8 / 15
7.復讐の準備①
しおりを挟む
ミーツとルイは商業ギルドへ向かっていた。
ルイはミーツをニヤニヤと見ながら聞く。
「今更、商業ギルドって何しに行くの?」
「法律については法律士に相談しないとどうしようもないから」
「裁判の費用がないっていってなかった?」
「商業ギルドに入っていれば法律に関する相談は無料だから。それと離職証明の進み具合を聞きたくて」
石造りの立派な建物が商業ギルドで、内装も貴族の相手ができるように質素だが品の良い設えになっている。
ミーツはギルド職員に法律士の相談について聞くために受付へ行った。
「おやおや、無職のミーツ君じゃないか?次の仕事は決まったかね?」
離職証明書を作成しない張本人のブー子爵がいた。
「これはこれは離職証明書を作成しないブー子爵ではないですか!今日こそは作成にいらしたのですか?」
「いや、君のようなものが今の商会には多いようだから、一度たたんで再度新しい商会を立てようかと思ってね。」
ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべてブー子爵が言う。
ブー子爵の受付をしているギルド員は顔をしかめていた。
「子爵、この書類にある、予算については本当にお持ちですか?」
「貴様、この私の言っていることが信用ならないとでも!」
ギルド員は受付の奥をちらっと振り返り、一度ギルド長にご相談いたしますので少々お待ちくださいといって、引っ込んでいった。
ブー子爵は憤慨しながら机を叩きながら文句をたらたらと言っている。
ブー子爵についてはギルド職員から「こちらで対応しますので直接関わらないように」と言われているため、文句を言いたいのを抑えて、相談受付へと向かう。
「すみません。ミーツと申します。ブー子爵の商会について法律士に相談したく伺いました」
「ああ、ミーツさん。こんにちは。商会の離職証明についてですよね、あと給料未払いの件についてもご相談されてください。ギルドでも何度かブー子爵の方に指導を入れているのですが、全く反応がありません。法律士の方は私たちギルド職員から勧められない方法を提案していただけるので、ぜひ相談してください」
ギルド職員はブー子爵をにらみながら後半部分をミーツに耳打ちした。
「あ、はい。そうします」
どうやらブー子爵はギルド職員にも睨まれているらしい。荒事も涼しい顔してさばく商業ギルド職員が忌々し気にするっていったい…
「ミーツさん、順番が来たのでどうぞ」
少し緊張しつつ法律士のもとへ向かう。
法律士への相談は時間が決まっているため的確に説明する必要がある。証拠などもスムーズに見せるようにミーツは準備していた。
「こんにちは。ミーツさん」
「こんにちは」
「離職証明と給料未払いの件でご相談でしたね」
「はい。資料をもってきているので見ながら説明させてください」
「はい。お願いします」
ミーツは商業ギルドから出されていた求人票と実際に結んだ雇用条件契約書、そして、解雇する旨が載せられた手紙を見せた。また、直前に商業ギルドから渡されたブー子爵に指導を行った記録も見せる。
「私はブー子爵の商会に2か月いましたが、給料を一度も受け取っていません。また、私だけでなく同期の2人と以前いた商会員ももらっていないようです。そして、離職証明をブー子爵に提出するよう私が伝えその後商業ギルドの方が指導されています。しかし離職証明、給料どちらも出す様子がありません」
「離職証明は求められたら提出しなければいけません。これを怠ったら違法になります。もちろん給料については損害賠償を請求できるものです。」
ミーツはメモを取りながら聞く。
「商業ギルドは雇用問題については捜査権を持っていて、今回のような問題は違法として捜査できます。しかし、雇用される側つまり、ミーツさん本人から違法性と捜査願いを申請しない限り商業ギルドは動くことができません。離職証明についてはギルドも確認済みのようですし、すぐ動いてくれますよ。あと、いくつか証拠になるものにつてアドバイスしておきますね」
ミーツはアドバイスをメモに書付けながら、ギルド員が言っていた、自分たちが勧められない方法とは捜査権のことだったのかと考えた。
本当に最終手段でしかもたいていの場合貴族を相手にするから、あまり知られていないのだろ。それにこういった捜査申請をしたことは貴族に広まりやすく、次の仕事に響くため申請するものはほとんどいないのだろう。
ミーツは証拠を手に再度ギルドの受付へと向かう。
ルイはミーツをニヤニヤと見ながら聞く。
「今更、商業ギルドって何しに行くの?」
「法律については法律士に相談しないとどうしようもないから」
「裁判の費用がないっていってなかった?」
「商業ギルドに入っていれば法律に関する相談は無料だから。それと離職証明の進み具合を聞きたくて」
石造りの立派な建物が商業ギルドで、内装も貴族の相手ができるように質素だが品の良い設えになっている。
ミーツはギルド職員に法律士の相談について聞くために受付へ行った。
「おやおや、無職のミーツ君じゃないか?次の仕事は決まったかね?」
離職証明書を作成しない張本人のブー子爵がいた。
「これはこれは離職証明書を作成しないブー子爵ではないですか!今日こそは作成にいらしたのですか?」
「いや、君のようなものが今の商会には多いようだから、一度たたんで再度新しい商会を立てようかと思ってね。」
ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべてブー子爵が言う。
ブー子爵の受付をしているギルド員は顔をしかめていた。
「子爵、この書類にある、予算については本当にお持ちですか?」
「貴様、この私の言っていることが信用ならないとでも!」
ギルド員は受付の奥をちらっと振り返り、一度ギルド長にご相談いたしますので少々お待ちくださいといって、引っ込んでいった。
ブー子爵は憤慨しながら机を叩きながら文句をたらたらと言っている。
ブー子爵についてはギルド職員から「こちらで対応しますので直接関わらないように」と言われているため、文句を言いたいのを抑えて、相談受付へと向かう。
「すみません。ミーツと申します。ブー子爵の商会について法律士に相談したく伺いました」
「ああ、ミーツさん。こんにちは。商会の離職証明についてですよね、あと給料未払いの件についてもご相談されてください。ギルドでも何度かブー子爵の方に指導を入れているのですが、全く反応がありません。法律士の方は私たちギルド職員から勧められない方法を提案していただけるので、ぜひ相談してください」
ギルド職員はブー子爵をにらみながら後半部分をミーツに耳打ちした。
「あ、はい。そうします」
どうやらブー子爵はギルド職員にも睨まれているらしい。荒事も涼しい顔してさばく商業ギルド職員が忌々し気にするっていったい…
「ミーツさん、順番が来たのでどうぞ」
少し緊張しつつ法律士のもとへ向かう。
法律士への相談は時間が決まっているため的確に説明する必要がある。証拠などもスムーズに見せるようにミーツは準備していた。
「こんにちは。ミーツさん」
「こんにちは」
「離職証明と給料未払いの件でご相談でしたね」
「はい。資料をもってきているので見ながら説明させてください」
「はい。お願いします」
ミーツは商業ギルドから出されていた求人票と実際に結んだ雇用条件契約書、そして、解雇する旨が載せられた手紙を見せた。また、直前に商業ギルドから渡されたブー子爵に指導を行った記録も見せる。
「私はブー子爵の商会に2か月いましたが、給料を一度も受け取っていません。また、私だけでなく同期の2人と以前いた商会員ももらっていないようです。そして、離職証明をブー子爵に提出するよう私が伝えその後商業ギルドの方が指導されています。しかし離職証明、給料どちらも出す様子がありません」
「離職証明は求められたら提出しなければいけません。これを怠ったら違法になります。もちろん給料については損害賠償を請求できるものです。」
ミーツはメモを取りながら聞く。
「商業ギルドは雇用問題については捜査権を持っていて、今回のような問題は違法として捜査できます。しかし、雇用される側つまり、ミーツさん本人から違法性と捜査願いを申請しない限り商業ギルドは動くことができません。離職証明についてはギルドも確認済みのようですし、すぐ動いてくれますよ。あと、いくつか証拠になるものにつてアドバイスしておきますね」
ミーツはアドバイスをメモに書付けながら、ギルド員が言っていた、自分たちが勧められない方法とは捜査権のことだったのかと考えた。
本当に最終手段でしかもたいていの場合貴族を相手にするから、あまり知られていないのだろ。それにこういった捜査申請をしたことは貴族に広まりやすく、次の仕事に響くため申請するものはほとんどいないのだろう。
ミーツは証拠を手に再度ギルドの受付へと向かう。
0
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
『定時後の偶然が多すぎる』
こさ
BL
定時後に残業をするたび、
なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。
仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。
必要以上に踏み込まず、距離を保つ人――
それが、彼の上司だった。
ただの偶然。
そう思っていたはずなのに、
声をかけられる回数が増え、
視線が重なる時間が長くなっていく。
「無理はするな」
それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、
彼自身はまだ知らない。
これは、
気づかないふりをする上司と、
勘違いだと思い込もうとする部下が、
少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。
静かで、逃げ場のない溺愛が、
定時後から始まる。
定時後、指先が覚えている
こさ
BL
職場で長く反目し合ってきた二人。
それでも定時後の時間だけは、少しずつ重なっていく。
触れるはずのなかった指先。
逸らさなかった視線。
何も始まっていないのに、
もう偶然とは呼べなくなった距離。
静かなオフィスでゆっくりと近づいていく、
等身大の社会人BL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる