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第103話・夜風とのギルドバトル4

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レイナ、ルリ、アシュレイ、リリィ、シルに転移して背後から強襲するようにと指示をしたゼロは3人の剣士達を見ていた。
なんかあの剣士、よく見ると相当に強そうに見えるんだが?こ、これはまずくないか?
転移組が全滅したら圧勝とは・・・いえないよな。
ど、どうしよう!
リリィとシルを見ると、全く動揺しておらず呑気な感じだ。
あの二人は悪魔だし、上位職だから敵にならないと思っている感じか?

・・・

よし!あいつらを信じよう、俺は手を出さないぞ!

向こうの戦いが盛り上がり、観客がレイナ達に釘付けになっているタイミングでアサシン2人が俺の首を狙って接近してくる。
アサシンは素晴らしいタイミングで暗殺しにきたと褒めるしかないな、うまいぞ!
このタイミングで二人がかりで暗殺を仕掛ければ大抵の奴は殺せるだろう。
それも、好都合なのはみんなが見ていないから俺が攻撃をしてもアサシンが倒れているぞと後でなるという事だ。

爆風の杖に風が纏う。
「ディレイスペル解放、ウインドランスfour」

右と左の2方向に展開した爆風の槍はキュン!という音を立て、隠蔽している二人のアサシンを同時に貫く。
二人のアサシンは隠蔽が解けて死体だけが残る。
声をあげさせることなく殺すなんて、俺のほうがアサシンみたいだな。
後は、向こうの戦いが無事に終われば問題ないのだが。


リリィの次元ブラストが終わった後には、夜風ギルドマスターと副マスター2人が倒れていた。
電光掲示板にfortune winという文字がデカデカ出る。

おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
試合内容の濃さと、次元魔法なんて規格外なものを見た会場から大歓声が起こる。

「やりましたのね」

アシュレイがほっとした表情で笑う。

「さすがに怖かったですね・・・」
「Eランク最強と言われているだけあったわ。
ただ・・・」

ルリは狂人化した豪にビビり、レイナも夜風の強さを認めながらもリリィとシルのほうを向く。

「シル!攻撃しろと命令してきただろ!」

「いえ、私はゼロ様の圧勝を目指しただけです」

リリィは、うっとした顔をする。

「ぐ、そういえば私が黙ると思って言っているんだろ!」

「微塵も思っておりません」

シルは淡々と返事する。
そこにリリィは釈然としないものを感じる。

「あの二人が強すぎるわ。
悪魔だからなのか、上位職だからなのか。
どちらにしても私達は早急に強くなる必要があるわね」

「そうですね!とりあえず上位職ですね!」

ルリとレイナはみんなに遅れを取っていることを再認識し、急いで追いつくことを誓う。

「みんなよくがんばった、俺なしでこの戦果を叩き出せたことを誇りに思う。
相手ギルドを圧倒的に倒せたはずだ、ありがとう!」

ゼロはみんなを称える。
fortuneメンバーはお互いを称え合い笑い合う。

「リリィとシルは悪魔だからなのか、めちゃくちゃ強かったな。
相手剣士3人に全く動揺していなかったじゃないか」

「うーん、そこまで強い敵に見えなかったが本音だな」

「そうですね、相手がゼロ様なら私達は本気で戦ってまいます」

「ゼロが相手なら本気で戦わないと無理だな」

うんうんとリリィが頷く。
あの剣士3人はやり手だったと思うが、悪魔2人からみたら雑魚だったというのか。
それよりも、あの剣士と俺との差はそんなにあるか?

「そんなに俺と剣士3人に差があるのか?」

「弱点の問題だな。
夜風ギルドマスターは攻撃力には自信があるんだろうが、スピードが足りないから大技や大魔法1発で決着をつけれると思わないか?」

まあ、確かに俺なら夜風ギルドマスターは確実に倒せると自身を持って言える。

「だろう?ようはそういうことだ。
ゼロは、どんな展開でも覆すために対策を立てている気がするからな。
それが強くなるために必要な事だと思う」

「リリィは私のような補佐がいなければ、力を発揮できませんけどね」

リリィに対してシルが口を挟む。

「シルうるさいぞ」

レイナとルリが自分に必要な事を探しているようだ。
みんなが色々と考えて行動することは良い事だと頷いていると、時間のようだ。

冒険者協会へ転移して戻ってくる。
そして、一気にファンが詰め寄る。
レイナ、ルリ、リリィ、シルに。
いつの間にかアイドルが4人に!
そろそろ、マネージャーが必要かもしれませんなーとニヤニヤして眺めているとアシュレイから声を掛けられる。

「今回はあのギルドマスターをジャッジメントで倒せそうだったのに、シルに持っていかれましたわ!」

「そ、そうだな。確かにあのギルドマスターはジャッジメントで倒せそうだったな・・・」

「私の活躍の場がありませんわー!」

アシュレイは真剣に嘆いている。
だが、アシュレイの力が必要なのは大魔法対策という一番重要なポジションだと思っているから全く問題ないと思っている。

「アシュレイ様の力が必要な時が絶対にきます。
その時まで待っていてください」

「うう、分かりましたわ。
その代わり、活躍できなくても私も褒めていただきたいですわ」

アシュレイは顔を赤くして呟く。
アシュレイ様も、本当に可愛いんだよな。

「アシュレイ様、今回のギルドバトルもお疲れ様でした」

アシュレイ様の頭を撫でる。
アシュレイは恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうに頭を撫でられていた。
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