249 / 292
第2章
第九話 ~蒼井さんとの初めてのお出掛け~ ⑨
しおりを挟む
第九話 ⑨
「さて、悠斗くん。そろそろここを後にしなければならない時間になって来たね」
「そうですね。次の人のために掃除をしてから出ましょうか」
いつの間にか二時間ほどカラオケブースに居たようで、俺と空さんは、そこまで汚くはしてはいないが、ブースの中を掃除する。
そして、俺たちは外に出ると、待っていた人が居たようで入れ替わるように入るグループが居た。
掃除をしていて良かった。そう思いながら、そのグループに頭を下げて中を譲った。
「さて、悠斗くん。次は何をしようか?」
「せっかくなので写真でも残しませんか?」
プリクラでも撮りましょう。
俺がそう提案すると、空さんは少しだけ意外そうな顔をする。
「へぇ、良いのかい?」
「……え?何がダメなのかよく分からないのですが」
首を傾げる俺に、空さんは笑って言う。
「そうか。僕の感覚がバグってるんだね。君にとっては彼女では無い女の子と写真を撮るくらいなんてことでも無いってことだね」
そりゃあ彼女公認で教室であんなことをしてるんだから、この程度ならなんでもないよな。
「あはは……確かに、普通の感覚では無かったですね」
「まぁ、僕としては断る理由が無いからね。お言葉に甘えてゲームコーナーに行こうか」
俺たちはそんな会話をして、ゲームコーナーへと向かった。
『ゲームコーナー』
スマホが普及して、写真を残す手段は容易になった今でも、プリクラ文化は根強く残っている。
ナンパ防止の為に、プリクラのコーナーはカップルか女性以外の立ち入りを禁止しているところが多い。
ここも類に漏れずそうだった。
俺と空さんはお金を入れた後に二人でブースに入る。
意外と狭いんだよなぁ……
なんて思いながら機械を操作していく。
「君はなんでも出来るんだね?」
なんて笑いながら、空さんが言ってくる。
こ、これは『チャンス』では!?
俺は少しだけドキドキしながら、次のセリフを言う。
「なんでもは出来ませんよ、出来ることだけです」
「……?」
疑問符を浮かべる空さん。
だ、ダメだったか……伝わらなかった……っ!!
「い、いえ……なんでもありません……」
羽川翼にはなれなかったよ……
俺は肩を落としながら機会の操作を再開し、
「それじゃ撮りましょう!!」
「うん!!」
俺たちは機械の指示に従ってポーズを取りながら写真を撮る。
そして、
『二人でチュー』
と言われたので、これは無視しようかな。
なんて思ってたら
「隙だらけだぞ?」
「……え?」
チュッ
と抱き寄せられ、唇にキスをされた。
カシャ
という音と共に、そのシーンが写真として残った。
「そ、空さん!?」
「あはは。このくらいなら可愛いものだろ?」
なんてことを、顔を真っ赤にしながら言う空さん。
はぁ……まぁ良いか。
そして、その後は特に問題など起こさずに俺たちの撮影は終わった。
「いやー楽しかったね、悠斗くん!!」
「そうですね。俺としてもとても満足の行く時間でした」
プリクラを撮り終え、落書きをした後はカートゲームやロデオなどで遊んで時間を過ごした。
そして、良い時間になったので店を後にした。
心地良い疲労感が身体には残っている。
今日は良く寝れそうだと思った。
「さて、悠斗くん。こうして親睦を深められたことだし、明日からしっかりと業務に励むとしようじゃないか」
「そうですね。それで、質問なんですが、この名前呼びは……」
「当然、学校でも継続さ!!」
「……ですよね」
俺は軽くため息をついてそう言った。
まぁ、いいか……
俺は駅に着くと、空さんに伝える。
「本当なら空さんを自宅の最寄り駅まで送りたいのですが、ここで少し予定がありまして。送ることが出来ないんです。すみません」
俺がそう言って頭を下げると、
「へぇ、そうなんだ。何となく、その『予定』が何なのか、非常に気になるところだけど、我慢してあげるよ」
と許してくれた。
「ありがとうございます。ではお気を付けて。また学校で」
「うん。じゃあね、悠斗くん」
俺は手を振る空さんを見送り、駅を後にする。
腕時計で時間を確認すると、十七時を指していた。
……良かった。
『タイムリミット』は守れたみたいだ。
「お疲れ様、悠斗。今日は楽しかったかな?」
駅から出た俺に、女性の声が耳に入る。
「あはは。そうだね、それなりには楽しめたかな」
時計から視線を切り、顔を上げると、朱里の姿があった。
「それでは悠斗くん。出してください」
そして、その隣には詩織さんの姿もあった。
「……はい」
俺は詩織さんの指示に従い、空さんと撮ったプリクラを彼女に渡す。
空さんとのキスシーンがバッチリ写っている。
「へぇ……お楽しみだったみたいですね?」
ビリ……ビリ……
と、詩織さんはプリクラを破り捨てる。
ゴミの不法投棄だよ。なんてことは言えない……
「おしおきですね」
「うん。おしおきだね」
ニコリと嗤う美少女二人に、俺は今日もまた寝れないのか……と肩を落とすのだった。
「さて、悠斗くん。そろそろここを後にしなければならない時間になって来たね」
「そうですね。次の人のために掃除をしてから出ましょうか」
いつの間にか二時間ほどカラオケブースに居たようで、俺と空さんは、そこまで汚くはしてはいないが、ブースの中を掃除する。
そして、俺たちは外に出ると、待っていた人が居たようで入れ替わるように入るグループが居た。
掃除をしていて良かった。そう思いながら、そのグループに頭を下げて中を譲った。
「さて、悠斗くん。次は何をしようか?」
「せっかくなので写真でも残しませんか?」
プリクラでも撮りましょう。
俺がそう提案すると、空さんは少しだけ意外そうな顔をする。
「へぇ、良いのかい?」
「……え?何がダメなのかよく分からないのですが」
首を傾げる俺に、空さんは笑って言う。
「そうか。僕の感覚がバグってるんだね。君にとっては彼女では無い女の子と写真を撮るくらいなんてことでも無いってことだね」
そりゃあ彼女公認で教室であんなことをしてるんだから、この程度ならなんでもないよな。
「あはは……確かに、普通の感覚では無かったですね」
「まぁ、僕としては断る理由が無いからね。お言葉に甘えてゲームコーナーに行こうか」
俺たちはそんな会話をして、ゲームコーナーへと向かった。
『ゲームコーナー』
スマホが普及して、写真を残す手段は容易になった今でも、プリクラ文化は根強く残っている。
ナンパ防止の為に、プリクラのコーナーはカップルか女性以外の立ち入りを禁止しているところが多い。
ここも類に漏れずそうだった。
俺と空さんはお金を入れた後に二人でブースに入る。
意外と狭いんだよなぁ……
なんて思いながら機械を操作していく。
「君はなんでも出来るんだね?」
なんて笑いながら、空さんが言ってくる。
こ、これは『チャンス』では!?
俺は少しだけドキドキしながら、次のセリフを言う。
「なんでもは出来ませんよ、出来ることだけです」
「……?」
疑問符を浮かべる空さん。
だ、ダメだったか……伝わらなかった……っ!!
「い、いえ……なんでもありません……」
羽川翼にはなれなかったよ……
俺は肩を落としながら機会の操作を再開し、
「それじゃ撮りましょう!!」
「うん!!」
俺たちは機械の指示に従ってポーズを取りながら写真を撮る。
そして、
『二人でチュー』
と言われたので、これは無視しようかな。
なんて思ってたら
「隙だらけだぞ?」
「……え?」
チュッ
と抱き寄せられ、唇にキスをされた。
カシャ
という音と共に、そのシーンが写真として残った。
「そ、空さん!?」
「あはは。このくらいなら可愛いものだろ?」
なんてことを、顔を真っ赤にしながら言う空さん。
はぁ……まぁ良いか。
そして、その後は特に問題など起こさずに俺たちの撮影は終わった。
「いやー楽しかったね、悠斗くん!!」
「そうですね。俺としてもとても満足の行く時間でした」
プリクラを撮り終え、落書きをした後はカートゲームやロデオなどで遊んで時間を過ごした。
そして、良い時間になったので店を後にした。
心地良い疲労感が身体には残っている。
今日は良く寝れそうだと思った。
「さて、悠斗くん。こうして親睦を深められたことだし、明日からしっかりと業務に励むとしようじゃないか」
「そうですね。それで、質問なんですが、この名前呼びは……」
「当然、学校でも継続さ!!」
「……ですよね」
俺は軽くため息をついてそう言った。
まぁ、いいか……
俺は駅に着くと、空さんに伝える。
「本当なら空さんを自宅の最寄り駅まで送りたいのですが、ここで少し予定がありまして。送ることが出来ないんです。すみません」
俺がそう言って頭を下げると、
「へぇ、そうなんだ。何となく、その『予定』が何なのか、非常に気になるところだけど、我慢してあげるよ」
と許してくれた。
「ありがとうございます。ではお気を付けて。また学校で」
「うん。じゃあね、悠斗くん」
俺は手を振る空さんを見送り、駅を後にする。
腕時計で時間を確認すると、十七時を指していた。
……良かった。
『タイムリミット』は守れたみたいだ。
「お疲れ様、悠斗。今日は楽しかったかな?」
駅から出た俺に、女性の声が耳に入る。
「あはは。そうだね、それなりには楽しめたかな」
時計から視線を切り、顔を上げると、朱里の姿があった。
「それでは悠斗くん。出してください」
そして、その隣には詩織さんの姿もあった。
「……はい」
俺は詩織さんの指示に従い、空さんと撮ったプリクラを彼女に渡す。
空さんとのキスシーンがバッチリ写っている。
「へぇ……お楽しみだったみたいですね?」
ビリ……ビリ……
と、詩織さんはプリクラを破り捨てる。
ゴミの不法投棄だよ。なんてことは言えない……
「おしおきですね」
「うん。おしおきだね」
ニコリと嗤う美少女二人に、俺は今日もまた寝れないのか……と肩を落とすのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる