完結)マサシのチョコレート

岩兎希 光 イワトキ ヒカル

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第1章 神童

早弁、いや早チョコ!

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春の陽射しが不幸な人たちの不幸を除菌するが如く、晴天が続いていた。
 …田崎マサシは学校の教室で、五感を研ぎ澄ませながらチャンスを待っていた。何故なら、家から持ってきたチョコレートを授業中に貪り食う為だ。
持って来たチョコレートは、


『たけのこの里
傘チョコ
ペロティー
カプリコ
チョコベビー
ビックチョコ
ぬ~ぼ~
チョコ棒
チョコあ~んぱん
エブリバーガー
カカオの実
フラン
キットカット
マーブルチョコ
チョコバット
いも作君
きこりの切り株
きのこの山
チョコフレーク
小枝
アーモンドチョコ
ビックリマンチョコ
麦チョコ
チップチョコ
ポッキー全種全味つけ一本ずつ!
等多数』



その為、鞄や机の中には教科書類は一切入ってはおらず、テーブルの上にはノートと教科書的な物、そして全教科書の表紙が置いるだけだ。(つまり、勉強している様に見せかける為のカモフラージュである)
 今日こそは帰る頃までにチョコレートを食べつくさなくては…。田崎マサシはそう決心していた。しかし、教師の監視の目が光っていて、なかなか食べるチャンスを与えてはくれない。
今日も食べつくすことは無理なのか!?
早くもマサシの心に不安の影が差し込む。
 昨日は惜しくも、あとチョコフレーク二十七枚というところでチャイムが鳴ってしまい、全てを平らげるにいたらず、悔しい涙を飲んだのだ。
大丈夫、今日はチョコフレークもファミリーパックではなく、普通のサイズに変えている。マサシは自分にそう言い聞かせた。
 そして、とうとう最後の授業の時間になってしまった。
けれど、チョコレートはなかなか減らず、まだ、
板チョコ
チョコもなか?
エリーゼ
焼きチョコ?
小銭チョコ
煙草チョコ
チョコパイ
パイの実
それに一番好きなピックルさえも残っている。
ふとマサシの脳裏に、敗北と言う言葉が浮かんで、それが次第に大きくなり、焦りと不安が押し寄せてきた。
けれど運はマサシに味方した。なんと、幸運にも教科の先生が休んでいて、最後の授業が自習になったのだ。
 マサシは大チャンスとばかりに、早速一番大きなチョコパイから手をつけ始めた。
 勿論、先生がいないからと言って気を抜く訳にはいかない。何しろ他の生徒達にも見つかる訳にはいかないからだ。仮に見つかってしまい、
『俺にもくれ攻撃』
や、
『私にもくださいませんか?わかったよ!先生にちくればいいんだろ!攻撃』
にあったら、たちまち大事なチョコレートを奪われてしまう。
そうなれば、チョコレートを食い尽くすという偉大な目標は達成できないのだ。
また、見つからない為には、匂いや音にも注意しなければならず、いくら自習といえども、状況は極めて過酷に変わりなかった。
 そして、
ムースポッキー
パイの実
小銭チョコ
を食べ終えたあたりの時だ。
 誰かがそっとマサシの肩を叩いた。
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