ざまぁされる廃嫡王子がいい男なのだが?

あさいゆめ

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   ギルバート視点

 マーカスは舞うように闘うのだな。
 というか、遊んでいるようにしか見えない。
 装備と服を剥ぎ取るように切りつけ、皮膚だけをうっすらと切りつける。
 あっという間に血だらけの半裸ではないか。
 膝裏を蹴り、ひざまづかせ、首に剣を突きつけた。
「まだやる?」
「くっ、こんな辱しめを与えて楽しいか?
 最低だな!」
「たのしいよ?」
 残り少ない衣服のパンツを切り裂いた。
「あっ、やっ。」
 股間を隠す勇者。
 マーカスは更に浅く切りつけ致命傷は与えずにいたぶる。
「やめろ、殺すならさっさと殺せ!」
「あははっ、殺さないよ、泣いて謝れ。」
 こいつ、思ったより外道だな。
「マーカス、見てるほうが痛いからもういいよ。」
 ジュリアスが止めた。
 玉座から立ち上がり、勇者に歩み寄るとマントを脱いで掛けてやって、治癒魔法も施したようだ。
「敵わないのはわかっただろう?
 さあ、パーティーをはじめよう。」
 背中を向けた時だ、勇者は剣を取りジュリアスに斬りかかろうとした。
 が、その瞬間。
 勇者の両手が凍った。
 下半身も凍り、床に張り付けられた。
 レナードが魔法を放ったようだ。
 ジュリアスはしゃがみこみ、勇者の一点を見つめ、
「うわー…ちんちんもカチカチ。」
「ちっさ!」
 マーカス…。
「もう諦めなよ?
 そこの神官と聖女はもういいよね?」
 神官と聖女は頷いた。
 あのような辱しめは受けたくないだろうからな。
 三人にはアトレイと同じく隷属の首輪が付けられた。
 ジュリアスは、
「魔界を出るまではこれ着けていてね。
 じゃないと魔族に襲われるから。」
 と説明したが、勇者はまだ悪態をついていた。
「黙れ。」
 ぴたっと口を閉じた。
「あんまり命令させないでよ。
 気分のいいもんじゃないんだから。
 ディルク、連れて行って服を着せてあげて。」
 魔族の執事に連れていかせた。
「さあ、皆。
 歓迎パーティーをはじめよう。」
 軽快な音楽が流れだし、空間収納で隠してあったのか、あっという間に食事や飲み物が並べられた。
 パーティーが終われば勇者達はダンジョンの入り口に転送されるそうだ。
 ちなみに討伐隊の兵士達は骸骨達に何がなんだかわからないうちに運ばれて同じくダンジョンの入り口に放り出されたそうだ。
「ギルとフローレンスはこの後どうするの?
 しばらく魔界にいてくれるんでしょ?」
 可愛く覗きこむジュリアス。
「私はずっとここに残る。
 フローレンスもそのつもりだ。」
「本当?嬉しい!」
「私に将軍の地位を与えろ。
 きっと役にたってみせる。」
「いいよ。
 人手不足だから助かる。」
 フローレンスは、
「参謀はいりませんか?
 人より長く生きてきた分は知識はありますよ。」
「ありがとう!二人ともなんかいかにもってポジションだよね。」
 その後私はダンジョンで出会ったリッチを配下にし、ダンジョンの質の向上につとめる事になる。
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