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 はぁぁぁーーっ。
 なんもする気になれない。
 あたしは何の為に生きているんだろう。
 やっぱ運命って勝手に変えちゃったらダメなんじゃない?
 だからバチが当たったんじゃない?
 あたしなんか本当は修道院にでもこもって祈るだけ祈っとけって事じゃない?
 神様が嘲笑っている気がする。
 泣くだけ泣いたらエディに対する愛着は急激に冷めた。
 あれはもうあたしの愛したエディじゃない。
 そもそもあたしはエディのどこが好きだったんだろう。
 バカだし、ちょろいし、もしかしなくても顔しかいいとこ無いじゃない。
 …あたし、愛されたかったんだ。
 唯一の肉親だった母様が死んで、引きとられた子爵家では疎まれて神殿に売られた。
 孤独だったあたしを愛してくれたエディが好きだったんだ。
 あたしを愛してくれないならエディなんかもういいや。
 明日からは学園に行こう。
 もうすぐ試験もあるし。
 そんな事を考えていたら部屋をノックする人が、サミュエル兄様だ。
「アーサーとバネッサが来ているのだが、会いたくないよね?」
「うん。」
 バネッサ達だから会いたくないわけじゃなくて誰とも会いたくないだけだけど。
「わかった、そう伝えるね。」
「あっ。」
「どうした?」
 会いたくないからってずっとこのままじゃいけない。
 バネッサは何も悪くないし、エドウィン殿下にはやっぱり幸せになってほしい。
「やっぱり会うわ。」
 アーサー様もバネッサもずいぶん憔悴しているみたいだ。
「サラ、本当にごめんなさい!」
 バネッサが頭を下げる。
「私ったらサラの気持ちも知らないで浮かれて自分の事ばっかりで。」
「だからエドウィン殿下とは会わないの?」
「だって…会えないわ。」
「そのせいで私はエドウィン殿下に責められたんだけど?」
「それは本当にこのバカがっ!」
 アーサー様を指差し、
「このバカが誤解を招くような事を言ったからで、本当にごめんなさい!」
 大きなアーサー様は小さくなって、
「本当に申し訳なかった。あの後、殿下にはきちんと話をして誤解はといたから許してもらえないだろうか?
 それにエドウィン殿下も反省している。
 私の事は許さなくても、せめて殿下の事は許してもらいたい。」
 別に怒っているわけじゃない。
「もういいです。
 バネッサもエドウィン殿下に会ってあげて下さい。私はもう殿下の事はなんとも思ってないので。」
「そんな訳にはいかないわ、私はサラになんのお返しも出来ていないのに、その上サラを苦しめてしまったわ。」
「ねえ、バネッサ。
 私はバネッサが幸せになれるように目を治したのよ。
 浮かれてたっていいじゃない。そんなの当たり前じゃない。
 あたしだって好きな人が自分を好きだって言ってくれたら踊り出すくらい浮かれるわよ。
 幸せになればいいのよ。」
「サラ…ありがとう。」
 これでいい。
 最初からそんな計画だったじゃない。
 あたしはエドウィン殿下が相応しい人と結ばれて幸せになる事を願うの。
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