灰色の人生は異世界(MMORPG仕様)への転移で、虹色の人生に

ぎたー

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第143話・町長の家にて2

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ゼロとリリィが一緒に入ったベッドは、シングルより少し大きめのベッド。
二人共、お互いの体温が分かることを意識し合う。
fortuneメンバーと一緒の布団に入ったことはあるが、密室に二人しかいない部屋ってのは困る!

「ゼロ」

「どうした?」

俺はリリィに恰好をつけるために、全く意識してないよ的な雰囲気で返事をする。ナイスバディの美女であるリリィに恰好悪いと思われるのは許されない。

「ゼロのおかげで、悪魔の国は新たなる一歩を踏み出せたと思う。本当に感謝している、ありがとう」

「気にしなくていい。俺もリリィには色々助けてもらっているし、これからもfortuneメンバーとして助けてもらうつもりだから」

次元魔法の使い手であるリリィ。
この世界の次元魔法の使い手は希少らしいから、こんな最高のメンバーを手放すことは絶対にしたくない。
俺がリリィを助けることは善意ではなく、fortuneに利があるからするのだ。

「ああ、必ずfortuneメンバーとして活躍してみせよう。それで、だ・・・全てが終わったら私を差し出すという話はしていたと思うが、返しきれない恩になるだろう、だから、な」

リリィは潤んだ目で見てくる。リリィさんや、その目を卑怯ではないですか?俺も男なので色々と期待しちゃいますよ?
待て待て、安易な気持ちでそういう事をしてはいけないんだぞ。男女関係をギルドに持ち込んだ場合、様々なパターンを見てきた。結婚するとかなら祝福で終わるだろうけど、関係を持つだけとかギルド内の不和に繋がるのだ。ゼロは頭の中で自制の言葉を唱えていると、リリィから手を握られる。

・・・

咄嗟のリリィの行動に頭真っ白に。
ど、どうしましょ!
お礼と言っているんだから、そういうのもありなのか?なしなのか?今更寝た振りもできん!
ゼロはパニック状態になりながら、ものすごく考える。

ツンツン。

背中を突かれたような気がした。この大変な事態になんだよ?と後ろを振り返ると、ベッドの下から手が飛び出ている。その手にはエチケット的なものが。
どうもご丁寧にと受け取ると、その手はベッドの下へ消えていく。

リリィは、どうした?と俺のほうに近寄ってくる。
俺は無言でベッドから立ち上がり、ベッドの下を覗くとシルがいる。シルの腕を掴んで引っ張り出す。

「シ、シル!なんでそんなとこに!」

リリィが顔を真っ赤にして問い詰めている。

「いえ、事が事なだけに準備が必要かと」

リリィがシルに怒る。
俺はシルにシルの部屋を案内してくれと言って部屋へ行くと、俺とリリィがいたより大きい部屋でベッドも二つある。どうなっとんねん。
リリィとシルとに、この部屋で一緒に寝る事!ギルドマスター命令!と言って部屋を出る。

はぁ、色々疲れた。ギルドメンバーが女性だけになっていることで、変な気持ちになってしまうのだろう。早く男性メンバーを入れねばと思いながら、一人ベッドで眠る。


----37日目裏世界----
チュンチュン。

朝か~、って!あ、昨日は悪魔の町長宅で寝てたのか。
とりあえず部屋を出て、この家中の部屋をくまなくチェックするが誰もいない。やはり裏世界だからか。
保管箱はこの部屋にも置いてあるので確認すると、きちんと俺が保管しているアイテムが入っている。保管箱が万能なのは国を跨いでも変わりなしと。

町長の家を出て、途方に暮れる。
ダンジョンの場所が分からん!この悪魔の国の土地勘なんて全く分からん状況だ、どうするか~。
もう開き直って冒険するしかないな、暇だし。夜まで裏世界にいなきゃいけないし。

どっちにいこうかな~と思いながら歩いていると、強大な力を感じる。辺りを見回すと、全身に鎧を着こんだ剣士的なものが空から降ってくる。エネミーサーチに引っかかってないという事は敵ではないのかと。

「お前が、当代の使徒だな」

「当代?使徒?」

「ふむ。使徒ではあるが、なにもしらないか」

当代?ってそんな時代的なやつあんの?使徒でもないから。
全身鎧からは依然として強大な力を感じる、こいつ誰だ?恐る恐る名前を聞いてみる。

「あなたは誰でしょうか?」

「あー、伏せておくとしよう」

「そ、そうですか。では、何をしに来たのですか?」

「うむ・・・」

全身鎧固まったぞ、どういうこと?なにしにきたん?

「そうだな、お前を鍛えにきた」

「いや、知らない人が鍛えに来たって怖いんですけど」

主に、龍共に鍛えられてトラウマ級なんですが。

「暇だろ?」

「暇ですが・・・」

「じゃあ鍛えてやる」

「はい・・・」

この全身鎧は、相当強い。俺が全力で襲い掛かっても負ける、それだけは分かるのだ。
逆らうことはありえないと思えるほど強大なので従います。

「接近戦はできるか?この体だと剣で戦うのが一番やりやすいのだが」

「はい。魔力増幅、ヘイスト、爆風の剣」

黒い爆風の剣を手で握る。

「では、今から私と戦ってもらう。
殺すつもりはないが、殺してしまうかもしれないから全力をだせ」

龍もそんなこと言ってたような・・・
この世界の強者はそれ言うの好きだなーと思いながら、爆風の剣を構える。
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