戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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 目覚めてから一週間たった。
 この世界でも一日は24時間、12ヵ月、一年は365日だ。
 体はまだ動かせずほとんど寝たきり。
 傷はふさがっているけど、毒がまだ残っているらしい。
 ちなみにこの世界には魔法がある。
 治療は異世界おなじみの治癒魔法やポーションが使われる。
 しかし、魔法っていってもよくある異世界物語のような便利なもんじゃなかった。
 使用者の体力と精神力をめっちゃ使うそうだ。
 例えば石を持ち上げる魔法ならば実際に持ち上げると同じくらい体力がいるんだと。
 治癒魔法も同じ。
 相手を治した分、疲れる。
 なのでもっぱらポーションが使われる。
 ポーションは薬草を魔術師が加工して作る。
 けどあんまりきかない。いや、効いているんだろうけど、ゲームみたいに飲んだら即全快みたいのは無いのよね。
 テリオス君はずっと看病してくれている。
 この屋敷にはメイドや執事もちゃんといるのから、いくら部下だったからといってプライベートでの世話まではしなくていいと言ったけど休んでくれない。
 汗をかいた体も拭いてくれる。
 恥ずかしいけれど、メイドさんに裸を見られるのも恥ずかしい。
 聖女はずっと看病してたみたいに言ってたけど、一日一回「祝福」しにきていただけらしい。
 今日も今日の分の「祝福」をして先ほど帰った。
 入れ替わりに皇太子がお見舞いにいらしたので、体を起こして軽く服を整えてくれた。
 皇太子マティアス・アルジオン・レティオ・ガルディバノン。
 確か彼も聖女に想いを寄せていたはず。
 皇族の象徴である輝く金髪に碧眼、まさに王子様って感じの彼が部屋に入ってきた。
 えっと、高貴な人にはなんて言って挨拶したらいいのかな?
「アレクシオン!ああ…良かった。」
 え?何?
 部屋へ入ってくるなりベッドに駆け寄りいきなり抱きしめられた。
「ああ…もう、会えなくなるのではないかと、どれだけ心配したか。」
 恋人?恋人なの?
 今にもキスされそうないきおいなんですけど?
「あ…あの、ちょっとすみません。」
「すまない、記憶が無いそうだな。私のことも覚えていないのか?」
 頬に手を添えて切ない目でじっと覗き込む。
「申し訳ございません。」
「良いのだ、生きていてくれただけでも。やっとお前を辛い戦から解放してやれるというのに、こんな事になるなんて…。だが、心配するな。お前の事は一生私が責任をもとう。」
 …プロポーズかな?
 
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