僕の周りはいつも騒がしい!

White・snow

文字の大きさ
29 / 29
     第三十二章

死んだ父からの一通の手紙

しおりを挟む
 僕は今、美優達と一緒に僕と紀伊名がお世話になった孤児院にいる、が僕は紀伊名に呼ばれて可奈さんの部屋にいる。

「どうしたんですか可奈さん!もしかして、熱が酷くなったとかですか?」

「違うよ。どうしてそんなに慌ててるの?話があって紀伊名ちゃんに涼平君を呼びに行かせたんだけど」

そうだ。紀伊名にもし可奈さんになにかあったら、知らせに来てって言ったの僕じゃないか。

可奈さんが紀伊名に僕を呼びに行かせたから、紀伊名は勘違いをして大慌てで来たんだ。
それを僕も勘違いするなんて。

「あのね、さっき渡しそびれたんだけど」

可奈さんに渡されたのは、一通の手紙だった。

「警察の方が、この前届けに来たのよ。お返しするの忘れてましたって言いながら」

「返すのを忘れた?」

「証拠の一つとして持ってたらしいのよ。それを最近気付いて届けに来たって事」

「ありがとうございます。この手紙は、後で一人になってから読みます」

「そう、泣きたくなったらいつでも来ていいからね!」

「泣きませんよ!」

でも、どうかな?泣くかもしれない、この筆跡は父さんのものだ。
内容はなんだろう?
僕は、手紙の封を開けて読み始めた。

『涼平へ。この手紙を読んでいるという事は父さんが死んだからだな。すまない、辛い思いをさせてしまっているな。誤って済む問題じゃない。でも分かってくれ!父さんは決して涼平を捨てたんじゃないという事を』

なんだこの手紙?まだ続きがあるみたいだ。

『涼平には伝えないといけない事がある。涼平、最近身体能力が人間離れしてると思った事はないか?』

えっ、なんで分かったんだろう?

『なんで分かったか言おう。涼平は、本当は人間の子じゃないからなんだ』

僕は、人間の子じゃない?僕は人じゃないって事?
どう言うことだよ!

『言い方が悪かったな。涼平は、狼男と吸血鬼の子供なんだ。でも、満月を見て狼男になるという事はない。身体能力と嗅覚が人離れになる。そして吸血鬼の治癒能力を得る。別に弱点とか無いが、周りからは化物扱いされるだろう。すまない、普通の子に産むことが出来なくて   父より』

なんだよ、それ。
じゃあ、これからどうやって生きていけばいいんだよ。美優達にこの事を言ったら、怖がられるかな?もう一緒にいてくれなくなるのかな?

「可奈さん。少し一緒にいてもいいですか?」

「いいよ。おいで」

この夜、僕は泣いた。
自分が人じゃない事実と美優達が遠くに行ってしまわないか。その二つに絶望の谷に突き落とされた。
明日の朝、美優達に言っておこう。後でバレてどこかに行ってもらうより、先に言って僕の元から離れた方が傷が浅い。そうしよう。

「可奈さん。ありがとうございました」

「涼平君、私は誰がなんと言おうと君の味方だからね?」

「可奈さんは本当に優しいですね。その気持ちで充分です」

この時の僕は、自分が化物という事しか考えていなかった。どうやって暮らすとか仕事とかそっちのけで、僕がこの世界にいてもいい存在なのかを考えていた。

次の日の朝、僕は真実を伝える事を決心した。たとえ、美優達を失っても本当の事を伝えるべきなのだ。
そう、僕の周りに誰もいなくなろうとも。
                      続く……
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

昔好きだったお姉さんが不倫されたので落としに行ったら後輩からも好かれていた

九戸政景
恋愛
高校三年生の柴代大和は、小学校一年生の頃からの付き合いである秋田泰希の姉である夕希に恋心を抱いていたが、夕希の結婚をきっかけに恋心を諦めていた。 そして小学生の頃の夢を見た日、泰希から大和は夕希の離婚を伝えられ、それと同時にある頼みをされる。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

一条さん結婚したんですか⁉︎

あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎ 嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡ ((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜 ⭐︎本編は完結しております⭐︎ ⭐︎番外編更新中⭐︎

SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜

沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」 中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。 それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。  だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。  • 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。  • 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。  • 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。  • オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。  恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。 教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。  「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」  鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。 恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!

処理中です...