18 / 25
狂チョコ病
忙しい!!
しおりを挟む
あけみは、いまだにマサシになんて言えばいいかわからないでいた。
店を寿退社で辞める時もマサシのおめでとさんさんが辛かった。
あけみは大きな溜息をついて、
「準備中だもんね。帰らないと…私って嫌な女。」
と言った。そして帰り道に二十歳くらいの女の子とぶつかりそうになり、ぶつかって転げた。そして、相手の女の子は、
「痛い!」
と言って、
「痛くないもん!」
と言った。
あけみは、
「ごめんなさい!」
と言って、
「悪くないもん!」
と言ったのである。そして、二人は立ち上がって、ちゃんとお互いに、
「ごめんなさい!大丈夫ですか?」
と尋ねた。
「ほんとごめんなさい!急いでいたもので~!」
「私こそ考え事していたから…。」
あけみがそう言って謝ると、相手の女の子は、
「あの、ところで、ここらへんにマサシのチョコレートって店知りません?」
「知っているわ。そこの角を曲がったところよ…。」
「へぇ~!私何度もここらへん探したんですけど見つからなくて!」
「ふふ、そう言えば、看板も何もなかったもんね。でも、今はちゃんと、取り付けたみたいだからすぐにわかると思うわよ。なんなら一緒に行く?」
「ありがとうございます!とても助かります。でもわざわざ付き合っていただいていいんですか?」
「いいのよ。私も買いに行きたかったんだから、でも今準備中だったのよね。」
あけみは少し嬉しくなった。道案内としてなら違和感なく店に行くことが出来るし、何よりマサシの店を探してまでお客さんが来てくれるのが嬉しかったのである。
そして、二人はマサシの店に向かった。
「マサシ~!お店の場所がわからないって探してくれていたお客さん連れて来たよ~外にも何人かまだならんで待っていてくれているわ!」
あけみおが店の扉を開けて中に入り、大声でそう言うと、奥からマサシが顔を出した。
「あ、あけみか!?久し振りやなぁ!ちょっと待っといてな!今少し出来たチョコレートを並べるところやねん!あ、あと、出来たら少し手伝ってくれへんか?」
あけみはそれを聞いて嬉しくなった。
「手伝っていいの!?」
「…嫌か?」
「ううん!じゃあ、私カウンターの中に入るね!」
そう言ってあけみは準備中の札を取って来て、カウンターに入ると、段取りよくお客さんをさばいていった。そして、さっき連れてきた女の子の順番になって、あけみは元気よく、
「お待たせしました!今日はどんなチョコレートをお選びですか!?」
と尋ねると、さっきの女の子は、
「…あの、私実は面接を受けたいんですけど…。」
「面接!?…ちょ、ちょっと待っていてね。今責任者に聞いて来るから…」
あけみは、面接を受けにきたと聞いて少し辛くなった。もしかしたら忙しいことを理由に、前のように自分がここで働けるんじゃないかと、少し期待していたからだ。けれど、従業員が足りてしまったら、それも出来なくなる。
けれど、そんな自分勝手な理由で帰すわけにはいかなかった。
「ま、マサシ~!面接受けたいって子が」
「じゃああけみが面接してや。」
相変わらずマサシは適当でいい加減に応える。仕方なしにあけみはとりあえずその女の子をレストラン側で、待ってもらい、あとで、面接をすることにする。とりあえず今はお客さん優先である。けれど、隣のレストランから来た店長がやってきて、仕事の話がしたいから時間を取れないかと言われてしまう。
幸いとりあえずお客さんをさばいたあとだったので、少しならと、話を聞くことにした。
「お忙しいところすみません。私は近くのレストランで店長をしているアルバイトなんですけれども…実は、秋の新メニューにカカオの料理と甘くて疲れの吹っ飛ぶデザートのチョコレートアイスクリームをこちらで仕入れたいと思うんですが…。」
どうやら大きい仕事の話で、長くなりそうである。けれどもすぐに忙しいからまたと帰すわけにもいかないので、出来るだけ早く済ませようとした。けれど、すぐにお客さんが何人か入ってきててんやわんやになってくる。どうやら、下校帰りの買い食いをしにきた北町所学校の先生達だった。そして、それをつけてきたのか、すぐに小学生達が入って来て、
「あ~!先生買い食いしてる!」
「き、君達はうちの生徒の!す、すまない!他の生徒達には内緒にしてくれ!かわりに何かチョコレート買ってあげるから!」
先生達が苦し紛れにそういうと、子供達ははしゃいで喜んで、
「仕方ないなぁ、今日は特別に物で釣られてやるかぁ!」
と言った。そしてまたしてもお客さんが入ってきた。買い物帰りの奥さん達である。あけみは、突然増えたお客さんに驚いて、
「マサシ!ちょっと出てきてよ!お客さんがいっぱいよ!」
「ごめん!今手が離せへんねん!朝からそんな感じで、絶えずお客さんが来てて、チョコ作らな間に合わへんねん!」
すると、面接を受けに来た子が、私手伝います!」
と言って、カウンターに入ってきた。お客さんがいる手前、怒ることも出来ずにいると、レストランの店長が、
「あの…こちらが例のデザートの写真でして、これの上に似合うチョコレートを…。」
そして、お客さんの方は
「それにしてもチョコレートの種類少なくない?噂に聞いていたほどでもないのね。」
等と、好きなことを言っている。
あけみは、まず早く話を切り上げる為に、店長に、
「では、こちらの写真をお預かりいたしまして、私どもの方でいくつかの案を考えさせて戴きますので、連絡先を伺っても宜しいでしょうか?」
と言ってから、レジカウンターにメモとペンを取りに行こうとすると、面接の子が他のお客さんの相手をしている。
「当店のチョコレートは完全な手作りで、狂チョコ病の心配もいりませんし、種類も数多くあります。ですから大変売れていまして、売り切れの物が数多くありますが、今、腕のいいパティシエが出来立てのチョコレートをお作りしておりますので、まもなく商品の方も増えてまいりますので、どうかご了承ください。」
となかなか立派に接客をしている。すると、マサシが、
「出来たで~!」
とチョコレートを持って出てくる。そして忙しい一日を終えて、21時の閉店の時間になったのである。
店を寿退社で辞める時もマサシのおめでとさんさんが辛かった。
あけみは大きな溜息をついて、
「準備中だもんね。帰らないと…私って嫌な女。」
と言った。そして帰り道に二十歳くらいの女の子とぶつかりそうになり、ぶつかって転げた。そして、相手の女の子は、
「痛い!」
と言って、
「痛くないもん!」
と言った。
あけみは、
「ごめんなさい!」
と言って、
「悪くないもん!」
と言ったのである。そして、二人は立ち上がって、ちゃんとお互いに、
「ごめんなさい!大丈夫ですか?」
と尋ねた。
「ほんとごめんなさい!急いでいたもので~!」
「私こそ考え事していたから…。」
あけみがそう言って謝ると、相手の女の子は、
「あの、ところで、ここらへんにマサシのチョコレートって店知りません?」
「知っているわ。そこの角を曲がったところよ…。」
「へぇ~!私何度もここらへん探したんですけど見つからなくて!」
「ふふ、そう言えば、看板も何もなかったもんね。でも、今はちゃんと、取り付けたみたいだからすぐにわかると思うわよ。なんなら一緒に行く?」
「ありがとうございます!とても助かります。でもわざわざ付き合っていただいていいんですか?」
「いいのよ。私も買いに行きたかったんだから、でも今準備中だったのよね。」
あけみは少し嬉しくなった。道案内としてなら違和感なく店に行くことが出来るし、何よりマサシの店を探してまでお客さんが来てくれるのが嬉しかったのである。
そして、二人はマサシの店に向かった。
「マサシ~!お店の場所がわからないって探してくれていたお客さん連れて来たよ~外にも何人かまだならんで待っていてくれているわ!」
あけみおが店の扉を開けて中に入り、大声でそう言うと、奥からマサシが顔を出した。
「あ、あけみか!?久し振りやなぁ!ちょっと待っといてな!今少し出来たチョコレートを並べるところやねん!あ、あと、出来たら少し手伝ってくれへんか?」
あけみはそれを聞いて嬉しくなった。
「手伝っていいの!?」
「…嫌か?」
「ううん!じゃあ、私カウンターの中に入るね!」
そう言ってあけみは準備中の札を取って来て、カウンターに入ると、段取りよくお客さんをさばいていった。そして、さっき連れてきた女の子の順番になって、あけみは元気よく、
「お待たせしました!今日はどんなチョコレートをお選びですか!?」
と尋ねると、さっきの女の子は、
「…あの、私実は面接を受けたいんですけど…。」
「面接!?…ちょ、ちょっと待っていてね。今責任者に聞いて来るから…」
あけみは、面接を受けにきたと聞いて少し辛くなった。もしかしたら忙しいことを理由に、前のように自分がここで働けるんじゃないかと、少し期待していたからだ。けれど、従業員が足りてしまったら、それも出来なくなる。
けれど、そんな自分勝手な理由で帰すわけにはいかなかった。
「ま、マサシ~!面接受けたいって子が」
「じゃああけみが面接してや。」
相変わらずマサシは適当でいい加減に応える。仕方なしにあけみはとりあえずその女の子をレストラン側で、待ってもらい、あとで、面接をすることにする。とりあえず今はお客さん優先である。けれど、隣のレストランから来た店長がやってきて、仕事の話がしたいから時間を取れないかと言われてしまう。
幸いとりあえずお客さんをさばいたあとだったので、少しならと、話を聞くことにした。
「お忙しいところすみません。私は近くのレストランで店長をしているアルバイトなんですけれども…実は、秋の新メニューにカカオの料理と甘くて疲れの吹っ飛ぶデザートのチョコレートアイスクリームをこちらで仕入れたいと思うんですが…。」
どうやら大きい仕事の話で、長くなりそうである。けれどもすぐに忙しいからまたと帰すわけにもいかないので、出来るだけ早く済ませようとした。けれど、すぐにお客さんが何人か入ってきててんやわんやになってくる。どうやら、下校帰りの買い食いをしにきた北町所学校の先生達だった。そして、それをつけてきたのか、すぐに小学生達が入って来て、
「あ~!先生買い食いしてる!」
「き、君達はうちの生徒の!す、すまない!他の生徒達には内緒にしてくれ!かわりに何かチョコレート買ってあげるから!」
先生達が苦し紛れにそういうと、子供達ははしゃいで喜んで、
「仕方ないなぁ、今日は特別に物で釣られてやるかぁ!」
と言った。そしてまたしてもお客さんが入ってきた。買い物帰りの奥さん達である。あけみは、突然増えたお客さんに驚いて、
「マサシ!ちょっと出てきてよ!お客さんがいっぱいよ!」
「ごめん!今手が離せへんねん!朝からそんな感じで、絶えずお客さんが来てて、チョコ作らな間に合わへんねん!」
すると、面接を受けに来た子が、私手伝います!」
と言って、カウンターに入ってきた。お客さんがいる手前、怒ることも出来ずにいると、レストランの店長が、
「あの…こちらが例のデザートの写真でして、これの上に似合うチョコレートを…。」
そして、お客さんの方は
「それにしてもチョコレートの種類少なくない?噂に聞いていたほどでもないのね。」
等と、好きなことを言っている。
あけみは、まず早く話を切り上げる為に、店長に、
「では、こちらの写真をお預かりいたしまして、私どもの方でいくつかの案を考えさせて戴きますので、連絡先を伺っても宜しいでしょうか?」
と言ってから、レジカウンターにメモとペンを取りに行こうとすると、面接の子が他のお客さんの相手をしている。
「当店のチョコレートは完全な手作りで、狂チョコ病の心配もいりませんし、種類も数多くあります。ですから大変売れていまして、売り切れの物が数多くありますが、今、腕のいいパティシエが出来立てのチョコレートをお作りしておりますので、まもなく商品の方も増えてまいりますので、どうかご了承ください。」
となかなか立派に接客をしている。すると、マサシが、
「出来たで~!」
とチョコレートを持って出てくる。そして忙しい一日を終えて、21時の閉店の時間になったのである。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。
【完結】小さなマリーは僕の物
miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。
彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。
しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。
※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる