学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第1章

第四話 ④ ~新学期・黒瀬さんと仲良くなろうと思いました~

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 第四話  ④




「聖女様……いや、黒瀬さんと友達になろうかと思ってるんだ」

 サイセに着いた俺たちはドリンクバーと各々好きな料理を頼み、好みのドリンクを持って席へと戻ってきた。
 そして、少し落ち着いてきたところで俺がそう切り出した。

「なんだ悠斗。堂々と二股宣言か?」
「馬鹿野郎ちげぇよ健。ほら、今日のアレとか見ただろ?ぶっちゃけさアレって言い方悪いけどイジメ一歩手前みたいな感じに見えてさ」

「まぁな。誰も声掛けない。友達も居なさそう。学校ではずっとひとり。毎日たくさんの人間から不躾な視線を浴びせされる。用が無くなれば一人ですぐ帰る。なんだ、いじめられてるやつみたいな感じだな」
「なんて言うか、俺ってクラスの雰囲気を良くするって思われてるみたいだし、彼女が少しでも学校で過ごしやすくなるようにしてみようかなって」

「なるほど。それが友達ってわけか」
「そうそう。なんて言うか比較的俺なら挨拶程度なら出来てるし、取っ掛りとしては行けるかなって」

 俺はそこまで言うと持ってきた烏龍茶を口にする。

「あとは朱里さんかな」
「え?わたし!?」

 突然話を振られた彼女は少し驚く。

「ほら、黒瀬さんに憧れてるって話してたから、俺が仲良くなれればそれを経由して朱里さんとも仲良くなれると思って。喜んで貰えるかなって。それに朱里さんはクラスでも人気あるしそんな感じで二人が仲良くなれば、自然とクラスにも溶け込めるかなって思ったんだ」
「なるほどいーんちょー良く考えてんじゃん。伊達に一年いーんちょーしてないね」
「まぁ、そんな上手くいくとは思えないけど、なんて言うのかな……」

 彼女を腫れ物の様な扱いにするのはちょっと嫌だなと思ったんだよね。

 と続けた。

「確かに、今の状態ってあんまりいいもんじゃないよね」
「で?悠斗。具体的にはどうするつもりだ?」

 コーラをずぞっと飲み干した健が興味深そうに聞いてくる。

 それに答えようとした時に、料理が届いた。

 ちょうど俺も飲み物が無くなったので席を立つ。
 どうやらみんなの飲み物も無くなっているようだ。

「健はコーラでいい?佐藤さんと朱里さんのも一緒に持ってくるよ」
「さんきゅー悠斗、コーラでよろ」
「ありがとう悠斗くん。私はアイスティーをガムシロ多めで!!」
「いーんちょーひとりじゃ大変だろうから私も手伝うよー」
「佐藤さんありがとう。じゃあ手伝ってもらおうかな」

 そう言って俺と佐藤さんはドリンクバーへと向かう。

「ねぇいーんちょー。余計なお世話かも知れないけどさー」
「なに?」

 健の分のコーラを注いでる時に佐藤さんが言う。

「あんまり黒瀬さんに優しくしすぎない方がいいよ」
「え?」

 朱里さんの分のガムシロたっぷりのアイスティーを作り終えた彼女が続ける。

「なんか、あの手の女の子って男慣れしてないと思うから、ちょっと優しくされたらコロッと行っちゃう気がするよ」
「ははは。そんな、まぁ別に俺は彼女に恋愛感情なんか持ってないし」

 それに、と烏龍茶を注ぎながら俺は続ける

「朱里さんを裏切るつもりは無いよ。今回の件だって、朱里さんが好きになってくれた俺が、今の状態を無視して平然としてられる人間だとは思ってないからだし」

 思いやりがあって優しくて誠実

 そう評価してくれてる彼女の期待を裏切りたくない

「まぁ、女の子は自分にだけ優しくして欲しいって思うことも多々あるけどね」
「うん。肝に銘じておくよ。ありがとう佐藤さん」

 これを言うために着いてきてくれたんだろうな。

 二人分の飲み物を手に席に戻る。
 すると朱里さんが頬を膨らませていた。

「ゆーこちゃんと仲がいい」
「いやいや別にそんなこと……」
「やだー!!朱里がヤキモチ妬いてる!!可愛い!!」

 プクッと膨らんだ朱里さんの頬っぺを、佐藤さんがツンツンしてる。

「もーゆーこちゃんやめてよー」

 と、恥ずかしそうに言う朱里さん。

 そんな彼女を裏切る真似は絶対にしない。

 俺はそう心に決めると、少しだけ食べ頃の温度になったミラノ風ドリアを口にした。

 ちなみに、飲み物を持ってくるまでの時間で、もう既に健は大盛りのペペロンチーノを食べ終わって、もうひとつのミラノ風ドリアを食べ始めていた。
 よく噛めよ……
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