元BL 作家だったけど

鈍感な、お前

「シリル！！」強く揺さぶられて、目が覚めた。ライとロイ、顔が、近い。うん、お約束。
「大丈夫か？」...あまり。
　最近、白の魔法を使うと、倒れてしまう。なら、使わなきゃいいんだけど、魔物は、やたらでかくてヤバいのばっかり。わたしこんなん書いたっけ。それに、脳内で、カチカチ音が聞こえてくる。すると、あちこちの設定が、覚えのないものに組み換えられてしまう。わたしの、記憶までも。
　宿のベッドに起き上がり、頭を抱えていると、空間の一部が歪む。
「久しぶり、元気だった？」


　うん、父さんとうとう人じゃなかった！！
「気が付いてると思ってたけど、案外バレないもんだね。」笑うし。
「シリル君がど鈍感なだけじゃ。」ロイ、後で覚えてろ。
「で、君に話しておこうと思ってね。」悪いけど、と二人を、はずさせる。

「君は、森で産まれた、精霊種、って感じなんだよ。僕のあが、僕の想いを、孕んで、作り上げた、力の結晶。君が人間らしくいろいろやっているのは僕が最初望んで、そのあと君が望み続けてくれたからだ。」
わたしの手をとって、ありがとうと言ってくれたけど、内容が、衝撃的で耳の滑っていく。
「でも、そろそろ終わりだ」
　わたしの手には、二つの小瓶がのっている。
「赤い方は、君を人間にする薬だ。君は何一つ変わらずこの世界にあり続けることができる」赤い液体は、毒々しい。
「緑の方は、君が望む時最大限の力を使える薬だ。」なんか、青汁みたいな。
「その代わり」ああ、聞かなくとも、わかる。
「君はこの世界から消滅してしまう。」

　父さん...何てもんよこしてくれてンだよ。フラグ立っちまったじゃん。

「親父さん、帰ったのか？」
「はい、ライさん達によろしくだそうです。」
「俺は、お前が何者でも、気にしない。」
うん、聞いてんじゃない。

　敵は、本当に巨大になった。なに、このドラゴン。一回引いて騎士団やらなんやら、専門家派遣してようやく追い詰め。これ、わたしの魔法で、灰になるとして。
...BL にゴジ○なんか、いらない。