戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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 フィリップは話を持ち帰り捜査してみる事にすると、帰って行った。
 それにしてもサンディは皇室に深く入り込んでいるようだ。
「どう?リタ。皇室って怖い所でしょ?」
「そうですね。でも不謹慎ですけど興味深いです。皇室とか後宮って貴族から見ても謎が多くって、雲の上のような世界でしょ?そこを覗き見しているようで…。」
 楽しそうな表情が不謹慎だと気がついてはっとしたようだ。
「あなたもそこに入るのよ?」
「それがまだ実感が無くて。それに…先ほどのジュリアス殿下の養子のお話。マティアス殿下は本気だと思います。
 わたくし、この婚約は偽装だと思うのです。」
「そんな事は無いわ。マティは偽装であっても結婚するわよ。
 リタは結婚したくないの?」
「わたくしの一存では決められ無いのはご承知でしょう?」
 たしかに伯爵家は皇家に意見は言えない。
「わたくしも貴族の娘です。自分の思うようには生きられないとは心得ております。嫁げと言われれば従いますが、マティアス殿下は結婚は望まれていない気がいたします。」
 あまり聞きたい話しでは無いな。
 殿下の事は好きだけど、婚約者にさみしい思いをさせているなんて。
 リタ嬢がチラチラと私を見ているのはまさか私殿下の事を疑っている?
「あー、リタ嬢。巷で流れている私と殿下の噂は根も葉もございませんよ?」
 根くらいはあるかな。
「あっ、いえ…むしろ応ぇ…ん…ごにょごにょ。」
「え?」
「何でもございません。」
 サンディはクスクス笑っているが、やはり誤解しているのだろう。
 私はそうだとしても、殿下の邪魔にはなりたくないな。
「サンディ、後宮の情報はルシア様から?」
 ルシア様も後宮にはいないらしいが。
「侍女を数名買収してあるの。万が一後宮に入ることになった場合も考えてね。お金で動く者は簡単に寝返るわ。」
「じゃあ刺客に指示を出していた侍女もわかっているんじゃないの?」
「当然よ。」
 一番肝心な事じゃないの。
「わたくし、色々な所から情報を仕入れてますけれど唯一入り込めない場所があるの。
 近衛隊ですわ。
 リタから当時の状況を聞いた時感じた違和感。シオンちゃんも感じたはずよ。近衛がマティの側を離れるなんて。」
「それは、私が側にいた為つい以前と同じように安全だと油断したのではないかと…。」
 いや、訓練を積んだ彼らが有り得ないか。
「フィリップ卿は意外と抜けているし、シオンちゃんに絶対の信頼を持っているからあり得るかもだけど、それすらも演技だったら?
 近衛はマティの一番近くにいるのよ。
 裏切り者がいるなら切り捨てないと、いつまでも危険に晒されたままよ。
 侍女はまた動くはず。
 しばらく泳がせておけば近衛の者と連絡をとるかもしれない。」
 サンディすごいな。
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