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第四章 波乱の学園生活
83 訓練終了
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何度壊したことやら。
陛下がたくさん作ってくれているが、壊しまくってしまった。
「まぁ…難しいよなぁ…」
陛下は、困ったように眉を寄せている。
「神力を扱うのは難しいことだからね。」
少し休憩しなさいと言われて手を止める。
陛下が窓を開けて、多少香っている匂いを外に出している。
「まぁ効果は出てきているから制御は出来ていると思うぞ?」
ジェン公はそう言って微笑んだ。
そうだろうかと僕は眉を寄せる。
どうにもから回っている感じしかしないのだ。
どういえばいいのか…。
細くしているつもりが太い。
太くしているつもりなのに細い…。
そんな真逆の感覚がしていた。
あとどのくらい練習ができるだろうか。
寝ている間に回復する分との計算されて回数が決められている訓練。
流石に僕もかなり焦っているのだ。
「もう練習していいですか?」
陛下は、もう少し休めばいいのにと言ったが、訓練を再開した。
「落ち着けば大丈夫なはずだよ?ラスティ。」
更に何度目かの失敗のあとに陛下にそう声をかけられた。
「落ち着く…落ち着け僕…。」
僕の様子に陛下が苦笑する。
「ラスティ、深呼吸して。」
くすくすと陛下は笑っている。
ジェン公が肩をすくめた。
「息をつめて酸欠になってないか?」
僕は何度か深呼吸する。
なんだか少し落ちついてきた気がする。
「落ち着け、落ち着け」
言い聞かせるように僕は何度もそう言いながら大きく息を吸ったり吐いたりする。
陛下が僕の頭をなでる。
「力入りすぎ。リラックスだよ~。」
陛下の声を聴いていたら落ち着いてきた。
なんとか落ち着いたと思い再度チャレンジ。
「あ…。」
ようやく…そう、ようやくだろう。
手の中の魔石は、はじけ飛ばなかった。
輝きだけ失われていた。
これから、再度魔力を込めればまた使える。
「成功だね。」
陛下とジェン公に頭を撫でられる。
「頑張ったね。」
陛下にそう言われて、顔がにやけてしまうのを自覚した。
しかたないだろう。
嬉しかったのだから。
「さて、まぐれではないというところを見せてもらおうか?」
ジェン公がにこりと笑う。
「はい。」
コツをつかめたのか何個か試したがうまく行った。
落ち着いて壊さずに発動できるようになったのだ。
漸くの成功にほっと息を吐く。
「他の魔石でもためしてみようか。制御が出来るようになったら感覚でその魔石に必要量がわかるようになっているはずだ。」
そのまま数種類の魔石を試す。
今回の目的は、魔石の発動ではなく神力の制御の訓練だからだ。
一種類だけ発動出来ても仕方がない。
きちんと制御できるようになっているかどうか。
少し不安だったが、どの魔石も壊さずに発動ができた。
まぁ…最初の一回目や二回目は失敗したけれども。
ある程度は制御が出来るようになったようだ。
「力が強すぎるのも問題だな。」
まだまだ、工夫しないとなぁとジェン公は言う。
ジェン公のため息交じりの声が少し胸に突き刺さる。
「うう…ごめんなさい。」
前の生ではこんなことが無かったはずなのに。
魔法は得意だったのに。
何でだろうと、情けなくなる。
ジェン公にぐりぐりと頭を撫でられた。
「悪いわけではないだろう?良いことさ。だから、謝らない。」
ジェン公はにっこりと微笑んでそう言ってくれる。
「…ジェン様はどうして僕にそんなに優しいのですか?」
ジェン公だけではない。
他の人も皆僕に優しい。
王妃だからだろうけど、それ以上に優しいと思ってしまう。
「ラスティは、将来、俺の従兄弟の嫁になるのは確定しているだろう?もしかしたら、俺の義理の息子にもなるかもしれない。どっちの嫁にならなくても、遠いとはいえ親戚の子供なのは確かだ。ならば、大切にするのは当たり前のことだ。それに、ラスティは素直に甘えてくれるからな。ジークを筆頭に…俺の子達は、甘えてくれない。つまらないだろう?」
そう言いながら、ジェン公は少し寂し気に微笑む。
「このくらい制御できるようになれば、いいだろう。いいかい?ラスティ、変な感じがしたら出力を弱めるんだ。そうしたら、かなり変な感覚が軽減できると思うからね。変な感覚が、気持ちよくても駄目だからね。君の大事な陛下が大変なことになるからね。」
大変なこと…と僕は思わずつぶやく。
「大変なことになるよ。」
真剣にジェン公に言われて僕は頷く。
何が、どう大変とはジェン公は言わないが…大変なことになるのだろうと思うことにした。
陛下が…とジェン公は言っているが僕がだろうけども。
「うん…大丈夫そうだな。」
ジェン公のお墨付きをもらった。
「よし、終了だ。」
なにとか壊さずに発動できるようになった…ところで本日の訓練は終了だ。
ジェン公に、これからも必要になる技術だから頑張るようにと言われる。
「はい。」
元気よく返事をすると苦笑された。
「本当に、こんなに素直な息子がほしかったなぁ…。」
ジェン公はそんなことを言うが、陛下は肩をすくめた。
「何を言ってるのだか。息子たち溺愛しているくせに。それにそっくりだよ、お前たちの息子は、皆、お前たちによく似ている。」
陛下の言葉に、ジェン公はうるさい!と言って口をとがらせていた。
陛下がたくさん作ってくれているが、壊しまくってしまった。
「まぁ…難しいよなぁ…」
陛下は、困ったように眉を寄せている。
「神力を扱うのは難しいことだからね。」
少し休憩しなさいと言われて手を止める。
陛下が窓を開けて、多少香っている匂いを外に出している。
「まぁ効果は出てきているから制御は出来ていると思うぞ?」
ジェン公はそう言って微笑んだ。
そうだろうかと僕は眉を寄せる。
どうにもから回っている感じしかしないのだ。
どういえばいいのか…。
細くしているつもりが太い。
太くしているつもりなのに細い…。
そんな真逆の感覚がしていた。
あとどのくらい練習ができるだろうか。
寝ている間に回復する分との計算されて回数が決められている訓練。
流石に僕もかなり焦っているのだ。
「もう練習していいですか?」
陛下は、もう少し休めばいいのにと言ったが、訓練を再開した。
「落ち着けば大丈夫なはずだよ?ラスティ。」
更に何度目かの失敗のあとに陛下にそう声をかけられた。
「落ち着く…落ち着け僕…。」
僕の様子に陛下が苦笑する。
「ラスティ、深呼吸して。」
くすくすと陛下は笑っている。
ジェン公が肩をすくめた。
「息をつめて酸欠になってないか?」
僕は何度か深呼吸する。
なんだか少し落ちついてきた気がする。
「落ち着け、落ち着け」
言い聞かせるように僕は何度もそう言いながら大きく息を吸ったり吐いたりする。
陛下が僕の頭をなでる。
「力入りすぎ。リラックスだよ~。」
陛下の声を聴いていたら落ち着いてきた。
なんとか落ち着いたと思い再度チャレンジ。
「あ…。」
ようやく…そう、ようやくだろう。
手の中の魔石は、はじけ飛ばなかった。
輝きだけ失われていた。
これから、再度魔力を込めればまた使える。
「成功だね。」
陛下とジェン公に頭を撫でられる。
「頑張ったね。」
陛下にそう言われて、顔がにやけてしまうのを自覚した。
しかたないだろう。
嬉しかったのだから。
「さて、まぐれではないというところを見せてもらおうか?」
ジェン公がにこりと笑う。
「はい。」
コツをつかめたのか何個か試したがうまく行った。
落ち着いて壊さずに発動できるようになったのだ。
漸くの成功にほっと息を吐く。
「他の魔石でもためしてみようか。制御が出来るようになったら感覚でその魔石に必要量がわかるようになっているはずだ。」
そのまま数種類の魔石を試す。
今回の目的は、魔石の発動ではなく神力の制御の訓練だからだ。
一種類だけ発動出来ても仕方がない。
きちんと制御できるようになっているかどうか。
少し不安だったが、どの魔石も壊さずに発動ができた。
まぁ…最初の一回目や二回目は失敗したけれども。
ある程度は制御が出来るようになったようだ。
「力が強すぎるのも問題だな。」
まだまだ、工夫しないとなぁとジェン公は言う。
ジェン公のため息交じりの声が少し胸に突き刺さる。
「うう…ごめんなさい。」
前の生ではこんなことが無かったはずなのに。
魔法は得意だったのに。
何でだろうと、情けなくなる。
ジェン公にぐりぐりと頭を撫でられた。
「悪いわけではないだろう?良いことさ。だから、謝らない。」
ジェン公はにっこりと微笑んでそう言ってくれる。
「…ジェン様はどうして僕にそんなに優しいのですか?」
ジェン公だけではない。
他の人も皆僕に優しい。
王妃だからだろうけど、それ以上に優しいと思ってしまう。
「ラスティは、将来、俺の従兄弟の嫁になるのは確定しているだろう?もしかしたら、俺の義理の息子にもなるかもしれない。どっちの嫁にならなくても、遠いとはいえ親戚の子供なのは確かだ。ならば、大切にするのは当たり前のことだ。それに、ラスティは素直に甘えてくれるからな。ジークを筆頭に…俺の子達は、甘えてくれない。つまらないだろう?」
そう言いながら、ジェン公は少し寂し気に微笑む。
「このくらい制御できるようになれば、いいだろう。いいかい?ラスティ、変な感じがしたら出力を弱めるんだ。そうしたら、かなり変な感覚が軽減できると思うからね。変な感覚が、気持ちよくても駄目だからね。君の大事な陛下が大変なことになるからね。」
大変なこと…と僕は思わずつぶやく。
「大変なことになるよ。」
真剣にジェン公に言われて僕は頷く。
何が、どう大変とはジェン公は言わないが…大変なことになるのだろうと思うことにした。
陛下が…とジェン公は言っているが僕がだろうけども。
「うん…大丈夫そうだな。」
ジェン公のお墨付きをもらった。
「よし、終了だ。」
なにとか壊さずに発動できるようになった…ところで本日の訓練は終了だ。
ジェン公に、これからも必要になる技術だから頑張るようにと言われる。
「はい。」
元気よく返事をすると苦笑された。
「本当に、こんなに素直な息子がほしかったなぁ…。」
ジェン公はそんなことを言うが、陛下は肩をすくめた。
「何を言ってるのだか。息子たち溺愛しているくせに。それにそっくりだよ、お前たちの息子は、皆、お前たちによく似ている。」
陛下の言葉に、ジェン公はうるさい!と言って口をとがらせていた。
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