戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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    大神官エグディエル視点
 
 忌々しいガルディバノンの戦鬼め。
 まあ、我々の為に戦い勝利をもたらしてくれた事は感謝するが。
 だからこそ生かしてやろうと聖女を狙ったはずが、あのバカめ!聖女を庇うなどと、余計な事を。
 毒で死ぬかと思えば生き返り、2度目の襲撃でも生き残るとは。
 幸い記憶を無くしているらしいが、いつ思い出すか…。聖女に付けた間者に探らせていたのに、それも厳しくなった。
 ジグリアの鉱山を神殿所有の資金源とし、帝国をしのぐ力を持てば、私が教皇となり神殿中心の国家を築く事ができるはずなのに。
 どうすれば…。
「大神官様、近ごろ思わしくない動きがございます。」
 これ以上まだ面倒な事が?
「信者の寄付が減っております。」
「ふん、戦の後だ。そういうこともあるであろう。」
「ですが…参拝そのものが減っているようです。」
 ろくに寄付もよこさぬ貧乏人は図々しくも参拝だけには来るものだったが。
「あの…言いにくいのですが、他の神を信仰するのが流行っているそうです。」
 なんだと?
「それは、気に入りませんね。光の神の奇跡を信じない者がいるとは。
 近いうちに祭事を催さねばなりませんね。皆、奇跡を見ればまたアルテミアを敬うようになるでしょう。」
 ふん、民など単純なものだ。目の前で奇跡を見ればすぐに洗脳される。
「大神官様、大変です!皇帝が戦争の責任をとり、退位なさるそうです。」
 ほう、目障りな奴がいなくなるとは。
「民を煽動させたとして神殿にも責任を求めると!」
 なんだと?
 くそ!私を退任させる気か?できる訳がない。この地位と財産すべて手放すことなど。
 ではどうする?
 賠償金を支払うか?
 いいや、まずジグリアの処遇をはっきりさせねば。非はすべてジグリアにあるとし、奴等を奴隷とすれば金はまた入ってくる。逆にこちらに非があるとなるとジグリアに支払わねばならなくなる。それだけは、阻止しなければ。
「皇帝に使いを!すぐに議会の召集を!」
「大神官様ぁ!」
 今度はなんだ、ああ…聖女か。
 バタバタと騒がしい。
 そろそろ若くて素直で使い勝手のよい娘と差し替えたいのだが…。
「これはこれは聖女様。どうなさいましたかな?」
「今日もまたアレクシオン様にお会い出来ませんでしたの。相変わらずわたくしの事は思い出して下さいませんし。
 このままでは婚約はなかったことにされてしまいますわ。」
 そもそも婚約などしておらぬであろう。
 この女は他人に暗示をかけるだけではなく、自分でもかかってしまうようだ。
 まったく面倒な。
「アレクシオン様はもう諦めてはいかがですかな?聖女様には尽くしてくれる聖騎士が沢山いるではございませんか。」


   
     聖女セレスティーナ視点

 そう、わたくしには聖騎士達がおりますわ。
 皆美しく礼儀正しくわたくしの命令は絶対。
 でも…物足りないんですの。
 優しいキスも愛撫も、全部わたくしの命令通り。
 わたくしはわたくしの想像を越えたセックスを求めておりますのに。
 もっと激しくわたくしを求め強く抱きしめられたい。むさぼるように全身を舐め、吸い付き、歯を立てて傷つくほどの愛撫が欲しいの。
 そしてきっとあの方なら太く逞しいアレをお持ちのはずだわ。
 いきり立つソレをわたくしに突き刺して激しく、そう獣のように突き上げるのよ。
 そう、先ほどからわたくしの上で喘いでいるこの方では物足りないの。
「ああっ、もっと激しく突いて!」
「ハアッ…ハアッ…ハアッ…もう、お許し下さい。」
 情けない方ね。しかたがありませんわね、聖騎士達はあの方のように鍛えてはおりませんものね。
 

   聖騎士達の呟き

「先輩、聖女って皆こんなんっすか?」
「これは特別。」
「ああ、普通はお気に入りを一人選んで側に置く程度さ。それも、恋愛ごっこをするようにな。俺達は聖女が寂しくならないようにちやほや優しくしてやらなくてはならないが、こんな貪欲な絶倫は初めてだ。」
「これ、聖女聞いてないっすか?」
「聞いちゃいないさ、こいつはいつも自分に都合のいい事しか聞こえていないさ。」
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