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第107話・猿マンションでの出来事2

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「そりゃあ、そ、そうだよな!シル、変な事を言うんじゃない!」

「申し訳ございません」

リリィに叱られて、シルは素直に引き下がるが感情が表にでてないために反省しているかどうかは微妙なところだ。

「わたくしも複数が初めてはハードルが高いですが、部屋に呼ばれるような形式であればお受けしたいと思っております」

ルリが粛々と言い放つ。
いやいやルリさんや、そこはそういう事を言う場面ではございませんよ。
それに部屋が増えたからといって、そういうことをしていこうなんて全く考えておりません。
え?み、みんな考えてないよね?
みんなはなんで顔を真っ赤にして俯いてるの?
そういう感じだと思ってたの?俺が部屋数の多い家に住みたいと言ってる事は、そういうことをするためとか思われてるってこと?
違いますけどー!

とりあえず全員の誤解を解く。
このままではfortuneが俺のハーレムになってしまう、今の状況がどうみてもそうなっているだろうという突っ込みは置いとくとしても、俺は男性メンバーも入れるつもりだよ!

「この家で寝る場所を決めておこう、2部屋あるからそこで女性陣は寝て、俺はリビングで寝るというのはどうだろうか?」

「ゼロさんが、リビングというのはおかしくないですか?」

「ええ、ゼロは2部屋の人数が少ないほうに寝たほうが疲れもとれると思いますわ」

さっき色々あったのに、まだ俺を女性と同じ寝室に入れたがるのか。
それが困ると説明したばかりだと思うのだが・・・
そうこうしていると、リリィが名案を思い付いた!という感じで発言する。

「議題はマスターがリビングで寝るのはおかしいということだろう?
なら簡単だ、3人のようにゼロを慕っている人以外と一緒に寝れば危惧するようなことは起きないはずだ。私、シル、ゼロで1部屋に寝ることとしよう」

「リリィさん、もしゼロさんが襲ってきたら拒める自身があるんですか?」

リリィはルリに思わぬ追及され戸惑う。

「そ、そんなことし、しないよな?ゼロ?」

ルリに追及され、リリィはゼロに助けを求めているとシルから援護が入る。

「私は一緒にでもかまいませんが」

それはフォローになってない!という感じで、リリィがシルを睨む。
シルはどこ吹く風だ。
はぁ、俺がまとめよう。

「みんな聞いてくれ、やっぱり男性と女性が一緒の部屋で寝るのは不安だろうしリビングで寝ようと思う。リビングは結構広いから、隅のほうで寝ればみんなの邪魔にもならないと思う」

みんなはマスターが遠慮しているのが気に入らない、という感じだったが渋々了承してもらった。
ふー、一波乱起こってしまった。
こうなってくるともっと大きい家が必要だな、俺はリビングで寝てもいいけど、
男性メンバーを入れたときにリビングで寝させるのはかわいそうだしな。
がんばろう。
日没までに時間があるので、シルが食材を買いに行くと言う。
シルはなんでも家訓で家事を徹底的に仕込まれているのでお任せくださいとのことだ。
シルが指を鳴らすと一瞬でメイド服に変わる。

おお、とうとうメイドさんが俺のギルドに!
いや~こういう世界では醍醐味だよな、それも槍を使うクールビューティーなメイドさんって色々完璧な設定すぎるだろ。
嬉っしい~!
と一波乱終わって油断した状態でニコニコと浮かれてしまった。
途端に真っ暗な闇が襲ってくる。

「ゼロさん、今度はシルさんですか?」

ルリの手には弓が握られている。

「い、いやルリ、俺は誰にも手をだしてないからね」

「メイド姿のシルさんに思うところがなかったと?」

いや、そりゃあすごく・・・いいな。

「有罪です、ショット」

「グッハ!」

ゼロはルリのヘッドショットに撃ち抜かれて倒れた。
目が覚めると、きちんと部屋で寝かされておりリビングからfortuneメンバー達の楽しそうな声が聞こえてくる。
ゼロは起きて部屋を出ると、テーブルにはおいしそうな料理が並んでいた。
まさかのビーフシチューにパンまでついているぞ。
俺とルリではそこまでの料理が作れず、簡単な食事をみんなで食べていたわけだが、これからはこんな豪華な食事が食べられるようになるのかと感動する。

「やっと起きてたきたのね、夜ご飯よ」

「ゼロさんは新しい女性ではなく、前から慕っている女性に目を向けるべきだと思います」

レイナにはご飯よ、と言われるがルリからは説教をされる。
ルリ、俺はルリのことも大切に思っているし大好きだから、もっと信用してくれてもいいんじゃないかな?メイド姿のシルのことはいいと思ったけども、なにかしようとかは思ってないから!
とは言えません。

「はぃ、すみませんでした」

反省したようにルリへ謝罪する。

「ではシルが美味しい料理を作ってくださいましたし、ワインもありますのでDランク昇格のお祝いをするのがいいと思いますわ」

アシュレイの言うとおり、気を取り直して夕飯にしよう!
ワインも全員分準備ができた。

「みんなのおかげで、夜風を圧倒的に倒してDランクへ昇格できた。
本当に感謝している、ありがとう!
そして今日、金髪の女の子からCランクに早く上がってこいと挑発を受けた」

ルリがまた別の女?と言った顔をする。
論点が違う!

「俺はCランクなんかで止まるつもりはない!
最強のギルドはforutneと呼ばれるように、みんなも協力してくれ!
これからもよろしく頼む、乾杯!」
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