突然新生活

さとう結那

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新しい生活

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1
着替えてから、寝室を出るとリビングがあった。
大きなテレビにソファー、ダイニングテーブルもある。
女性らしい色調の部屋に纏まっている。
ソファーの前のテーブルには、スマホのような端末と書類のような物が置かれている。
ソファーに腰掛けて、まず書類を手に取ってみると、見たことない身分証みたいなものと
履歴書みたいなもの、スマホの説明書があった。
身分証には「佐藤結菜」とある。
添えてある手紙には、これからは佐藤結菜となる書いてある。
履歴書には、佐藤結菜の経歴が記されている。家族構成、学歴、職歴はないみたいだ。
年齢26歳
「26歳?!…俺は42歳何だけど…」
確かにさっきみた女の子は20代に見える。
「ん?…ちょっとまて……2120年?この前…確か…2020年だったよな…まさか……」
手紙をもう一度見ると、地球時間では100年経っていると書いてある。
以前の自分を知っている人はいない。
生活様式も変化しているから注意するように。
むやみに昔の話はしないこと。
「まじか……100年……そうか宇宙とこっちでは時間の進み方が違うって聞いたことあるけど
まさか…ほんとだったとは…」
妙に納得してしまって、スマホみたいな端末を手に取ると自動で画面が開く。
説明書みる気にもならないのでとりあえずいじってみてもよくわからないので
ぽんとテーブルに置いてしばらくぼーとしていた。
「………トイレ…トイレはどこだ…」
トイレに行きたくなって部屋を見渡しながら立ち上がる。
寝室とは違うドアの開けると廊下があってすぐそこに別のドアが2つ。
一つ目を開けるとお風呂らしきとこ、もう一つを開けるとトイレだった。
「ここか…」
便座の前に立っていつも通りと…
「………ぁ…そうか……どうするんだこれ…」ワンピースの裾を捲り上げてショーツを脱ごうとすると
裾が落ちる。しばらく考えて
「そうか…これで…」
裾の中に手を入れてショーツを下ろしてから裾を捲り上げて便座に座る。
おしっこをし終えると、トイレットペーパーで拭かないといけないと思い出して。
「これぐらいで…………」
さらっと拭くと、初めて自分の股間を触ったことに気がついてしまった。
「………………そうか…ここ……………」
指で膣口を触ってみる。指のひんやりとした感触が伝わってくる。
上体をまげて自分の下半身をのぞき込むようにしながら
「ほんとに……女になってる………」
ひとりでいるにも関わらず、何か気恥ずかしい感じになって
そそくさとショーツを履き直してトイレからでて行った。


2
リビングに戻ると、落ち着かない様子でソファーに座る。
「女になってるっことは………やっぱり……」
部屋中キョロキョロして
「あ…あった……」
キャビネットの上にある鏡を見つけると、それをテーブルの上に置く。
誰も見ていないのを確認するかのように周りを一目みてからソファーの上に
足を乗せる。しばらく三角座りしながら挙動不審な感じになっている。
「自分の…だから…いいよね…」自分に言い聞かすように言ってから
ショーツを脱ぐと鏡を少し近づける。
ワンピースの裾を捲り上げると、白い足の間に黒い部分が鏡に写る。
少し躊躇しながらゆっくりと足を広げてみると、鏡に女性器かくっきりと見える。
「………なんかいやらしいな……」
昔見たAVのようにM字開脚してることに顔を少し赤くしてしまった。
「少しくらいなら………まぁ…自分の体だし…」
鏡に写る自分を見ながら、指で膣口を広げてみると中のピンク色がくっきりと見える。
「中までしっかりと……もしかして………エッチ出来るのか…」
膣口を少し指でさすってみながら少し上にあるクリトリスと指で押してみる。
「ぁ………やばっ…………んっ………少し触っただけで……」
クリトリスを触ると体にビリビリと電気が走ったような感覚に捕らわれてしまう。
人差し指でクリトリスをこねくり回すようにしていると、心臓の鼓動がドクンドクンと
耳から聞こえてるかのように激しくなってくる。
「これ…気持ちいいかも………ぁ………んぁ……ハァ…ハァ…んぁ…」
クリトリスを執拗に刺激していると膣口からしっとりとした愛液が染み出してくる。
「女って…こんなに…気持ちいいものなのか…んぁ………あぁ…濡れて……ぁ…んぁ……」
さっきまでクリトリスを刺激させてた指を、膣口にあてがうとゆっくりと中に入れていく。
「ああぁ…」
女性の感じるところは分かっているつもりだ。一応それなりの経験はある。
膣の中で指を動かしながら、ポイントをグイグイとすると全身にビリビリと電気が走る。
「ここ……んぁ………やばっ……やばい……んぁ……こんなの…んぁ……あぁあ…」
妙に体に力が入ってしまう。足先はピンとなって、腰が浮き気味になってしまっている。
指を入れたまま手のひらをクリトリスに押しつけるとグイグイと止まらなくなっていく。
「ああぁ…んぁ……あん……んぁあああ」
体がビクビクすると何ともいえない快感が身体中に伝わる。
「こ…これが…いくってことか……ハァ…ハァ…」
ソファーの上でぐったりとしてしまうと急に恥ずかしくなって、誰も見ていないのに
ワンピースを整えて一人余韻に浸るようにぽつんと座っていた。

3
どのくらい経っただろうか。始めての自慰行為に没頭してしまって女の体の刺激に
恥ずかしくも身を任せてしまったことに戸惑いを覚えていた。
「そういえば…何か食べる物はあるのか…」
キッチンへ行って冷蔵庫と思われる箱型のボックスを開けるとインスタント食品のような
パックばかりが詰め込まれていた。その中から1つ手に取るとそこにはチキンカレーと書かれていた。
キッチンを見渡すと電子レンジがあったのでレンジて温めて久しぶりの食事を取ることにした。
「しかし、何でも揃っているな。それにしても買い物とかどうすればいいんだ?」
カレーを食べながらスマホらしき端末の説明書を読んでいくと、お金はすべてこの端末から支払うこと、
紙幣といわれる物は数十年前に廃止されてすべて電子マネーになっているとこが分かった。
買い物に至ってはすべてネット(今の時代もネットというらしい)を使って所謂通販が殆どだということ。
身分証も財布も買い物もすべてネット、つまりはこの端末で行うものとなっていた。
「なんとなくそんな時代になりつつあったけど、さすがに100年も経てばこんなものか…」
食事も今では料理するのは本物のシェフくらいになっていて、家では殆ど料理する事はないらしい。
空飛ぶ車とかあるかと思ったら、無かった。ただ、車の殆どは自動運転で、個人所有は無くなっていること、
所謂カーシェアリングか普及しているらしい。
それに伴って電車は無くなったらしい。高速鉄道が各都市を結んでいるだけらしい。
ネットの中の情報は今もってむかしも変わらず溢れかえっていた。
ファッションに至ってはあまりに変化がないらしい。未来には奇抜なファッションになるかと思っていたが
そうでもないらしい。いまだに着物もある。
5時間くらい経っただろうか、ネットに没頭していたら外は夜になっていた。
「とりあえず今日は寝るか…」
お風呂に入ろうかと思ったが、昼間の行為を思い出すと裸になるのが恥ずかしくなって
そのまま寝ることにした。
寝室に戻るとパジャマに着替えようとクローゼットを開けてみる。
パジャマになりそうな服が見当たらず、ネットで調べることにした。
「今時はどんなパジャマで寝ているのかな…」
ナイトウェア…。
「これかな…」ネットでみたパジャマというかナイトウェアは、スリップのような
ものくらいだった。
ワンピースを脱ぐとピンク色のロングスリップを着てみるとすべすべした生地、
「これで寝ているのか…」
布団に入って「消灯」と一言言うと部屋の電気が消える。
さっき読んだものに書いてあった。便利な機能。
暗くなった部屋で静かに眠りについていった。






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