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レイモンド視点
リリアンに拒絶された。
きっとこれまでも我慢していたのだろう。
アステローゼ公爵令嬢とはやましい事はしていない。
だが信じてはいないかも知れない。
あり得ない事だから弁明さえしていなかったが、こんなに移り香が残っていたとは。
最低だ。
私は他の女の匂いをさせてリリアンを抱いた。
逆に彼女から他の男の匂いなどしたら私は正気ではいられないだろうに。
いったいどうしたら。
早くどこかへやってしまいたいのに一向に引き取り先が無い。
国内がだめなら国外にでもと思っても持参金の無い公女などどの国も欲しがらない。
ここの所次々と法案が出され、その処理で政務省も財務省も忙しい。
リリアンとゆっくり話す時間も無い。
彼女はもう私が融資した資金はすべて返済し、さらに事業を広げ利益をあげている。
知名度も上がりもう誰も迂闊には手を出せない存在だ。
仮に私の恋人ではなくなっても自由に生きていけるし、助けになってくれる貴族も多くいるだろう。
リリアンは私をどう思っているのだろう。
私に恩を感じて付き合っていたのならば、もうすでに返したと考えてもおかしくない。
彼女は私を慕っていると同時に恐れてもいるだろう。
彼女と私は恋人とは言っても常に対等ではなかった。
身分差に加え金銭の貸し借り。
私からの言葉など命令に等しい。
本当は別れたくても言い出せないだけではないか?
駄目だ、別れるなど許さない。
考えろ。
彼女の為に。
彼女の好きな物は?
彼女が喜ぶ事は?
私に繋ぎ止める為には?
久しぶりに出かけよう。
彼女の好きなカフェに行き冷たくて甘い物を食べよう。
ドレスを選びパーティーに誘おう。
彼女は変わらず笑顔で私の少し後ろを付いてくる。
その笑顔は心からか?
私は無言の圧力で、楽しいふりを強要していなかったか?
そもそも彼女は私を愛してなどいなかったではないか。
これまでの事を謝ったほうがいいのだろうか。
どこから謝ればいい?
わからない。
リリアンに拒絶された。
きっとこれまでも我慢していたのだろう。
アステローゼ公爵令嬢とはやましい事はしていない。
だが信じてはいないかも知れない。
あり得ない事だから弁明さえしていなかったが、こんなに移り香が残っていたとは。
最低だ。
私は他の女の匂いをさせてリリアンを抱いた。
逆に彼女から他の男の匂いなどしたら私は正気ではいられないだろうに。
いったいどうしたら。
早くどこかへやってしまいたいのに一向に引き取り先が無い。
国内がだめなら国外にでもと思っても持参金の無い公女などどの国も欲しがらない。
ここの所次々と法案が出され、その処理で政務省も財務省も忙しい。
リリアンとゆっくり話す時間も無い。
彼女はもう私が融資した資金はすべて返済し、さらに事業を広げ利益をあげている。
知名度も上がりもう誰も迂闊には手を出せない存在だ。
仮に私の恋人ではなくなっても自由に生きていけるし、助けになってくれる貴族も多くいるだろう。
リリアンは私をどう思っているのだろう。
私に恩を感じて付き合っていたのならば、もうすでに返したと考えてもおかしくない。
彼女は私を慕っていると同時に恐れてもいるだろう。
彼女と私は恋人とは言っても常に対等ではなかった。
身分差に加え金銭の貸し借り。
私からの言葉など命令に等しい。
本当は別れたくても言い出せないだけではないか?
駄目だ、別れるなど許さない。
考えろ。
彼女の為に。
彼女の好きな物は?
彼女が喜ぶ事は?
私に繋ぎ止める為には?
久しぶりに出かけよう。
彼女の好きなカフェに行き冷たくて甘い物を食べよう。
ドレスを選びパーティーに誘おう。
彼女は変わらず笑顔で私の少し後ろを付いてくる。
その笑顔は心からか?
私は無言の圧力で、楽しいふりを強要していなかったか?
そもそも彼女は私を愛してなどいなかったではないか。
これまでの事を謝ったほうがいいのだろうか。
どこから謝ればいい?
わからない。
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