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狂チョコ病
失恋のチョコレート店
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田崎マサシが、チョコレートの店(チョコレートも色々取り揃えているが、それ以外にも日本では珍しい、カカオを使った料理も作っている。)マサシのチョコレートという店を出してから十年の時が流れた。
現在22歳だ。マサシが大のチョコレート好きだったことと、ある女の子の生活マネーのピンチの時、それを助ける為にマサシがチョコレートの店を出したことは、地域でも有名である。
その、マサシの助けた女の子というのは勿論、紺野あけみのことである。その紺野あけみはどうしているかと言うと…神崎惣一という26歳の男性と結婚していた。
それは今から二年前のことで、マサシは一度もあけみと正式な恋人同士になったこともなかった。
流石のマサシも、その時は真剣に店をたたもうと考えた。けれども母親との約束を思い出しては、あんな約束せんかったら良かった~!と後悔していた。
どっちにしろ、店をたたんだところで小卒のマサシを雇ってくれるところなどありはしないのだが…勿論日本では義務教育の為、小卒なんて学歴はないが、マサシはそんなことすら知らずにいるのだ。
きっと面接でも馬鹿正直に小卒と書いて落とされる。しかも本人はまさか世の中に学歴が必要で、その為に落とされるなど、微塵も知らないままだった。
…せめてマサシの店が繁盛していたら、転職なんか考えなくてもいいのだが、店の方もあまり繁盛しているとは言えなかった。何故ならそれは、今から5年ほど前から、狂チョコ病が流行った為だった。そのチョコを食べた者は、色んな狂った症状にかかる。
例えれば、カレーのルーをそのままお菓子代わりに食べてしまったり、30代の大人が久し振りにランドセルを背負って登校してみたり…とにかく危険なのである。
その時も、マサシは店をたたもうと考えたが、母親のキュウコに駄目と言われたので続けていたのである。
マサシが店の中で、何人かのお客様を相手にしていると、その中の一人の年をとった老婦人がマサシに話しかける。
「ほんとうにここのチョコレートは大昔に限定で出ていたものも置いてあるのね?それにこれ!チョコレートで造ったファッションドレスでしょ!?」
「おばちゃんなかなか通やな~!なんやったらおばちゃんここで着替えてみる?この服着てくれてならバイトとして雇ってあげてもいいで!今バイト大募集してるねん!」
「あらあら~おほほ~!この通り私おばあちゃんだから~!あと一時間早く声かけてくれたらおばちゃんもピチピチギャルだったのに~!残念だわ~!」
マサシはいつものように、相手を喜ばせるコミュニケーションサービスを忘れない。けれど、バイトを雇いたいというのはあながち嘘でもなかった。
何しろ、チョコレート作りから、カカオ料理、レジに清掃に至るまで全てマサシ一人でやらないといけないのだ。当然のことながら、レジをしている時にカカオ料理を頼まれたら、それもすぐに作らないといけない。幸い料理厨房はレジにすぐ傍で、見通しがきくところにもあるので、なんとかこなしているが、ショーケースのチョコレートがなくなってきたら、補充しないといけないし、作り置きがなくなってしまったらそれまでで、さらに奥の厨房でチョコレートをこしらえる時間なんてどこにもない。だから、店を閉めてから仕込みを深夜三時くらいまでかかってやならいといけないのだ。
マサシには千代子という妹がいて、時々店番をしてくれるが、普段の千代子はここからずっと離れている東京で一人暮らしをしていて、漫才師を目指しているので、滅多にここに帰って来ないのである。小学校の頃太っていた千代子も、マサシのダイエットチョコのお陰ですっかり痩せた為に、とても美人になっていたのである。マサシはお客さんが帰って、一人になり、ポツリと呟いた。
「それにしても千代子の奴…痩せて綺麗になったとたん東京に行ってしまった!…こんな時にあいつがいてくれたら…。」
そう、あいつというのはあけみのことである。やはりまだマサシも未練が残っているのだ。噂をすればなんとやらで、、扉が開き、あけみの旦那、神崎惣一が顔を出す。マサシは心中で、旦那かい!と作者に突っ込みを入れた。
現在22歳だ。マサシが大のチョコレート好きだったことと、ある女の子の生活マネーのピンチの時、それを助ける為にマサシがチョコレートの店を出したことは、地域でも有名である。
その、マサシの助けた女の子というのは勿論、紺野あけみのことである。その紺野あけみはどうしているかと言うと…神崎惣一という26歳の男性と結婚していた。
それは今から二年前のことで、マサシは一度もあけみと正式な恋人同士になったこともなかった。
流石のマサシも、その時は真剣に店をたたもうと考えた。けれども母親との約束を思い出しては、あんな約束せんかったら良かった~!と後悔していた。
どっちにしろ、店をたたんだところで小卒のマサシを雇ってくれるところなどありはしないのだが…勿論日本では義務教育の為、小卒なんて学歴はないが、マサシはそんなことすら知らずにいるのだ。
きっと面接でも馬鹿正直に小卒と書いて落とされる。しかも本人はまさか世の中に学歴が必要で、その為に落とされるなど、微塵も知らないままだった。
…せめてマサシの店が繁盛していたら、転職なんか考えなくてもいいのだが、店の方もあまり繁盛しているとは言えなかった。何故ならそれは、今から5年ほど前から、狂チョコ病が流行った為だった。そのチョコを食べた者は、色んな狂った症状にかかる。
例えれば、カレーのルーをそのままお菓子代わりに食べてしまったり、30代の大人が久し振りにランドセルを背負って登校してみたり…とにかく危険なのである。
その時も、マサシは店をたたもうと考えたが、母親のキュウコに駄目と言われたので続けていたのである。
マサシが店の中で、何人かのお客様を相手にしていると、その中の一人の年をとった老婦人がマサシに話しかける。
「ほんとうにここのチョコレートは大昔に限定で出ていたものも置いてあるのね?それにこれ!チョコレートで造ったファッションドレスでしょ!?」
「おばちゃんなかなか通やな~!なんやったらおばちゃんここで着替えてみる?この服着てくれてならバイトとして雇ってあげてもいいで!今バイト大募集してるねん!」
「あらあら~おほほ~!この通り私おばあちゃんだから~!あと一時間早く声かけてくれたらおばちゃんもピチピチギャルだったのに~!残念だわ~!」
マサシはいつものように、相手を喜ばせるコミュニケーションサービスを忘れない。けれど、バイトを雇いたいというのはあながち嘘でもなかった。
何しろ、チョコレート作りから、カカオ料理、レジに清掃に至るまで全てマサシ一人でやらないといけないのだ。当然のことながら、レジをしている時にカカオ料理を頼まれたら、それもすぐに作らないといけない。幸い料理厨房はレジにすぐ傍で、見通しがきくところにもあるので、なんとかこなしているが、ショーケースのチョコレートがなくなってきたら、補充しないといけないし、作り置きがなくなってしまったらそれまでで、さらに奥の厨房でチョコレートをこしらえる時間なんてどこにもない。だから、店を閉めてから仕込みを深夜三時くらいまでかかってやならいといけないのだ。
マサシには千代子という妹がいて、時々店番をしてくれるが、普段の千代子はここからずっと離れている東京で一人暮らしをしていて、漫才師を目指しているので、滅多にここに帰って来ないのである。小学校の頃太っていた千代子も、マサシのダイエットチョコのお陰ですっかり痩せた為に、とても美人になっていたのである。マサシはお客さんが帰って、一人になり、ポツリと呟いた。
「それにしても千代子の奴…痩せて綺麗になったとたん東京に行ってしまった!…こんな時にあいつがいてくれたら…。」
そう、あいつというのはあけみのことである。やはりまだマサシも未練が残っているのだ。噂をすればなんとやらで、、扉が開き、あけみの旦那、神崎惣一が顔を出す。マサシは心中で、旦那かい!と作者に突っ込みを入れた。
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