戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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 ロビーに降りると何やら騒がしい。
「ああっ、アレクシオン様!いつまでたっても迎えに来て下さらないから、わたくし何かあったのではないかと心配になり来てしまいましたわ!」
 聖女だよ。
 隣にいるのが誰だか気づくと、
「はっ!マティアス殿下ではございませんの?どうしてここに?…まさか、わたくしを迎えに?そんな…困りますわ。」
 おいおい!私を迎えに来たのにもびっくりしたけど、あんたはないわ。勝手に人ん家押し掛けておいて。
「…悲しい事ですが、マティアス殿下とはもう終わったのですわ。」
 いや、始まってもいなかっただろうよ?
「でも…でも…そんなにわたくしを想って下さっていたなんて…。それなら、わたくしは…。」
「はい!はい!はい!はい!!一人芝居はもう結構よ!後は任せてお兄様達は行って下さい。」
 パンパンと手を叩きながらサンディさん登場。
「まあ…アレクサンドリア様。またわたくしの邪魔をするのね。ご自分のお相手がいないからといって…ひどい。」
「おあいにく様。わたくしこちらのコリンズ子爵令息とご一緒しますの。あっ、お兄様。マティアス殿下の馬車で行くなら公爵家の馬車お借りしますわね。」
 サンディの隣にいるのは領地経営を任せているコリンズ子爵家の長男だ。なかなか優秀で裕福な我が家の資産を更に増幅させてくれている魔法使いのような存在らしい。
「…お気の毒に…またそのような下位貴族しかお相手にされませんの?しかたないですわね、アレクサンドリア様は悪女ですもの…。」
 何んて失礼な。
 私が一言いってやろうかと思ったけど、
「そうですわ。わたくし、そこにいる国や民の為に働き慈しむ奴には興味ございませんの。わたくしの為だけに稼いでわたくしだけ愛してくれる殿方じゃないと納得いきませんもの。」
 サンディさん…皇太子に向かってなんて言いぐさ。
 サンディさんと言い争っているうちに行こう。
 さっさとマティアス殿下の馬車に乗り城へ向かった。エスコートはお断りしようと思っていたのに、なんかばたばたしちゃって断りそこねた。
 城に着くとマティアス殿下が先に降り、手を差し出す。実は足もまだ感覚が無く早く歩いたりするとバランスを崩し転ぶから、手を貸してくれるのはありがたい。
 だが周囲の視線とため息が…。
 これ絶対みんな腐った目で見てるよね。
 結局会場まで手を引かれて歩いた。いたたまれない。
 
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