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     第十七章

見つかった本を読んでみて

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 次の日、僕はソファーから転げ落ちて目が覚めた。
「もう朝か。ご飯の準備しよう」
あっそうだ。
僕以外にも三人いたんだ。
それじゃあ、三人分作らないと。の前に片付けから始めよう。
こうも、ゴチャゴチャしてたら食器が足りないかも。
とりあえずこんなものかな?
三人分の朝食は作れたし、昨日見つけた本を読んでみよう。
「やっぱり、人を守れるのがいいよね。だったら…これかな?」
僕は定番の少林拳をする事にした。
稽古の仕方や技まで一通り書いてある。これをまず暗記して、三人が帰ったら始めよう。

 一時間後……
「よし、覚えれた!後は紙に書いて、その通りにやれば大丈夫でしょ。やり方が分からなくなったら調べればいいし」
あれ?何か忘れてるような…
朝食!早く起こしてこよう!
「三人共!起きてよ。もう朝だよ!」
起きる気配が無い。そうかいいんだね?
「だったら、僕が作った三人分の朝食、僕が全部食べるからね!五分以内に降りて来たら食べてもいいから」
これなら、起きるかな?美優以外…
そう思っていたら、三人共ほぼ同時に起きた。
そして急いで顔を洗いに行ってリビングに集まった。
「いただきます」
「いただきます!」
なんか、三人共嬉しそうに食べてる。美味しかったのならそれで良かったが。
「片付けはやっとくから好きな事してて良いよ」
「いえ、片付けは私達でやります!朝食作ってもらったのでそのお返しです」
「いやでも、悪いよ」
「いいんです!先輩は大人しくしていてください!」
「じゃあ、お願いします。怪我だけはしないでよ」
「もちろんです!」
朝は早く起きすぎたから、一眠りしようかな?
僕が目を閉じると、時間もかからず、すぐに寝てしまった。
「涼平!涼平!」
美優か?なんだろう?
「よく寝たー」
「ねえ涼平、ここ教えて?」
夏休みの宿題か。まだ終わってなかったのか…
「楓と舞は終わったの?」
「私は終わったけど、舞ちゃんがね」
だから、一旦家に戻り宿題を持ってきて、教えてもらうって言う事ね。
「分かった。美優は何が終わってないの?」
「数学」
「舞は?」
「同じく数学です」
二人共数学って事か。それなら同時に教えた方が早いかな。
「二人共、分からないとこがあったら聞いて。どっちも教えるから」
そういえば、明日から二学期だったな。だから焦ってるのか。
「先輩、この問題はどうしたら?」
「その問題は、ここをこうしたらいいよ」
「ありがとうございます!」
「涼平!ここは?」
「そこは、これをこうしたらいい」
「なるほど!ありがとう」
そして、この質問地獄も夕方の五時頃に終わった。
「疲れたー。涼平、今日も泊まっていい?」
「いや、明日学校だから無理だよ!」
「その辺はご心配なく。制服も、夏休みの宿題も親の了解も得てるんで」

甘過ぎじゃないか?絶対に明日帰ったら父親に怒られるだろう!
でも、ここで返すわけにもいかないし。
「分かった!今日限りだったらいいよ。明日から無しね。家出は可能という事で、オッケー?」
「はーい!」
なんで、こんなに嬉しそうなんだろう?
風呂でも、沸かしとこ。 
また、こうなるのか、三人が風呂に入ってる時に朝の稽古をやろう。技は今は時間がないから簡単のにしておこう。女性の風呂に入ってる時間は長いから、結構できると思うな。

そうこうシテル内に、就寝時間になった。
とりあえず、昨日と同じ手でいこう。
疲れるし、また明日は朝食作らないといけないから。


                      続く……
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