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第二章 運命を壊す方法
39 営業スマイル
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口角あげて、にっこり笑う。
「でも、お団子ではなくてクッキーなのです。」
僕の言葉に、トリスティは、わざとらしいため息をつく。
「そういう問題では…。」
僕は極上の笑顔のママ首をかしげる。
「トリスティ様は、お菓子と言ったらお団子という発想が出てくるなんて古風なのですね。お団子も素敵ですね。」
にこにこと笑う僕にトリスティは、こいつは馬鹿かと言わんばかりの呆れた顔を見せる。
僕は、彼の言葉を聞かずに、ノルンの方に顔を向けた。
「トリスティにクッキーをお出ししてもらえる?あと、気分の落ち着く香草のお茶を。とても、緊張しているみたいだね。ご自分の方から僕に会いたいと面会を申し込まれたのを忘れてしまうくらい混乱しているようだから。まずは、落ち着いてもらわないとおもてなしもできないよ。」
ノルンは、はいと頷くと失礼しますと皆に断ってから部屋の隅にある茶器に向かった。
トリスティが、ぎょっとしたように僕を見る。
僕は微笑んだまま、彼の方に顔を向ける。
「僕は末席とは言え、王族です。また、現在は王妃の位を持つ者。その僕に面会を貴方は申し込まれた。」
僕は、すっと笑顔を消して彼を静かに見つめる。
「先ほどの暴言は…一度は許します。ですが…二度目は僕の立場が許さない。貴方は大変優秀だと伺っています。僕の言葉の意味は分かるでしょう?君は、お父上の立場すらわからない程、愚かではないはずだろう。」
僕のできる、一番静かで低い声でそう言ってやる。
トリスティは、ぐっと言葉をのんだ。
ジークハルトとマールが僕を目を丸くして見ている。
「楽しいお茶会になると良いですね。」
僕は、にこりといつもの声に戻して微笑む。
宰相と魔術師長が、息をのんでいるのもわかる。
そうだろうな。
彼らの印象は、僕はのびのびと育っている素直な子供だ。
その僕が、王族と自分の位を盾に、トリスティを黙らせにかかるとは思っていなかっただろう。
皆の共通認識の僕は、気弱な子供。
その僕が、威圧して黙らせた?
それをトリスティが外で言っても誰も信じない。
宰相と魔術師長は、王宮のルールを知っている。
王宮であったことを外で言うことはない。
そう何度も使える手ではないが。
トリスティは屈辱ととったようだ。
顔を赤くして僕をにらんだ。
僕は笑顔でそれを受ける。
「どうかなさいましたか?」
僕は笑顔で彼にすっとぼけてそう言う。
何も知りませんという顔で。
「別に…。」
ノルンが彼の前にお茶を置いた。
彼はそれをゆっくりと飲みながら何か考えているようだ。
僕は、穏やかに微笑みながらそれを見る。
つんつんとつついた彼のプライド。
プライドの高い彼だ…。
何か仕返しを考えるだろうなと思う。
そもそも、どうして彼を僕に宰相は合わせようとしたのか。
最近、エスターのことやリオンのことはまるで耳に入ってこないなと思う。
「そういえば…ラスティ妃は教会への奉仕はしないのですね。」
トリスティの言葉に、僕はええと頷く。
「僕のようなものが教会へ行くのはご迷惑でしょう?」
にこにこと笑いながらいう僕に、トリスティは、そうですかとだけ返した。
そうですね、と言えば暴言ととられ、そうではないと言えば嘘をついたことになる。
嫌味を封じたことになったようだ。
ジークハルトは、ほっとしたように僕を見た。
おそらく、大丈夫だと思ったのだろう。
このまま、何事もなく会談…このお茶会は終わると。
いやいや…そうではないな。
これは…。
僕は、お茶を飲みながら思う。
トリスティは、何かしようと思っている…と。
僕をにらむ目が若干狂気じみてきた。
あの時に見た瞳だ。
彼は、思慮深いときと短慮の時のムラがある。
落ち着いて考えればしないようなことも、頭に血が上ったらやってしまう。
あの時よりも成熟できていない彼はすでに頭に血を登られているようだ。
以前僕に薬を飲ませた時のように。
普通の彼ではなかった。
おそらく、今…彼は同じ状態。
徐々に周りが見えなくなっている。
僕をどうにかして懲らしめたい。
そう思っているはずだ。
考えにとらわれて悪化してく。
自分の考えにとらわれて、ありもしない悪意を感じ、憎しみが強くなっていく。
軽率に失態を犯し…その失態は取り返しがつかないものだった。
そして、彼は正気に戻ってから…激しく後悔することになった。
僕は、ふぅとため息をつく。
これは、覚悟しなければならないかもしれないと。
あの薬はまだ、この世にない。
今、もし毒でも飲まされても…ここにいるメンバーなら対処できるだろう。
できれば、飲まずに彼を正気に戻したい。
彼は、優秀だ。
一度失敗すれば、次は同じことを繰り返さない。
自分の感情の制御を覚えるのではないだろうか。
ここで、彼は一度暴走すれば…今後は暴走しなくなるのでは。
…以前の生の死の原因を一つ防げるかもしれない。
そう…都合よくは行かないだろうが…かけてもいいのかもしれない。
僕は注意深く、彼の行動を眺めることにした。
「でも、お団子ではなくてクッキーなのです。」
僕の言葉に、トリスティは、わざとらしいため息をつく。
「そういう問題では…。」
僕は極上の笑顔のママ首をかしげる。
「トリスティ様は、お菓子と言ったらお団子という発想が出てくるなんて古風なのですね。お団子も素敵ですね。」
にこにこと笑う僕にトリスティは、こいつは馬鹿かと言わんばかりの呆れた顔を見せる。
僕は、彼の言葉を聞かずに、ノルンの方に顔を向けた。
「トリスティにクッキーをお出ししてもらえる?あと、気分の落ち着く香草のお茶を。とても、緊張しているみたいだね。ご自分の方から僕に会いたいと面会を申し込まれたのを忘れてしまうくらい混乱しているようだから。まずは、落ち着いてもらわないとおもてなしもできないよ。」
ノルンは、はいと頷くと失礼しますと皆に断ってから部屋の隅にある茶器に向かった。
トリスティが、ぎょっとしたように僕を見る。
僕は微笑んだまま、彼の方に顔を向ける。
「僕は末席とは言え、王族です。また、現在は王妃の位を持つ者。その僕に面会を貴方は申し込まれた。」
僕は、すっと笑顔を消して彼を静かに見つめる。
「先ほどの暴言は…一度は許します。ですが…二度目は僕の立場が許さない。貴方は大変優秀だと伺っています。僕の言葉の意味は分かるでしょう?君は、お父上の立場すらわからない程、愚かではないはずだろう。」
僕のできる、一番静かで低い声でそう言ってやる。
トリスティは、ぐっと言葉をのんだ。
ジークハルトとマールが僕を目を丸くして見ている。
「楽しいお茶会になると良いですね。」
僕は、にこりといつもの声に戻して微笑む。
宰相と魔術師長が、息をのんでいるのもわかる。
そうだろうな。
彼らの印象は、僕はのびのびと育っている素直な子供だ。
その僕が、王族と自分の位を盾に、トリスティを黙らせにかかるとは思っていなかっただろう。
皆の共通認識の僕は、気弱な子供。
その僕が、威圧して黙らせた?
それをトリスティが外で言っても誰も信じない。
宰相と魔術師長は、王宮のルールを知っている。
王宮であったことを外で言うことはない。
そう何度も使える手ではないが。
トリスティは屈辱ととったようだ。
顔を赤くして僕をにらんだ。
僕は笑顔でそれを受ける。
「どうかなさいましたか?」
僕は笑顔で彼にすっとぼけてそう言う。
何も知りませんという顔で。
「別に…。」
ノルンが彼の前にお茶を置いた。
彼はそれをゆっくりと飲みながら何か考えているようだ。
僕は、穏やかに微笑みながらそれを見る。
つんつんとつついた彼のプライド。
プライドの高い彼だ…。
何か仕返しを考えるだろうなと思う。
そもそも、どうして彼を僕に宰相は合わせようとしたのか。
最近、エスターのことやリオンのことはまるで耳に入ってこないなと思う。
「そういえば…ラスティ妃は教会への奉仕はしないのですね。」
トリスティの言葉に、僕はええと頷く。
「僕のようなものが教会へ行くのはご迷惑でしょう?」
にこにこと笑いながらいう僕に、トリスティは、そうですかとだけ返した。
そうですね、と言えば暴言ととられ、そうではないと言えば嘘をついたことになる。
嫌味を封じたことになったようだ。
ジークハルトは、ほっとしたように僕を見た。
おそらく、大丈夫だと思ったのだろう。
このまま、何事もなく会談…このお茶会は終わると。
いやいや…そうではないな。
これは…。
僕は、お茶を飲みながら思う。
トリスティは、何かしようと思っている…と。
僕をにらむ目が若干狂気じみてきた。
あの時に見た瞳だ。
彼は、思慮深いときと短慮の時のムラがある。
落ち着いて考えればしないようなことも、頭に血が上ったらやってしまう。
あの時よりも成熟できていない彼はすでに頭に血を登られているようだ。
以前僕に薬を飲ませた時のように。
普通の彼ではなかった。
おそらく、今…彼は同じ状態。
徐々に周りが見えなくなっている。
僕をどうにかして懲らしめたい。
そう思っているはずだ。
考えにとらわれて悪化してく。
自分の考えにとらわれて、ありもしない悪意を感じ、憎しみが強くなっていく。
軽率に失態を犯し…その失態は取り返しがつかないものだった。
そして、彼は正気に戻ってから…激しく後悔することになった。
僕は、ふぅとため息をつく。
これは、覚悟しなければならないかもしれないと。
あの薬はまだ、この世にない。
今、もし毒でも飲まされても…ここにいるメンバーなら対処できるだろう。
できれば、飲まずに彼を正気に戻したい。
彼は、優秀だ。
一度失敗すれば、次は同じことを繰り返さない。
自分の感情の制御を覚えるのではないだろうか。
ここで、彼は一度暴走すれば…今後は暴走しなくなるのでは。
…以前の生の死の原因を一つ防げるかもしれない。
そう…都合よくは行かないだろうが…かけてもいいのかもしれない。
僕は注意深く、彼の行動を眺めることにした。
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