戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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 お風呂での出来事などなかったかのように普通に接してくれるテリオス君。
 戦場では男同士でそういう事はよくある事だから気にしないの?
 テリオス君のことだから本当に親切心からなのだろう。うん。
 皇太子からお城のパーティーの招待状が届いた。
 元気な姿を皆に見せて欲しいんだって。
 聖女も来るらしい。
 あれからも時々警備を掻い潜って邸に侵入し、遠回しにパートナーを強要してくる。
 パーティーには招待状があれば、男女問わず参加できるが、女性はエスコート無しでは体裁が悪いらしい。
「長い間社交界を離れておりましたから頼れる殿方がおりませんの…(察して)。」
「わたくしの身分では下位貴族からは声をかけにくいのですわ…(察して!)。」
「やはりわたくしごとき元平民など…(察してっ!)」
 テリオス君が見つけ次第対処してくれるけどしつこい。
 元の体型からだいぶ痩せたみたいでパーティー用の衣装を急いで用意し、当日やっと出来上がった。
 実はまだ指先が痺れてボタンが上手く止めれない。仕方なく身支度はテリオス君に任せる。
「ねえ、こんなにたくさん着けるもんなの?」
 貴族のパーティーなんかわからないけど、男もこんなに着飾るもの?黒と濃いグレーを基調にした豪華な衣装にダイアのブローチや指輪にイヤーカフまで。
「シオン様はこのパーティーの主役みたいなものなんです。公爵なのですからみすぼらしい格好では行けませんから。」
 そうか。でも結構重い。ちゃんと歩けるかなぁ。この身体、まだ疲れやすいんだよね。
 テリオス君は白と淡いブルーにゴールドのアクセサリー。従者として付いてきてくれるけど侯爵令息だからきちんと着飾る。私の衣装も選んでくれたけどセンスがいい。いや、素材がいいから何着ても似合うのか。
「ご主人様、皇太子殿下がおみえです。」
 なんで?今からお城に行くのに。
 執事のすぐ後に付いて部屋に来た。
「迎えに来た。一緒に…ほう。」
 言葉を詰まらせ私を見つめる。
「なんですか?どこかおかしいですか?」
「いや…美しいな。」
 いや、美しいのはあなたですから。
 腰に手を回して私より拳一つほど低い目線から顔を覗き見る。相変わらずの距離感。ちょっとドキドキするのでやめてほしい。
 澄んだ空のような瞳に輝くブロンド。
 こんなに金色をいっぱい使った衣装を着ても嫌みにならないってやっぱ皇子様だわぁ。
「以前は装飾品なと好んで着けなかったではないか。どうしたのだ?あ、いや…すまない。忘れたのだな。」
 騙された。
 じろりとテリオス君を見るとふふふっと笑われた。
「今日は私にエスコートさせてくれ。」
 ん?
 男でもエスコートされるの?
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