお願いします」
「よ、よろしく.....」

 動揺を隠せない俺。
 しかし、黒瀬さんは何でもないかのように空いていた窓際の俺の隣の席へと座る。

 マジかよ.....なんだよこの席配置.....

 クラスの.....いや学園の二大美少女と言っても過言でも無い二人に挟まれて、俺の高校二年生の生活がスタートした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

処理中です...