戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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「ビアンカ様にはお妃教育時代に何かと嫌がらせされたんだけど、ことごとく返り討ちにしてやりましたから、わたくしの事が気に入らなかったのよ。
 その頃、聖女が後宮に出入りするようになったわ。
 聖女がろくに面識の無いわたくしを最初から目の敵にしてきたのはビアンカ様の差し金ではないかと思うの。
 でもビアンカ様のご実家、モーデンガルロ伯爵家は光神聖教の敬虔な信者だけど、当時権勢を誇っていた聖女を呼び寄せるほどの力も経済力も無いはずだわ。」
 フィリップが気になっていた事を話す。
「そうなのです。ビアンカ様のご実家には闇の者を雇うような力は無いのです。かといって後宮の金の動きも…別の事には使われた形跡はございましたが外部に渡された事はございませんでした。資金の出所が無いのです。」
 そうなると残るはリシャルテ公爵家。
 聖女の生まれも東部のリシャルテ公爵領。
 関係があるのかも。
「ビアンカ様が息子に皇位を望む理由はまだあるわ。以前から陛下が進めようとしついる後宮の廃止よ。
 あの広い後宮にビアンカ様とお子様達だけの為に使用人が何人も必要なの。廃止されればだいぶ予算が削れるわ。」
「待って、ルシア様とお子様は?」
「華の離宮で過ごされているわ。最近じゃ陛下も入り浸りらしいわ。」
 城の周りににはいくつかの離宮がある。
 マティアス殿下の婚約式が開かれたのは春の離宮だった。そういえば殿下もあの離宮で生活されていたな。
「ルシア様の話じゃ、後宮はお化けが出るらしいわ。」
 は?
「お化けは物を隠したり、毒を盛ったりするんですって。」
 なるほどね。
 後宮の使用人はビアンカ様の手先ということか。
 フィリップも、
「ビアンカ様の采配で使用人達は高い賃金をもらってます。賃金の他にも贅沢品など受けとっていますね。先ほどの不審な金の流れがそれです。」
「マティが離宮で暮らしていたのは皇女でいらした姉のエレオノラ様が、「お父様とビアンカがセックスしている館でなんか寝れないっ!」ってマティを連れて出て行ったかららしいわ。」
 そういう経緯があったのか。
「後宮を廃止すればビアンカ様は今までのように好き勝手は出来ない。皇妃であるルシア様の離宮よりさらに小さな離宮、もしくは城の一部に部屋を貰うしかないわね。」
 後宮の主として贅沢三昧だったビアンカ様には耐えられない屈辱。
「ルシア様はジュリアス殿下を皇帝にはしたくないって言ってたわ。
 リタには聞かせたく無い話だけど…マティはジュリアス殿下を養子にって願い出たことがあったの。
 自分に万が一の事があればより確実にジュリアス殿下に継承されるようにって。
 陛下は賛成したけどルシア様の強い反対でその話はなくなったけど。
 皇帝陛下もマティもある意味異常よね。
 自分の感情より皇室と帝国の安定を優先しちゃうんだから。」

 
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