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マティアス殿下に借りた服はちょっと丈が足りない。
シチュエーション的には彼シャツなのだが…。
執務室に朝食を用意してもらい食べた。コーヒーも殿下が入れてくれた。
「まだ少し赤いな。」
泣いた目の事だ。
「もう少しここにいるか?」
「帰ります。テリオス君にも謝らなくちゃいけないし。」
「そう言えば珍しく一人だったな、喧嘩でもしたのか?」
「そういうんじゃないけど。」
喧嘩じゃないけどちょっとイライラして冷たくした。いっぱいお世話になってるのに。
「テリオス卿をいつまで側においておくのだ?騎士団に戻すなら早めのほうがよいのではないか?実績も家柄も申し分無い、卿さえその気があるのならば近衛に推挙するのだが。」
そうだ、近衛隊に入りたいって言ってた。テリオス君なら近衛隊の制服似合うだろうな。
「ありがとうございます。喜ぶと思います。」
帰る事にしたけど…何かな?お城の皆さん見てはいけない物を見ているように目を臥せて。
普通に考えたら幼なじみの友達の家にお泊まりしただけだよ?
またしても皇室の馬車で送ってもらった。
…家に入りにくい。
あれだな、無断外泊してママが怒ってるのわかってる。あの感じ。
使用人達にはシーっと人差し指を口に当ててこっそり部屋に入ったが、
「お帰りなさいませ、シオン様。」
うん、いるよね。テリオス君。
「ただいま。あの…ごめんね。その…私、態度悪かったよね。」
「とんでもございません。お召し変えを。」
怒ってる。すっごく怒ってる。いつもならいいって言っても着替え手伝うのに置いて部屋から出て行った。
この際距離を置いたほうがお互いの為かも。
私はどう頑張っても近衛隊も騎士団も無理。
今は無理ってんじゃなくてずっと無理。人を切るとか殺すとかの「戦鬼」なんて絶対無理!
テリオス君が近衛隊に所属するのならもう接点は無くなる。上官でも部下でもない。
夕食にも姿を見せなかったのでウォルシュに探してもらった。
根拠は無いけど何があっても側にいると思ってたからちょっとさみしい。
ばつが悪そうに部屋に入ってきたけど、何から話そう。
まずは謝ったほうがいいかなとか思っていたら、
「申し訳ございませんでした!」
勢いよく頭を下げられた。
「謝るのは私のほうだよ。テリオス君は何も悪くないから。」
「いいえ、僕が間違ってました。
シオン様が自立なさろうとしていらっしゃったのに、過剰にお世話しました。
シオン様の為だと他の使用人を遠ざけ孤立させました。
それに…触りすぎでした。」
わかっていたのか。
「でも正直助かってたよ。ちょっと前まで自分では何一つ出来なかったから、本当に感謝してる。
でもね、そろそろテリオス君は自分の為に生きたほうがいいと思う。
マティアス殿下が近衛隊に推薦してくれるって。前に行きたいって言ってたでしょ?」
喜んでくれるかと思ったのに…。
シチュエーション的には彼シャツなのだが…。
執務室に朝食を用意してもらい食べた。コーヒーも殿下が入れてくれた。
「まだ少し赤いな。」
泣いた目の事だ。
「もう少しここにいるか?」
「帰ります。テリオス君にも謝らなくちゃいけないし。」
「そう言えば珍しく一人だったな、喧嘩でもしたのか?」
「そういうんじゃないけど。」
喧嘩じゃないけどちょっとイライラして冷たくした。いっぱいお世話になってるのに。
「テリオス卿をいつまで側においておくのだ?騎士団に戻すなら早めのほうがよいのではないか?実績も家柄も申し分無い、卿さえその気があるのならば近衛に推挙するのだが。」
そうだ、近衛隊に入りたいって言ってた。テリオス君なら近衛隊の制服似合うだろうな。
「ありがとうございます。喜ぶと思います。」
帰る事にしたけど…何かな?お城の皆さん見てはいけない物を見ているように目を臥せて。
普通に考えたら幼なじみの友達の家にお泊まりしただけだよ?
またしても皇室の馬車で送ってもらった。
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あれだな、無断外泊してママが怒ってるのわかってる。あの感じ。
使用人達にはシーっと人差し指を口に当ててこっそり部屋に入ったが、
「お帰りなさいませ、シオン様。」
うん、いるよね。テリオス君。
「ただいま。あの…ごめんね。その…私、態度悪かったよね。」
「とんでもございません。お召し変えを。」
怒ってる。すっごく怒ってる。いつもならいいって言っても着替え手伝うのに置いて部屋から出て行った。
この際距離を置いたほうがお互いの為かも。
私はどう頑張っても近衛隊も騎士団も無理。
今は無理ってんじゃなくてずっと無理。人を切るとか殺すとかの「戦鬼」なんて絶対無理!
テリオス君が近衛隊に所属するのならもう接点は無くなる。上官でも部下でもない。
夕食にも姿を見せなかったのでウォルシュに探してもらった。
根拠は無いけど何があっても側にいると思ってたからちょっとさみしい。
ばつが悪そうに部屋に入ってきたけど、何から話そう。
まずは謝ったほうがいいかなとか思っていたら、
「申し訳ございませんでした!」
勢いよく頭を下げられた。
「謝るのは私のほうだよ。テリオス君は何も悪くないから。」
「いいえ、僕が間違ってました。
シオン様が自立なさろうとしていらっしゃったのに、過剰にお世話しました。
シオン様の為だと他の使用人を遠ざけ孤立させました。
それに…触りすぎでした。」
わかっていたのか。
「でも正直助かってたよ。ちょっと前まで自分では何一つ出来なかったから、本当に感謝してる。
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