学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第1章

第四話 ⑤ ~新学期・ゲームセンターでの再戦と戦姫~

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 第四話  ⑤




「よーし。お腹も脹れたし、ゲームセンターへレッツゴー!!」

 サイセでお腹を膨らませた俺たちは、佐藤さんのその言葉を皮切りにゲームセンターへと向かう。

 サイセから歩いて到着出来る距離なので、自転車は置いたままでそのまま行く。

 先導する朱里さんと佐藤さんの後ろを歩くようにしていると、

「で?さっきは聞けなかったけど、どうやってあの堅物聖女様とよろしくするつもりなんだ?」

 と健が話しかけてきた。

「あぁそれか。……それはな」

 特に何もする予定は無い。

 と俺が言う。

「何もする予定が無い?」

 訝しげにそう言う健に続ける。

「ぶっちゃけさ、仲良くなりたいなんて下心があるような男は彼女に近づけないと思うんだよ」
「まぁな」
「だからこっちからは特に何もせず、朝はしっかりおはようって言って、帰りはちゃんさようならって言うことから始めようかなって」
「なるほど確かに一理あるな」
「そうそう。無闇矢鱈に話しかけるより、少しでも向こうから話しかけやすくなるような空気感で居ようと思うんだ」
「そう言うの悠斗は上手いからな。まぁ俺にもなんか出来ることがあったら言ってくれ」

 悠斗には借りがいっぱいだからな!!

 と笑いながら健が言う。

 そうこうしている内にゲームセンターへと到着した。

「ねぇねぇいーんちょー!!」
「……え?いきなりやるの?」

 格闘ゲームの筐体を指差しながら、佐藤さんが笑顔で近づいてくる。

「やるよ!!」
「まあ……いいか」

 と思った次の瞬間だった。

「おいてめぇ!!見つけたぞ!!」

 はぁ?

 なんかどっかで聞いたことがある声に振り向くと、

「連コイン死体蹴りおじさん」

 以前絡まれたおっさんが目の前に居た。

「あれから俺は辛く厳しい修行をした……」

 え?何勝手に語り始めてんの????

 なんかつらつらと語り始めたおっさんを無視し、俺は筐体に座る。

「よし、佐藤さん。勝負だ!!」
「え?いーんちょー、いいの?なんか絡まれてたけど」
「気にしない!!」

 しかし、そんな俺の態度が気に入らなかったのか、おっさんは「てめぇふざけんなよ!!」とブチ切れながら佐藤さんが座ろうとしていた反対側の席に座る。

「一回だけだからな」

 そう言って俺は百円玉をいれる。

「彼女の前で恥をかかせてやる!!」

 と、息を巻くおっさんも百円玉をいれる。

「ねぇいーんちょー。あのおっさん強いの?」

 いつの間にか後ろにいた佐藤さんが聞いてくる。

「そうだね、実力とマナーの無いおっさんだったね」
「あぁ……そう言う」

 俺は持ちキャラを選択すると、おっさんはそのキャラに対して相性の良いキャラを選ぶ。

「勝った!!」

 とか言うセリフが向こうから聞こえてくる。

 馬鹿だなぁ……キャラ相性程度で勝負が決まるだなんて
 まぁ、熟練者同士ならそう言う部分がかなり大切になってくるだろうけど……
 そんなことを考えていると、対戦が始まった。

 二本先取の一本目

 おっさんがキャラ相性を活かした攻め口での立ち回りをしてくる。

「うわぁ……」
「えぇ……」

 それと同時に顔をしかめる俺と佐藤さん。
 その様子に、

「どうしたの、二人とも?」

 と首を傾げる朱里さん。

 そんな彼女に俺が、対戦相手の攻撃を全ていなしながら答える。もちろん、ダメージなんか喰らわない。

「えぇと。俺のキャラに対して相性の良いキャラを向こうが選んできたの」
「うん」
「でもね、それってこっちだってそれくらいのことは考えてるわけで」
「うん」
「相手が今やってる攻撃手段ってもう何回みたかわかんないレベルで対策だって決まってて、ぶっちゃけもう誰もやらない、逆に珍しいくらいの攻めなんだ」
「そうなんだ。つまり簡単に言うと?」

 そんな彼女の疑問に、俺が画面の表示で答える。
 そこには、ノーダメージで一本目を取った俺のキャラが立っていた。

「前回と何も変わらないって事だね」



 その後もノーダメージで二本目も取った俺。

 そんな俺におっさんは、

「まだだ!!もう一回!!」

 と叫ぶが、

「なぁおっさん。次は私がやるんだ。そこをどいてくれない?」

 と、佐藤さんがおっさんに告げる。

「あぁん!!??小娘が何言って……」

 と、おっさんが佐藤さんの顔を見ると

「い、戦姫(いくさひめ)……」

 と呟く。

 戦姫??

 俺が首を傾げるとふと思い出すことがあった。

 たしか、このゲームの界隈では『戦姫』と呼ばれる女性プレイヤーが居ることを。

 もしかしてそれが……

「知ってるなら話は早い。なぁそこどいてくんない?」

 という佐藤さんに、おっさんは震えながら「すみませんでしたー!!」と逃げていった。

 え?戦姫ってそんな恐れられる存在なの?

 俺は驚いた表情を浮かべるも佐藤さんはそんな俺に笑ってくる。

「さぁ、いーんちょー。やろうか?」
「おっけー佐藤さん」

 俺はその言葉に手首を回す。

 戦姫か。随分とまぁ格上じゃないか。

「いい勝負が出来るように頑張るよ」

 俺は向こう側に座る佐藤さんに向かってそう告げる。

「期待してるよいーんちょー」

 そう返してきた佐藤さん。

 画面にはキャラ相性はほぼ互角の組み合わせが表示されていた。

 よし、彼女にかっこ悪いところを見せないくらいの戦いをしよう。

 そう考えながら対戦をスタートさせた。
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